アサシン クリード ユニティ
『アサシン クリード ユニティ』(英: Assassin's Creed Unity)は、ユービーアイソフトより北米において2014年11月11日、日本において2014年11月20日発売のゲームソフト。アサシン クリードシリーズ8作目の作品である。2013年に発売された『アサシン クリード IV ブラック フラッグ』の続編となり、また北米で同日に発売された『アサシン クリード ローグ』とのストーリー上の繋がりも有している。 概要舞台はフランス革命中のパリ。シングルプレイでは革命の影で暗躍する勢力の正体を暴くため奔走するアルノ・ドリアンが主人公となる。ゲームプレイでは既存の三人称視点のワールド探査が踏襲されているが、戦闘・パルクール・ステルスシステムの刷新が図られている。またマルチプレイでは、シリーズ初の協力プレイが導入され[1]、ストーリーやワールドマップでの探査などが含まれている。 今作のゲームプレイ部分は過去編のみとなっており、現代編は前作までとは異なりプレイヤーが操作する場面は存在せず、全編ムービーのみになっている(サーバーブリッジなど現代編の要素に関連するイベントやミッションはゲーム中に存在する)。 ストーリー2014年、アブスターゴ社はコンシューマ型アニムス「ヘリックス」を一般販売しており、一人のプレイヤーがヘリックスで「ジャック・ド・モレーの悲劇」をプレイしていた。内容はクレメンス教皇とフィリップ王に裏切られたテンプル騎士団及び最後の総長ド・モレーの悲劇的な最期を描いたものであり、騎士団は秘宝を守り抜いたが全滅し、ド・モレーも処刑された。その時、突如プレイが中断され、アサシン教団のビショップと名乗る女性がプレイヤーに接触してくる。ビショップはアブスターゴを隠れ蓑にしているテンプル騎士団がヘリックスを利用して歴史の操作を企んでいることを説明し、教団がヘリックス・サーバーから盗んだ極秘の遺伝子記憶データの一つを体験・調査することをプレイヤーに求めた。それはフランス貴族の家に生まれたアルノ・ドリアンの記憶だった。 幼少期に父を殺されたアルノはフランソワ・デ・ラ・セールの家に引き取られ、以後13年間暮らしてきた。1789年5月5日、デ・ラ・セール宛に重要かつ緊急の手紙が届き、アルノは手紙を届けるためにデ・ラ・セールを追って三部会に忍び込んだが、途中の騒動で配達を断念し、デ・ラ・セールの私室に手紙を残す。次にアルノはベルサイユ宮殿に忍び込み、恋人であるエリス・デ・ラ・セールとの一時の逢瀬を楽しんだが、帰り道でフランソワ・デ・ラ・セールが殺されているのを発見し、更に濡れ衣を着せられ逮捕されてしまう。バスティーユ牢獄に投獄されたアルノは同室の囚人であるピエール・ベレックと父の形見の懐中時計を巡って一悶着を起こしたが、ベレックの正体はアサシン教団のアサシンであり、アルノの父もアサシンだったことを明かされる。2ヶ月後、バスティーユ襲撃の混乱に乗じてアルノとベレックは共闘し脱獄した。その後アルノはエリスと再会したが、エリスは自身の父がテンプル騎士団パリ支部長だったことと、アルノの父がアサシンだったことを知っており、更にアルノが届け損ねた手紙は父に暗殺の危機を知らせる手紙だったことを明かす。エリスは父の遺志を継いで騎士団に入ることを決意しており、アルノを追い返してしまう。養父の死に対する贖罪を求め、アルノはアサシン教団に加入した。 一方、現代。アサシン教団への加入を決断したプレイヤーに、ビショップはアブスターゴの極秘計画「フェニックス・プロジェクト」の資料を見せる。昨年に多量の古代DNAを有する「賢者」の遺体を入手したことで始動したプロジェクトであり、アブスターゴは先駆者の遺伝子を解明するために賢者を探し求めていた。ビショップは過去に賢者と接触していたアルノの記憶を調べて、賢者の死体が残されている場所をアブスターゴよりも先に突き止める必要があると語った。 1791年、最後の試練を経て一人前のアサシンとして認められたアルノは、ベレックの後押しもあり熱望していたデ・ラ・セール殺人犯の暗殺任務を任される。調査中に出会ったマルキ・ド・サドことサド侯爵の情報もあり実行犯を暗殺したアルノは、サド侯爵からの更なる情報で、デ・ラ・セール殺害の凶器であるピンはフランソワ・トマ・ジェルマンという銀細工師が作ったことを知る。評議会の指示で潜入した店でアルノはジェルマンを見つけたが、ジェルマンはテンプル騎士団のパリ支部長クレティアン・ラフレニエールに軟禁されて武器製作を強要されていたと語り、助けを求めた。応じたアルノはジェルマンを逃がし、更なる調査でラフレニエールが教団襲撃を計画していることを知り、ラフレニエールを暗殺した。しかし、ラフレニエールはデ・ラ・セールに暗殺の危機を知らせる手紙を書いた本人だった。