はーとふる彼氏
『はーとふる彼氏 〜希望の学園と白い翼〜』(はーとふるかれし きぼうのがくえんとしろいつばさ)は、日本の同人サークル「PigeoNation Inc.」による、Microsoft Windows XP[注 1]及びMac OS X搭載パソコン用女性向け恋愛ゲーム、同人ゲームである。仕様別に以下の5種類が発表されている。
また、イギリスのゲーム開発スタジオMediatonicによりHDリメイク版が制作され、アメリカのゲーム販売会社Devolver DigitalよりSteam版が2014年9月5日に配信された。これ以降、PlayStation 4、PlayStation Vita、iOS、Androidの各プラットフォーム向けにも順次発売されている。 概要2011年のエイプリルフール前日に、作者である玻都もあ(はと もあ)[注 2]が思いついたアイデアをゲーム化したもので、最初はWebサイト上のFlashゲームとして公開されたが、エイプリルフール当日には、Webサーバをダウンさせるほどのアクセス数があったという[3]。 この作品に登場するキャラクターは、主人公(プレイヤーキャラクター)である少女を除き、全て鳥類である。彼らは概ね、人間である主人公と言葉をかわし、学校へ通って勉強や運動や読書をしたりする。即ち、このゲームは、単純に擬人化された動物と交流したり、人間が鳥類をペットなどとして慈しむ物語ではなく、人間の少女である主人公が、現実の人間社会のような文化を持つがまさしく鳥である相手と、あたかも人同士のように対等に触れ合う姿を描く。物語は、主人公らが2年生に進級した日から一年間を描く。 評価このゲームは、「恋愛対象が鳥」である点で主にインターネット上で注目を集め、同年8月11日にギズモード・ジャパン[4]、同年8月12日にITmediaの「ねとらぼ」[5]、同年9月9日に窓の杜の「週末ゲーム」[6]、同年10月5日に4Gamer.netの「インディーズゲームの小部屋」[7]と、ネットメディアや、同人ゲームソフトを扱うwebサイトで話題にされた。一方、晋遊舎の「iP!」2011年11月号(9月29日発売)、宙出版の「Cool-B」同年11月号(10月4日発売)、マガジンハウスの「GINZA」同年11月号(10月12日発売)といった、コンピュータを扱う雑誌や女性向けの雑誌にも掲載された。具体的な売り上げなどは明らかでないものの、上述の「週末ゲーム」や「インディーズゲームの小部屋」によれば、有償版である『はーとふる彼氏 Plus』は、入手困難となるほどの人気という[6][7]。 ゲーム内容ゲームシステムは一般的にビジュアルノベルやアドベンチャーゲームと呼ばれる物語を読み進めるもので、時おり現われる選択肢や、その選択により蓄積したパラメータによって物語の途中展開や結末が変化する。特徴としては、主人公との会話の際に表示される相手キャラクターの姿、いわゆる「立ち絵」が、それぞれの「鳥物」に設定された種である鳥類の実写画像という点が挙げられる。また、奇抜な世界観にも明確な理由があり、何度もプレイするうちにその謎が明かされていく[5][6][7]。 NS3このゲームには、全てのキャラクターに音声が無いが各キャラクターの初登場時には、主人公がその鳥物について簡単に説明するカットインに、「華原涼太 CV:岡本信彦」のように配役が表示される[注 3]。これは「NS3(脳内再生シンクロシステム)」と名づけられ、プレイヤーに、そこに記された声優の声をキャラクターの台詞に印象付けて遊べるよう示される架空の配役である。この際、声を印象付け易いように各キャラクターを人間の男性に擬人化したイラストも表示できるが、ゲーム全般に使われる「立ち絵」はあくまでも鳥類の写真である[5][6][7]。エイプリルフールの企画として始まった架空配役だったが、後に発売が決定したCDドラマでは、一部を除きNS3の設定そのままの声優が実際に各キャラクターを演じることになった[8]。 プロローグ生徒がハト目ばかりの名門校「聖ピジョネイション学園」にただ一人の人間として入学した主人公も、今日から2年生。1年生の頃は周りが鳥ばかりという環境に戸惑った彼女も、今はすっかり馴染んでいた。幼馴染の華原涼太、何かとうたた寝をしてしまう担任教師・七姫一明、気位の高い転校生・銀朔夜、学園の人気者である先輩・坂咲優夜、図書室で孤独に本を読みふける1年生・藤代嘆、荒ぶる陸上部部長・尾呼散、「邪緋眼」を持つという緋紅アンヘル、怪しい雰囲気を漂わせる保険医・岩峰舟と、タイプの異なるオス鳥たちとの新たな出会いを迎え、彼女の新学年は始まるのだった。 登場キャラクター
ドラマCD2011年10月、フロンティアワークスによってこのゲームのドラマCD化が企画され、2011年12月29日に開催されるコミックマーケット81での先行発売が決定したことが報じられた[9]。同様に2012年8月にはプロローグを含めて3枚目となるドラマCDの発売と後述の漫画化についても公表された[10]。これらにおける配役は、上述のとおり架空設定であった「NS3」を、ほぼそのまま実現した形[注 4]となっている[8]。 発売されたドラマCDのラインナップは以下のとおり(2012年9月12日現在)。いずれも発売・販売元はフロンティアワークス。
キャストWebラジオ2011年12月24日から翌2012年1月25日までアニメイトTVにてインターネットラジオ番組が配信された[14]。
web漫画竹書房のウェブコミック誌『まんがライフWIN』にて2012年6月8日にストーリー漫画を配信する「まんがライフWIN+」カテゴリが追加された際、その掲載作品の第1弾として原作者・玻都もあ本人による漫画の連載が開始された[2]。8月10日(ハトの日)に配信された第3話では、同日開催されたコミックマーケット82にて先行発売された「はーとふる彼氏 ドラマCD 第二羽」と世界観を共有した[10][15]。 単行本
脚注注釈
出典
外部リンク
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