アシッド・ハウス
アシッド・ハウス(Acid house)とは、狭義にはアナログシンセサイザーの変調効果を多用したエレクトロニック・ミュージックを指す。広義では、1987年頃からシカゴやロンドンで同時多発的に始まった、電子音楽、ファッション、クラブ・カルチャーをミックスしたカルト現象を意味する。 元々の発生は、1987年、シカゴでDJ Pierreが『Acid Trax』を製作した時、古いアナログシンセサイザー「ローランド・TB-303」のツマミをランダムに動かすことによって偶然生み出されたサウンドが、あたかもアシッドすなわちLSDの幻覚作用を思わせる幻想的なサウンドであったために、この名前がついたといわれている。現在では必ずしもアシッド・サウンド=TB-303を使用した楽曲だけに留まらず(もちろん狭義ではそれこそを「アシッド・ハウス」と呼ぶが)、アナログシンセのフィルターやミキサーのEQなどを用いて音色変化のスウィープ感を強調した音楽全般へと拡大を見せている。ダフト・パンクの登場以降にシーンを席巻したフィルターハウスと呼ばれるジャンルなどがその筆頭である。 このムーヴメントはやがて、スペインのイビサ島やロンドンにおけるクラブ・シーンを経て、1980年代後半から1990年代初頭の、セカンド・サマー・オブ・ラブからはじまるレイヴ・カルチャーへと進化していった。1993年には世界的なアシッドハウス・リバイバルが起こり、その人気を不動の物とした。近年ではさらにアシッドハウス・リバイバルのリバイバルといった現象まで起こった。 主要アーティスト関連項目出典
外部リンク |