とちぎの百様

とちぎの百様の1つ
47.尚仁沢湧水

とちぎの百様(とちぎのひゃくさま)は、栃木県が選定した、100の地域資源[1]。県民が自慢できる文化財特産品を選定したものである[2]

経緯

栃木県は、郷土愛の醸成や地域ブランドの周知を目的に、「とちぎの百様」を選定することにし、2014年に11人から成る「ふるさと栃木の魅力醸成会議」の場で195件を候補として挙げた[2]。これをもとに、栃木県内外から[2]14,392票の一般投票の結果を踏まえ[1]、県が100件に絞り込み、2015年に発表した[2]。同年6月15日、栃木県民の日の記念イベントの一環として、百様の認定授与式を県庁で開催した[3]

とちぎの百様という名前は、栃木県民が人以外のものに対して、敬意や親しみを込めて呼ぶ際に「様」を付けて擬人化する[注 1]ことがあることにちなむ[1]。公式ロゴマークは、百様という呼称が「王様」を連想させることから王冠を採用し、冠のてっぺんに県の木であるトチノキの葉をあしらっている[2]

活用

92.真岡鐡道

県は専用のウェブサイトを構築し、ガイドブックを発行することで情報を発信している[1]2017年にはフォトコンテストを実施し、とちぎの鮎、みかも山公園真岡鐵道をテーマにした作品を最優秀賞に選出し、副賞として、とちぎ和牛すき焼き用を贈った[4]

2020年には、県と第一生命保険サラリーマン川柳の地方版として「“とちぎの百様”川柳」を募集した[5]。応募総数は1,872句で、うち202句は「とちぎのいちご」をテーマとした作品であった[5]。大賞には、日光東照宮三猿にかけた作品が選ばれた[5]

民間では、ツインリンクもてぎが、百様に選ばれた食材を使ったスプーン1杯分の料理を販売する「ワンスプーンパーティー」という催しを開いたり[6]とちぎテレビCRT栃木放送が百様を題材にした番組を放送したりしている[7][8]

学校教育では、栃木県の小学5年生と中学2年生を対象とする「ふるさと学習」の中で、教材の1つとして百様を扱う[1]。県は百様を題材とした小中学生向けのコンクール「とちぎの百様ジュニアコンクール」を開催しており、俳句・川柳、作文、絵画の3部門で募集する[9][10]。2016年度は1,118点[9]、2021年度は1,826点の応募があった[10]

一覧

公式ウェブサイトやガイドブックでは、百様に選ばれた地域資源を「○○ 様」と「様」を付けて紹介し、擬人化したキャラクターも掲載する[注 2]。また、百様それぞれに「感動ポイント」と称する短文の解説を付す[1]。例えば、「日光天然氷のかき氷」の感動ポイントは、「頭がキーンとしないふわふわ食感」である[1]

