たこ足配線たこ足配線(たこあしはいせん、蛸足配線)とは、テーブルタップなどを複数使って一つのコンセントに複数の電気機器を接続することである。コンセントをタコの身体に、多数の配線を足に見立てて作られた俗語である。回路構成は並列回路になる。 現状家屋の壁面等に付けられるコンセントは、ブレーカーから天井裏・壁中、床下等のスペースを専用のVVFケーブルを使用して取り回され設置されるが、設置できる場所や数には家屋の構造によって限界があり、そのため家電製品の置場の近くにコンセントが設置されていなかったり、同時に使用する家電製品の数よりもコンセントの数が不足したりするなどの状態が発生することがある。特に築年数が古い建物は、電気製品(当時は電化製品)が少なかった時代の建築であるため、コンセントの数が深刻に足らない場合もあり、テーブルタップ等でコンセントの位置をフレキシブルにしたり、コンセントの口数を増やす必要が生じる。ただし、ここでいう「たこ足配線」について、電気用品安全法のPSE規格に遵守しているテーブルタップを使用する限り、「たこ足配線」自体に問題はないが、キルヒホッフの電流則により電源側の電流が端末側の電流の和になる為、その使用方法によっては問題がある。 電気工事段階のたこ足配線日本のコンセント機器の規格は、家庭用はエアコン等の200V専用配線を除いて、125V・15Aが標準的である。ただし125Vは、あくまで125Vまでコンセント機器が耐えるというだけで、実際の供給電圧は100V前後である。従って、ジュールの法則より電圧100V×電流15A=1500W程度が、コンセントの定格ということになる。よくある誤解に、1つのコンセントで1500Wが定格の限界というものがあるが、コンセントやスイッチには「送り」という端子があり、1つのブレーカー(20Aか30A)から1つのコンセントやスイッチに専用回路が引かれていない限り、複数のコンセントや照明に同一ブレーカーから分岐されることが多い(ブレーカーを1つ遮断してみると、同時に複数の電気器具や照明がつかえなくなる場合、その1つのブレーカーから分岐か送りで電源が供給されている)、なかにはコンセントやスイッチから送り端子を使って配線を出し、別のコンセントや電気器具等に電気が送られていることもある。本来「送り」は、ブレーカーから直接配線が難しい箇所や、換気扇等軽い負荷の電気器具に電気を送るため用いられるものであるが、電気工事業者の資質によっては、ブレーカーからの配線を減らし、配線の手間の削減やコスト削減に用いられる。あまりにも「送り」が多い場合は、いわゆる手抜き工事となる。 1つのコンセントはたしかに1500Wが定格だが、ブレーカーが例えば20Aで、3つのコンセントに分岐や送られている場合は、3つのコンセントの合計で定格が20A、すなわち2000Wまでということになる。(決して、3つのコンセントの定格電力の合計が、1500W×3=4500Wまでだからといって、4500W使用できるわけではない。)つまり広義の「たこ足配線」は、1つのブレーカーから分岐や送りが行われている電気工事時点ですでに行われていることになる。 問題点
脚注
関連項目外部リンク
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