アガマ科
アガマ科(アガマか、学名:Familia Agamidae)は、爬虫綱有鱗目に属する科。模式属はアガマ属。キノボリトカゲ科ともいう。 分布アフロ・ユーラシア大陸(ヨーロッパ南西部から南アジアにかけてと、アフリカ)とオセアニアに広く分布する[8][9]。国家・地域で言えば、アジアでは、日本、フィリピン、シンガポール、インドネシア、スリランカなどにも棲息する。 日本にはキノボリトカゲのみ南西諸島(沖縄県)に自然分布する[9]。近年、ハルドンアガマの和歌山県への移入が確認された。 形態大半の種は全長30センチメートル前後で、最大級はアンボイナホカケトカゲ(cf. ホカケトカゲ属)の約90センチメートル、最小級はスナジアガマの約12センチメートルまでと、かなりの幅がある[8]。多様な棲息環境に合わせて適応し、様々な形態を具えた種が見られる。近縁のイグアナ科の構成種とは分類と分布する大陸こそ違うものの、同じような環境に適応した結果として類似した形態を具えるに到った(収斂進化した)種もいる。 生態
森林や砂漠など様々な環境に棲息し、地上棲の種も樹上棲の種も含まれる。多くの種は動物食で、昆虫類、小型爬虫類、小型哺乳類などを捕食するが、雑食や植物食の種もいる。繁殖形態はほぼ卵生であるが、スリランカには卵胎生の種もいる。 最古種既知で最も古い時代のアガマ科動物は、中生代三畳紀カーニアン(約2億3700万年前~約2億2700万年前)のゴンドワナ大陸インド亜大陸部に棲息していた絶滅種ティキグァニア (Tikiguania) である可能性がある。この属は2006年に化石が発見された[1][2]。トビトカゲ亜科の1属に分類する説と、アガマ科に近縁の未分類属とする説[5]がある。この属をアガマ科に含めない場合、アガマ科の最初期は中生代白亜紀後期(後期白亜紀)セノマニアン(約9960万年前~約9350万年前)まで下がる[10]。右のテンプレートでは後者を採用した。 イグアナとの関係アガマ科は、原始的なイグアナ科のトカゲの祖先型から分化した一群であり、旧世界(アフロ・ユーラシア大陸)でイグアナ科に取って代わり、繁栄したものと考えられている[8]。ただ、海を隔てたマダガスカル島、フィジー諸島、トンガ諸島には到達しておらず、それらの地域には現在もイグアナ科が分布している[8]。 分類下位分類(2020年代)分類・和名は中井(2024)を参考[11]。 アガマ亜科
オセアニアドラゴン亜科
トビトカゲ亜科
ホカケトカゲ亜科
バタフライアガマ亜科
トゲオアガマ亜科
下位分類(2000年代)2000年代の分類体系では、ほとんどの属をアガマ亜科に属するものとし、トゲオアガマ属とバタフライアガマ属のみをトゲオアガマ亜科に分類していた。 保全状況
2021年の発表で、近絶滅種 10、絶滅危惧種 25、危急種 26、近危急種 16、低危険種 334、データ不足 56、未評価 107。 ギャラリー
記載論文
参考文献
脚注出典関連項目外部リンクデータベース
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