評議会は許可を得ずにラフレニエールを暗殺したアルノを非難したが、オノーレ・ミラボー支部長の執り成しもあり引き続きアルノに調査が任される。ラフレニエールが襲撃を予定していたクラブを調査したアルノは、テンプル騎士団内部の過激派がラフレニエール率いる保守派を始末するためにアサシンを利用したことと、更にエリスの抹殺も画策していることを知る。アルノはエリスを騎士団の刺客から救い、仇討ちのために教団に協力するよう説得した。しかし教団評議会の大半はエリスとの共闘に反対しており、賛成しているのはミラボー支部長のみだった。町に戻ったアルノとエリスだったが、エリスの情報を基にジェルマンの店を再調査した結果、ジェルマンこそが過激派のリーダーであり、デ・ラ・セールを殺した黒幕であることを知る。二人は教団に戻ったが、騎士団との和平を全否定するベレックによってミラボー支部長が毒殺されてしまう。アルノに問い詰められたベレックは教団を救うための行動であると強弁し、アルノにも協力を求めたが拒絶され、死闘を繰り広げる。ベレックはアルノを惑わした元凶と決め付けエリスを殺そうとしたが阻止され、アルノはベレックにとどめを刺した。 1792年、パリ・コミューン率いる暴徒がテュイルリー宮殿を包囲した。評議会の指示でアルノはミラボーが国王に宛てた手紙を回収するために宮殿へ潜入し、偶然居合わせたナポレオン・ボナパルトと協力して任務を遂行した。ナポレオンから聞いた情報を手掛かりにアルノとエリスはジェルマンの配下達を暗殺していき、ジェルマンが国王を処刑するための工作を行っていることと、その処刑場にジェルマンが姿を見せることを知る。国王の公開処刑を見物するジェルマンを見つけ出したアルノだったが、ジェルマンは兵士にアルノ達の相手を任せて逃走を図る。エリスは自分が兵を足止めしている間にジェルマンを追うようアルノに求めたが、アルノはエリスを守ることを優先し、ジェルマンを見失ってしまう。復讐を優先するエリスはアルノを非難し、アサシン教団評議会も独断専行を繰り返すアルノに除名処分を言い渡す。孤立無援となったアルノは数か月に亘って酒に溺れ続け、泥酔して荒れていた所でエリスと再会する。エリスは暴走したジェルマンがパリを恐怖政治で支配していることを語り、共にパリに戻ることをアルノに求めた。 1794年、パリに戻った二人はジェルマンに繋がる最後の手掛かりである、彼の指示で恐怖政治を導入したマクシミリアン・ロベスピエールに辿り着く。アルノとエリスはロベスピエールの権威を失墜させる工作を行い、権力の庇護を失ったロベスピエールを脅迫してジェルマンの居場所を突き止める。タンプル塔でアルノはジェルマンと対峙したが、ジェルマンが持つエデンの剣の力に圧倒される。エリスと協力してジェルマンに深手を負わせたアルノだったが、ジェルマンは反撃してアルノの動きを止め、再び逃走を図る。制止するアルノにエリスは謝罪の一言を掛け、逃げるジェルマンを追って斬り掛かった。動けるようになったアルノはジェルマンからエリスを救おうとしたが、一歩及ばずエデンの剣の力が暴発してエリスが死亡し、ジェルマンも瀕死の重体となる。アルノはアサシンブレードでジェルマンにとどめを刺した。死に際にジェルマンは自身が賢者であることを明かし、自分が死んでも世界は目論見通りに動き、それが少し遅れるだけだと嘯く。エリスの死体を抱え、アルノは塔を立ち去った。 アサシン教団の信条を誤って捉えていたことを認めたアルノは、再びアサシンとしての暗躍に戻る。数年後、アルノはナポレオンと共に再びタンプル塔を訪れた。ジェルマンの死体は白骨化して朽ちており、パリの地下墓地に埋葬された。ビショップは賢者の死体の位置を突き止めたプレイヤーの手柄を賞賛し、同時にこの死体からDNAデータを抽出される可能性も無いことに安堵した。 登場人物
アサシン教団
テンプル騎士団
その他
現代編
ノートルダム大聖堂の火災を受けて2019年4月15日に発生したノートルダム大聖堂の火災を受け、「以前の大聖堂の美しさを知ってもらいたい」との理由から、ユービーアイソフトは同年4月18日から1週間限定で本作のPC版の無料配布を決定、さらにノートルダム大聖堂の修繕のために50万ユーロを寄付することを明らかにした[3]。 なお、一部のメディアはゲーム内の3Dモデルが大聖堂の再建に使われる可能性を示唆したが[4][5]、ユービーアイソフトは取材に対し「再建計画には関わっていない」とコメントしている[6]。 不具合騒動発売直後から世界中のPC版を含む多くのプラットフォームでフレームレートの低下、ゲームのクラッシュ、突如としてプレイヤーキャラクターが地面の下に落下するなど、様々なバグ(グリッチ)がユーザーから報告され大きな騒動となった。 脚注
外部リンク |
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