この項目では、曲について説明しています。馬やソリ等に装着し吹雪で視界不良でも近づいてきていることを知らせる交通安全のためのジングルベルと、そこから発展した楽器については「スレイベル 」をご覧ください。
ピアノ、フルート、クラリネット、フレンチホルン等による演奏
ジングルベルの楽譜
「ジングルベル 」(Jingle Bells )は、クリスマス の時期に世界中で歌われているクリスマスソング 代表作の一つ。
概要
James Pierpont (musician)の碑文
1857年 にジョン・モルガン の叔父で牧師 のジェームズ・ロード・ピアポント (英語版 ) が作詞作曲した歌で、ボストン にある自分の教会の感謝祭 のお祝いで歌うために作った。最初につけられた歌の名前は、One Horse Open Sleigh (1頭立ての橇 )であった(この原曲は、唱歌「旅愁 」の作者ジョン・P・オードウェイ (英語版 ) に献呈されている)。大変好評であったため、クリスマスでも歌われ、その後アメリカ 中に広まっていき、タイトルもジングルベルに変わった。
歌詞の中には宗教的な語句やクリスマスに対する言及がなく、若者たちが冬にソリ (橇)で競争する様子を歌った歌である。4番まであるが、1番とコーラス 部分だけが広く歌われている。
2007年 11月28日 に、「ジングルベル」作曲150年を記念して、松崎しげる ら複数アーティストがカバーした「ジングルベル」を収録したアルバム『Jingle All the Way!』が発売された(詳しくは#「Jingle All the Way!」参加歌手 参照)。
日本語訳詞
日本では1941年 (昭和16年)に藤浦洸 の訳詞で『青空行けば』(歌:志村道夫 )が最初のジングルベルの日本語カバーとされているが、戦時下に発表されたので内容はクリスマスとは程遠いものとなっている。第二次世界大戦 後は、宮澤章二 の訳詞[ 1] ・庄野正典の訳詞・高田三九三 の訳詞[ 1] ・堀内敬三 の訳詞[ 1] ・音羽たかし の訳詞[ 1] ・小林純一 の訳詞・久野静夫の訳詞[ 1] ・藤村閑夫の訳詞・新沢としひこ の訳詞[ 1] ・安西愛子 の訳詞[ 1] など複数の歌詞が発表されている。
1953年 には江利チエミ ・美空ひばり ・雪村いづみ のいわゆる「三人娘 」がそれぞれ「ジングルベル」をレコード化し、同年だけで各シングルの売上はいずれも3〜4万枚に達した[ 2] 。
主なカバー
日本以外の歌手・演奏家
日本の歌手・演奏家
「Jingle All the Way!」参加歌手
「Jingle All the Way!」は、様々な歌手が歌った「ジングルベル」を収録したコンピレーションアルバム。2007年11月28日発売。以下、参加歌手。「」内は、曲名。
アニメ・ゲーム・子供向け番組関連のもの
歌詞
1番
Dashing through the snow, in a one-horse open sleigh,
O'er the fields we go, laughing all the way.
Bells on bob-tails ring, making spirits bright,
What fun it is to ride and sing a sleighing song tonight.
コーラス
Jingle bells, jingle bells, jingle all the way!
Oh what fun it is to ride in a one-horse open sleigh.
Jingle bells, jingle bells, jingle all the way!
Oh what fun it is to ride in a one-horse open sleigh.
2番
A day or two ago I thought I'd take a ride
And soon Miss Fanny Bright was seated by my side
The horse was lean and lank misfortune seemed his lot
We ran into a drifted bank and there we got upsot
3番
A day or two ago the story I must read
I went out on the snow and on my back I stand
A gent was riding by in a one-horse open sleigh
He laughed at me as sprawling lay but quickly drove away
4番
Now the ground is white go it while you're young
Take the girls along and sing this sleighing song
Just bet a bobtailed bay two-forty as his speed
Hitch him to an open sleigh and snap! You'll take the lead
解説
1番は雪の中を橇で走り行く楽しさを歌っている。2番では女の子を誘って、2人で乗っていたが、雪の塊に突っ込み、橇をひっくり返してしまう。3番では、数日前に橇をひっくり返してしまい、近くを橇で通りかかった人に笑われてしまったことを本人が語っている。4番では、再び女の子を誘い、友達とスピードを競い合い、賭けに興じている。
替え歌
雛祭り の歌「うれしいひなまつり 」と同じように、無数の替え歌 が作られており、次のように始めの歌詞を作り変えているものが有名である。この後にも銃をモチーフにした替え歌が続く。
Jingle bells, shotgun shells
訳
ジングルベル、ショットガン・シェルズ(弾)
他にはアメリカのスーパーヒーローを歌詞に歌いこんだものが、アメリカの小学生の間で受け継がれている。このバージョンは1960年代半ばから知られるようになった[ 4] 。歌詞中のロビンは、鳥の名前とキャラクターの名前を引っ掛けてある。このバージョンはテレビ番組で歌われることがあり、アメリカで1992年(日本放送は1993年)に放送された『バットマン 』の「メリークリスマス ジョーカー!」ではジョーカー が歌い[ 注 11] 、『ザ・シンプソンズ 』の「シンプソン家のクリスマス 」という回ではバート・シンプソンが歌った[ 5] [ 注 12] 。映画『プリズナーズ 』の劇中でも歌われる。
また、このバージョンからさらに派生したバージョンも存在する[ 6] 。
Jingle bells, Batman smells,
Robin laid an egg,
the Batmobile lost a wheel
and the Joker got away.
