ΩカーブΩカーブ(オメガカーブ)は、道路や線路において急勾配を越えるために急カーブを繰り返した結果として、上空から見た場合にギリシア文字の"Ω"のように見える路線形の通称である。 なお、つづら折り(ヘアピンカーブ)やループ線はΩカーブとは区別される。 例例えば、Ωカーブは以下の場所に存在している。 道路
鉄道
下記の場所にも、現存していないが、過去にはΩカーブが存在していた。
名阪国道名阪国道[R 6]の上記区間がΩカーブとして特に有名である。 この区間は大和高原側から奈良盆地方面へ順に『高峰カーブ』·『中畑カーブ』·『米谷カーブ』·『大道カーブ』の4つのカーブから成り[R 7]、急カーブや急勾配が11km連続して標高差414メートルを繋いでいる[R 8]。 特に大道カーブの最大下り勾配6%および最小曲線半径150mは道路構造令で定められている限界値である[R 9]。 そのため最高速度は、名阪国道で構造規格第一種第三級(設計速度80km/h)で建設された区間では実態に合わせようと70km/hに引き上げられたが、第一種第四級(設計速度60km/h)で建設されたΩカーブの区間では60km/hに制限されている[A 2]。 しかし、名阪国道全体が自動車専用道路の高規格で建設されているせいもあって大半の車輛が80km/h以上で進入して来るのが現状である。 そして、名阪国道の通行料が無料であることから、特にトラックなどの大型車の混入率も40%と高く、昼夜問わず混雑し、渋滞が頻発している。 このために、死亡事故率が全国ワースト1位である名阪国道の中で、本区間はその6割の事故が集中している[R 8]場所であり、特に下り車線での事故が多い[R 10][R 11]。 降雨によるスリップ事故をはじめとして、濃霧による視界不良による衝突事故も発生している。 下り車線においてカーブ外側となる中央分離帯のコンクリートブロックには車輛の接触痕が多数存在しており[R 12]、本線外への転落事故すらも発生している[R 13][R 14][R 15]。 また、冬季の積雪による路面凍結の中でも約4割の車輌がノーマルタイヤでの走行であり[R 16]、これが更なる事故を誘発している。 事故対策として、本区間には多機能型排水性舗装が施され[R 17]、道路照明もナトリウムランプから演色性に優れるセラミックメタルハライドランプへ交換されている[R 16]。 その結果として、スリップ事故の抑制が確認されている[R 18][R 7][R 16]。 また、ドライバーに対する連続式視線誘導施設が、その点灯時には道路線形の認知とカーブ流入時の十分な減速を、消灯時には路面前方の目標物を探しながらの減速を、それぞれ促すべく設置されている[R 19]。 注釈・出典
関連項目外部リンク
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