Strv 74
Stridsvagn 74、略称Strv 74はスウェーデンの戦車であり、1958年から1984年までスウェーデン陸軍で使用された。この車輌はより旧式かつ1950年代に軍務から外されていったStridsvagn m/42を改修したものである。Strv m/42は完全にスクラップ処分されるかわりに、車体が新型戦車を製造するために使われ、この車輌は新規に購入されたStridsvagn 101を補助するものとなった。 Strv 74の砲塔は完全に新造されたもので、旧式の対空砲をベースとした75mm高初速砲を装備し、エンジンと操向変速機はStrv m/42のものを改修するか換装されている。より幅広の履帯、そして砲塔旋回用に独立した電動機が導入された。その一方で手動式の砲塔旋回系統は予備として残された。 歴史Stridsvagn 74の開発の経緯はStridsvagn m/40およびStridsvagn m/42を通じ、原型は車重16,257kgの16トン ラーゴ戦車に行き着く。これはスウェーデンの企業であるランツヴェルク社でハンガリー陸軍向けに製造されていたものだった[1]。そのため、Strv 74は基礎的に第二次世界大戦時のStrv m/42を近代化改修したものである。それはこのスウェーデン製の戦車を、戦禍の残るヨーロッパの標準的装備へと到達させる試みだった。本車はそうした目的にはもっともよく合致していた。 生産は1958年に行われた。Stridsvagn 74の車重は22,500kg、スカニア・ヴァビス社製の239KW/320.5hpディーゼルエンジンで駆動し、最高速度は45km/hだった。また航続距離は200kmである。搭乗員は4名で、75mm主砲を装備したほか、改修された砲塔には3挺の機関銃が付けられた。後にはより適した射撃管制システムと、初速を増加させてアップグレードした主兵装といった、さらなる改修が施された[1]。 運用Stridsvagn 74はスウェーデン陸軍の機甲連隊において最初の数年間、主力戦車として使われ、それからStrv 102やStrv.103に代替された。この後、独立軍団の戦車中隊で使用され、さらに後には歩兵支援任務用の突撃砲中隊に格下げとなった。 1981年および1984年の退役の前の本車は「Strv 74 V」また「Strv 74 H」と呼ばれた。 砲塔が保管された後、固定式の砲装備トーチカとして使用され、最終的に退役し廃却されたのは2000年代初頭である。 派生型Strv 74は、ほぼ同一である2種のバージョン、Strv 74 HおよびStrv 74 Vとして利用された。その唯一の相違点は操向変速機である。H型はStrv m/42 THをベースとしており、またV型はStrv m/42 TVを基礎としていた。 本車はシルエットが高く装甲が薄いことから、3時から9時の方角へ発砲した際には反動で車体が大きく揺り動かされ、このことから搭乗員にしばしば「Sanslös」と呼ばれた。これは英語の senseless に相当し、無益や人事不省、ばかげているとの意である。 画像
登場作品
脚注参考文献
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