訳
ジングルベル、バットマン くさい
ロビンはもっとくさい(直訳:卵を産んだ)
バットモービルの車輪が外れて
ジョーカー逃げた
替え歌とは少し違うものの、デンマーク の音楽家カール・ワイズマン(Carl Weismann)[ 注 13] とドン・チャールズ(Don Charles)[ 注 14] が、1955年 に犬の鳴き声のテープを使って(「シンギング・ドッグス (英語版 ) 」名義)ジングルベルの歌を作り上げたものも有名になっている。アメリカでは1972年 にビルボード 誌のクリスマス・チャートで1位を獲得した。日本では1972年 にRCAレコード から「わんちゃんのジングル・ベル」(カール・ワイズマン(指揮)、わんわん合唱団、SS-2222(M))として発売され、その年だけで5万枚を売り上げた[ 7] 。
サンプル
ピアノ、フルート、クラリネット、フレンチ・ホルンなどによる、楽しげな演奏。2分21秒。ケルビン・マクレオドによる作品。
バイオリンとチェレスタ によるゆったりした演奏。2分21秒。ケルビン・マクレオドによる作品。
うまく聞けない場合は、サウンド再生のヒント をご覧ください。
脚注
注釈
^ a b いる場合や判明している場合のみ記述。
^ a b c ドリーミングは、『それいけ!アンパンマン』内で「ジングルベル」を歌唱。その後、別バージョンではあるが、ドリーミング歌唱の「ジングルベル」が「Jingle All the Way!」にも収録されている。
^ 声優などのキャラクターの担当者の名前。
^ a b 松島みのりは、『怪物くん』と『キン肉マン』の2作品のキャラクターソングで、「ジングルベル」を歌唱している。なお、担当するパートなども別のものとなっている。
^ a b 堀絢子は、『ムーミン』と『忍者ハットリくん』の2作品のキャラクターソングで、「ジングルベル」を歌唱している。なお、担当するパートなども別のものとなっている。
^ 神崎詞音 の作詞家デビュー作[ 3]
^ a b c MAHO堂 名義での発売。
^ a b c d e f g h 7人の麦わら海賊団 名義での発売。
^ a b 大谷育江は、『ONE PIECE』と『金色のガッシュベル!!』の2作品のキャラクターソングで、「ジングルベル」を歌唱している。なお、担当するパートなども別のものとなっている。また、この2作品のキャラクターソングの発売日は偶然にも同年の11月25日と11月26日で、それぞれ他の歌手(声優)とのユニットとしての参加ではあるものの、大谷の「ジングルベル」が2日連続で発売された。
^ a b 桃園ラブ(沖佳苗 )withヤング・フレッシュ名義での発売。
^ 英語版の音源は2016年発売のCD『The Music of DC Comics Vol.2』に「Christmas With the Joker / Jingle Bells Batman Smells」として収録。歌手名は「Shirley Walker feat. Mark Hamill 」。
^ ただし、日本語版「シンプソン家のクリスマス 」のバージョンは歌詞が若干異なる
^ 『読売新聞』1973年3月7日付夕刊、9面の記事ではオランダ 人となっている。
^ イギリスの音楽プロデューサードン・チャールズ (英語版 ) とは別人。
出典
^ a b c d e f g 「ジングルベルの歌詞が知りたい。歌詞の違いがあるのはなぜか?」 (奈義町立図書館) - レファレンス協同データベース 2017年11月22日 11時47分更新。
^ 「前年の旧盤が売れる クリスマス・レコード」『読売新聞 』1954年11月5日付夕刊、2面。
^ 代官山に行ってきました 、パワーストーン・ワークス、2015年11月9日。
^ Studwell, William Emmett (1994). The Popular Song Reader: A Sampler of Well-Known Twentieth Century-Songs . Psychology Press. pp. 224
^ Groening, Matt (2001). The Simpsons season 1 DVD commentary for the episode "Simpsons Roasting on an Open Fire" (DVD). 20th Century Fox.
^ Bronner, Simon J. (1988). American Children's Folklore . August House. pp. 105
^ 「本もの使った異色レコード カエルが歌う」『読売新聞』1973年3月7日付夕刊、9面。
外部リンク