ほうおう座アルファ星
ほうおう座α星(ほうおうざアルファせい)は、ほうおう座で最も明るい恒星で2等星。 名称固有名のアンカア(Ankaa)はアラビア語でフェニックスを指す言葉 عنقاء(ʿanqāʾ, 文語アラビア語発音:アンカーッとアンカーゥとアンカーァを混ぜたような発音, 学界標準カタカナ表記:アンカー) に由来する[2]。2016年7月20日、国際天文学連合の恒星の固有名に関するワーキンググループは、この名称を固有名として承認した[3]。 また、ザウラク(Zaurak)という、アラビア語で『船の輝くもの』を指す[2][7]熟語の"船"(زورق, zawraqないしはzauraq, 厳密には船よりも小さな「舟、ボート」の意)部分に由来する名称で呼ばれることもあった。これは古来、アラビアではこの辺りの星の並びを船に見立てていたことに因む[2][7]。 近年、ザウラクはエリダヌス座γ星の固有名として用いられるのが一般的となっており[7]、2016年7月20日、国際天文学連合により正式にエリダヌス座γ星の固有名として承認された[3]。 物理的特徴ほうおう座α星は公転周期約10.5年の単線分光連星である[6][8]。1905年には視線速度が変化する恒星の1つに挙げられ[9]、1918年に視線速度の変動の記録に基づいて公転周期3,880日の軌道が求められた[8]。 主星はスペクトル分類がK型の橙色巨星で[1]、太陽の約83倍の光度を持ち、金属量は太陽よりも低い[4]。伴星は主星よりずっと暗く、スペクトルが観測されていない。 ほうおう座α星の見つけ方ほうおう座α星は、くじら座β星を鋭角の頂点として、みなみのうお座のα星フォーマルハウトと二等辺三角形を描いている[10]。フォーマルハウトの南東にあり[11]、くじら座β星との赤経差がおよそ17分であるため、くじら座β星が南中すると、その下方に見える。 3星のうち、フォーマルハウトは1等星で、他の2星は2等星である。3星のあたりは、周りに明るい星がないため比較的目立つ[7]。ただし、日本ではこの星の高度が低いため、大気による減光を受け、カタログ値ほど明るくならない。大気の澄んだ日に南の地平線近くの空が開けていて、かつ観望の妨げとなる光源のない場所を選択することが望ましい。 脚注注釈出典
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