『なかった』とは日本思想史学者の古田武彦の直接編集による、日本史についての不定期刊行の雑誌。副題は「真実の歴史学」。
概要
ミネルヴァ書房から各号A5判200ページ前後の体裁で刊行された。
発刊期間
2006年から2009年の間に6号まで刊行された[1]。2012年に「なかった 別冊 1」として『漫画・「邪馬台国」はなかった』が刊行された[2]。
書誌情報
創刊号
古田武彦 直接編集 編『なかった 真実の歴史学』 創刊号、ミネルヴァ書房、2006年5月30日。ISBN 978-4-623-04669-0。http://www.minervashobo.co.jp/book/b49187.html。
- 古田による古代通史-連載-第1回 古田武彦/著
- 九州王朝論-白方勝氏に答える 学界批判-古田武彦/著
- 『大化改新詔の信憑性』(井上光貞氏)の史料批判-研究発表-古田武彦/述
- 敵祭-松本清張さんへの書簡 連載-第1回 古田武彦/著
- 「随筆」について-論考・エッセイ-安藤哲朗/著
- 明日を拓く「古田史学」-新東方史学会発足に期待 論考・エッセイ-北村明也/著
- 『國体の本義』批判の今日的意義-論考・エッセイ-藤沢徹/著
- 条里制の開始時期-論考・エッセイ-水野孝夫/著
- 「和田家文書」復刻版発行について-遺稿-藤本光幸/著
- 三つの問い-読者から-宮崎宇史/著
- 若き読者への回答-宮崎宇史さんへ 読者へ-古田武彦/著
- 「心」という迷宮-漱石『心』論 前編 連載-田遠清和/著
- ちくしの女王「ヒミカ」-連載-第1回 酒井紀年/著
- 太陽の娘ヒミカ-予告編-古田武彦/監修 深津栄美/作 おおばせつお/画
- オロチ語-簡約ロシア語=オロチ語辞典 連載-松本郁子/訳
第二号
古田武彦 直接編集 編『なかった 真実の歴史学』 第二号、ミネルヴァ書房、2006年12月20日。ISBN 978-4-623-04767-3。http://www.minervashobo.co.jp/book/b49279.html。
- 九州王朝の門柱(太宰府) 九州年号の木簡(芦屋市) 「国引き神話」の新理論(ウラジオストク)-三つの学界批判-古田武彦/著
- 太田覚眠と「トマスによる福音書」-講演-第1回 古田武彦/述
- 古田による古代通史-連載-第2回 古田武彦/著
- 敵祭-松本清張さんへの書簡 連載-第2回 古田武彦/著
- 「天は人の上に人を造らず」をめぐって-論考・エッセイ-安川寿之輔/著
- 渡嶋と粛慎について-渡嶋は北海道ではない 論考・エッセイ-合田洋一/著
- 私の視力が衰えない内であることを-論考・エッセイ-倉田卓次/著
- 高校生への回答-中島原野君へ 読者へ-古田武彦/著
- 先輩への御回答-浅野雄二さんへ 読者へ-古田武彦/著
- 神武がきた道-連載-第1回 伊東義彰/著
- 「心」という迷宮-漱石『心』論 後編 連載-田遠清和/著
- 太陽の娘ヒミカ-連載-第1回 古田武彦/監修 深津栄美/作 おおばせつお/画
- ちくしの女王「ヒミカ」-連載-第2回 酒井紀年/著
- オロチ語-簡約ロシア語=オロチ語辞典 連載-第2回 松本郁子/訳
第三号
古田武彦 直接編集 編『なかった 真実の歴史学』 第三号、ミネルヴァ書房、2007年5月30日。ISBN 978-4-623-04913-4。http://www.minervashobo.co.jp/book/b49432.html。
- 秋田孝季論 古田武彦/著
- 悪霊に取り憑かれた暗黒の村-『東日流外三郡誌』についての回想-西村俊一/著
- 太田覚眠と「トマスによる福音書」 第2回 古田武彦/著
- 古田による古代通史 第3回 古田武彦/著
- 敵祭-松本清張さんへの書簡-第3回 古田武彦/著
- 現存する二倍年暦-インドネシア(バドイ)からの報告-香川正/著
- 「万葉集」防人歌を問う 上城誠/著
- 謎の寺、法隆寺 新庄智恵子/著
- 円仁の見た開元寺奉納壁画-奉納者名簿の検討-吉田尭躬/著
- 田口利明『九州王朝と日本の古代』を読む 古田武彦/著
- 松本郁子『太田覚眠と日露交流』を読む 古田武彦/著
- 渡嶋と粛慎-渡嶋は北海道ではない-第1回 合田洋一/著
- 神武がきた道 第2回 伊東義彰/著
- 太陽の娘ヒミカ 第2話 挿話 火の池の話 古田武彦/監修 深津栄美/作 おおばせつお/画
- ちくしの女王「ヒミカ」 第3回 酒井紀年/著
- オロチ語-簡約ロシア語=オロチ語辞典-第3回 松本郁子/訳
第四号
