UDP-Lite
UDP-Lite(ユーディーピー・ライト、Lightweight User Datagram Protocol)は、主にインターネットで使用されるプロトコルの1つで音声や動画の伝送を目的にしている。 概要従来のUDPパケットでは1ビットでもデータが損傷すれば破棄されるのに対して、UDP-Liteはそのまま伝送される。 従来のUDPと同様、主にIP上に実装されておりOSI参照モデルのトランスポート層にあたる。UDPと同様に送達確認などを行わない無手順方式であり転送時のパケット紛失やデータ誤り等の対応手段が必要ならセッション層以上のプロトコルで対応する必要があるが、転送効率が高められるため、主に途中でデータが抜け落ちても問題が比較的少なく、むしろ再送処理による遅延が問題となる音声や動画のストリーム配信での使用を想定して2004年7月にRFC 3828で定義された。 UDPとの違い
規格と仕組み規格プロトコル番号:136UDP-Liteには新たに136というプロトコル番号が割り当てられている。IPヘッダー中の該当位置にこの番号を示すことでIPパケットの中身がUDP-Liteとして認識される。 チェックサム・カバー範囲UDP-Liteヘッダー部の5-6バイト目が「チェックサム・カバー範囲」と呼ばれ、「0」又は「8以上」の数字が入る。「0」の場合はUDP-Liteパケット全体が、「8以上」の場合はUDP-Liteヘッダー部を含む保護したいデータ部のサイズをバイト数で指定する。指定された範囲だけがチェックサム計算の対象となる。チェックサム計算の結果がヘッダー部の7-8バイト目に格納されるのはUDPと同じである。 例えば、チェックサム・カバー範囲の値が「8」である場合は、「8×8bit=64bit」となり、UDP-Liteヘッダー部の長さと同じになるため、ヘッダー分に続くデータ部分はチェックサムの計算対象からはずされる。データ部分がチェックサムの計算対象からはずされるということは、データ部分に損傷が生じても検知されずにそのまま運ばれることを意味する。 チェックサム・カバー範囲の値をUDP-Liteヘッダー部とUDP-Liteデータ部のサイズの合計値にすれば、従来のUDPの「長さ」フィールドと同じ値となり、互換性が保てるとしている。 その他の仕様概要
UDP-Liteパケットのフォーマットヘッダーの一部をUDPから変更することで、パケットの完全性の保証範囲をより柔軟に変更出来るようになった。 参考図書
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