番号 百様 部門 市町
1 日光東照宮 歴史・文化・人物 日光市
2 日光二荒山神社
3 日光山輪王寺
4 宇都宮二荒山神社 宇都宮市
5 足利織姫神社 足利市
6 鑁阿寺
7 佐野厄よけ大師(惣宗寺) 佐野市
8 雲巌寺 大田原市
9 延生地蔵尊(城興寺) 芳賀郡芳賀町
10 史跡足利学校 足利市
11 蔵の街栃木 栃木市
12 相田みつを
13 田中正造
14 那須与一
15 那須烏山の山あげ祭 那須烏山市
16 鹿沼彫刻屋台まつり 鹿沼市
17 ふるさと宮まつり 宇都宮市
18 間々田のジャガマイタ 小山市
19 大谷石 宇都宮市
20 本場結城紬 小山市
21 竹工芸 大田原市
22 益子焼 芳賀郡益子町
23 真岡木綿 真岡市
24 烏山和紙 那須烏山市
25 日光彫 日光市
26 小砂焼 那須郡那珂川町
27 野木町煉瓦窯 下都賀郡野木町
28 下野薬師寺跡 下野市
29 足尾銅山 日光市
30 殺生石 那須郡那須町
31 栃木弁 全域
32 奥日光の湿原(戦場ヶ原小田代ヶ原湯川 自然 日光市
33 渡良瀬遊水地 栃木市、小山市、野木町
34 日光の絶景(華厳の滝いろは坂中禅寺湖竜頭の滝 日光市
35 鬼怒川沿いの渓谷美(龍王峡、川俣瀬戸合峡)
36 日光杉並木街道
37 鬼怒川川治温泉
38 喜連川温泉と桜並木 さくら市
39 とちぎの温泉(那須温泉郷塩原日光湯元湯西川奥鬼怒温泉郷川俣馬頭板室 全域
40 霧降高原 日光市
41 那須高原 那須郡那須町
42 八方ヶ原 矢板市那須塩原市塩谷町
43 男体山 日光市
44 茶臼岳那須岳 那須郡那須町
45 太平山 栃木市
46 日光白根山 日光市
47 尚仁沢湧水 塩谷郡塩谷町
48 龍門の滝 那須烏山市
49 那珂川 全域
50 鬼怒川
51 渡良瀬川 日光市、足利市、佐野市、栃木市
52 思川桜 小山市
53 野木のひまわり 下都賀郡野木町
54 鹿沼のさつき 鹿沼市
55 雷様 全域
56 県獣カモシカ、県鳥オオルリ、県木トチノキ、県花やしおつつじ
57 とちぎのいちご グルメ 全域
58 とちぎの
59 とちぎのにら
60 とちぎのお米
61 とちぎのそば
62 とちぎの
63 とちぎの牛乳
64 とちぎの地酒
65 とちぎ和牛
66 とちぎのユニーク食材(チタケサガンボ・モロ
67 ビール麦ハトムギ
68 かんぴょう 下野市、壬生町上三川町、小山市
69 宇都宮餃子 宇都宮市
70 宇都宮のカクテル
71 じゃがいも入り焼きそばポテト入り焼きそば 栃木市、足利市
72 佐野らーめん 佐野市
73 いもフライ
74 日光天然氷のかき氷 日光市
75 日光湯波(ゆば)
76 レモン牛乳 全域
77 温泉トラフグ 那須郡那珂川町
78 しもつかれ 全域
79 井頭公園・一万人プール 観光・レジャー・その他 真岡市
80 とちぎわんぱく公園おもちゃ博物館 下都賀郡壬生町
81 みかも山公園 栃木市、佐野市
82 市貝町芝ざくら公園 芳賀郡市貝町
83 なかがわ水遊園 大田原市
84 ろまんちっく村 宇都宮市
85 高根沢町元気あっぷむら 塩谷郡高根沢町
86 あしかがフラワーパーク 足利市
87 ツインリンクもてぎ 芳賀郡茂木町
88 栗田美術館 足利市
89 宇都宮のジャズ 宇都宮市
90 那須疏水 那須塩原市、大田原市
91 外国大使館別荘群(日光中禅寺湖畔) 日光市
92 真岡鐵道 真岡市、益子町、市貝町、茂木町
93 わたらせ渓谷鐵道 日光市
94 東武鉄道 全域
95 とちぎのプロスポーツSCブレックスアイスバックスブリッツェンブラーゼンルボーセ
96 とちキャラーズ(とちまるくんさのまる他)
97 とちぎのスキー場
98 とちぎのゴルフ場
99 とちぎの道の駅
100 栃木県民

脚注

注釈
  1. ^ 例えば、のことを雷様〔らいさま〕と呼ぶ[2]
  2. ^ 例えば、日光二荒山神社は「日光二荒山神社 様」として紹介され、神橋の欄干を擬人化したキャラクターが掲載されている[11]
出典
  1. ^ a b c d e f g 長田舞子「とちぎの百様 100の地域資源を選定 県民投票で決定 歴史、文化、グルメなどPR」毎日新聞2015年4月15日付朝刊、栃木版23ページ
  2. ^ a b c d e f 坂田達郎"文化財や特産品 「とちぎの百様」 県、ガイド本やHPで発信"朝日新聞2015年5月26日付朝刊、栃木版29ページ
  3. ^ "ゆるキャラ29体一堂 「県民の日」15日イベント"読売新聞2015年6月13日付朝刊、栃木5、37ページ
  4. ^ 坂田達郎 (2017年3月29日). “とちぎの百様、写真で表現”. 朝日新聞. 2022年1月29日閲覧。
  5. ^ a b c 「我が夫…」 栃木県版サラリーマン川柳 地元ネタ満載、入選作品発表”. 下野新聞 (2020年11月7日). 2022年1月29日閲覧。
  6. ^ 「県内グルメ 一口でパクリ 茂木」読売新聞2015年11月22日付朝刊、栃木1、37ページ
  7. ^ 8月7日放送 「とちぎの百様」で涼グルメを満喫!”. とちぎテレビ. 2022年1月29日閲覧。
  8. ^ とちぎの百様・栃木弁”. Blog&Podcasting. 栃木放送 (2019年3月1日). 2022年1月29日閲覧。
  9. ^ a b "「百様」題材作品 県が18人表彰 絵画など3部門"読売新聞2017年1月18日付朝刊、栃木5、29ページ
  10. ^ a b 優秀賞18人を表彰 とちぎの百様ジュニアコンクール”. 下野新聞 (2022年1月18日). 2022年1月29日閲覧。
  11. ^ 日光二荒山神社 様”. 栃木県総合政策部地域振興課地域振興・移住促進担当. 2022年1月29日閲覧。

外部リンク