古田武彦 直接編集 編『なかった 真実の歴史学』 第四号、ミネルヴァ書房、2008年2月10日。ISBN 978-4-623-05056-7。http://www.minervashobo.co.jp/book/b49548.html。
- 南米の古代日本語地名 古田武彦/著
- エクアドルで報道された特集記事-“EL UNIVERSO”二〇〇七年三月一八日付-大下隆司/訳
- 『古事記のひみつ』著者、三浦佑之氏へ 古田武彦/著
- 親鸞の伝承と史料批判 古田武彦/述
- 古田による古代通史 第4回 古田武彦/著
- 敵祭-松本清張さんへの書簡-第4回 古田武彦/著
- 言語と方言の比較-南米と縄文の女陰考-藤沢徹/著
- 万葉集「防人歌」を問う その2 上城誠/著
- 太田覚眠の筆跡研究-「御本尊奉安の箱」をめぐって-松本郁子/著
- 『和田家資料』(1~4)を読む 古田武彦/著
- 『志賀島・玄海島』(福岡市埋蔵文化財調査報告書第三九一集)を読む 古田武彦/著
- 読者への回答-吉村徹さんへ-古田武彦/著
- 読者への回答-平松健さんへ-古田武彦/著
- 渡嶋と粛慎-渡嶋は北海道ではない-第2回 合田洋一/著
- 神武が来た道 第3回 伊東義彰/著
- ちくしの女王「ヒミカ」 最終回 酒井紀年/著
- 太陽の娘ヒミカ 第3話 汐里と早蕨男の話 古田武彦/監修 深津栄美/作 おおばせつお/画
- オロチ語-簡約ロシア語=オロチ語辞典-第4回 松本郁子/訳
第五号
古田武彦 直接編集 編『なかった 真実の歴史学』 第五号、ミネルヴァ書房、2008年6月30日。ISBN 978-4-623-05190-8。http://www.minervashobo.co.jp/book/b49680.html。
- 大化改新批判 古田武彦/著
- 古田による古代通史 第5回 古田武彦/著
- 敵祭-松本清張さんへの書簡-第5回 古田武彦/著
- 「裸国」「黒歯国」の頃の南米-古代のエクアドル・中南米の文化について-大下隆司/著
- 鴫原一族の跡を歩く 菊地栄吾/著
- 万葉集「防人歌」を問う その3 上城誠/著
- 編集者への回答-田村研平さんへ-古田武彦/著
- 読者への回答-深津栄美さんへ-古田武彦/著
- 渡嶋と粛慎-渡嶋は北海道ではない-最終回 合田洋一/著
- 神武が来た道 最終回 伊東義彰/著
- 太陽の娘ヒミカ 最終話 ヒミカの佐用捜し 古田武彦/監修 深津栄美/作 おおばせつお/画
- オロチ語-簡約ロシア語=オロチ語辞典-第5回 松本郁子/訳
第六号
古田武彦 直接編集 編『なかった 真実の歴史学』 第六号、ミネルヴァ書房、2009年7月20日。ISBN 978-4-623-05337-7。http://www.minervashobo.co.jp/book/b49942.html。
- 金石文の九州王朝――歴史学の転換 古田武彦/著
- 「寛政原本」の出現について 古田武彦/著
- 名代論――孝季と崇道天皇 古田武彦/著
- 北朝認識と南朝認識――文字の伝来 古田武彦/著
- 清水淹氏の「短里」論文をめぐって 古田武彦/著
- 丸山雍成『邪馬台国――魏使が歩いた道』をめぐって 古田武彦/著
- 西谷正『魏志倭人伝の考古学』をめぐって 古田武彦/著
- 連載 敵祭――松本清張さんへの書簡 第六回 古田武彦/著
- 沈黙の証言――『こころ』論 古田武彦/著
- 難升米について――日韓交流のキーマン 古田武彦/著
- 日本における書写材料についての一考察 菅野拓/著
- 日本書紀編者は短里説であった 清水淹/著
- 隋書、新・旧唐書の東夷伝も短里 清水淹/著
- 侏儒国の痕跡を沖の島(宿毛)に見た 合田洋一/著
- 「万葉集」防人歌を問う 最終章 上城誠/著
- 冨谷至『錯誤と漢籍』を読む 古田武彦/著
- 安本美典『「邪馬台国畿内説」徹底批判』を読む 古田武彦/著
- オロチ語――簡約ロシア語=オロチ語辞典 第六回 松本郁子/訳
- 反射布の反射特性(反射分布特性、(偏角)分光反射)測定
- 韓国語訳(難升米について)
- 第Ⅰ期完結記念付録DVD
別冊1号
- Part.1 疑問だらけの「邪馬台国」
- Part.2 秋田君、西晋の洛陽にワープ!
- Part.3 「三国志」の「里程」について
- Part.4 俾弥呼と鏡
- Part.5 倭女王・俾弥呼と魏との交流
- Part.6 俾弥呼の墓
- Part.7 陳寿小伝
- Part.8 秋田君の帰還
- あとがき
- 解説/古田武彦
- 倭人伝原文・読み下し文
脚注
関連文献
関連項目
関連人物
外部リンク