Socket 7
Socket 7 はx86系CPU用ソケットの物理および電気的仕様の一つである。インテルのPentiumプロセッサやサイリックス、AMD等の互換品が用いる。許容システムクロックは50 - 83 MHz、CPU動作電圧は2.5V - 3.5V。 このソケットの仕様に適合するCPUであれば、どんなものでもSocket 7適合のマザーボードに挿入することができる。Socket 7はそれ以前に用いられていたSocket 5の上位互換でもあり、Socket 5用のCPUをSocket 7に挿入することもでき、Socket 5で動作するCPUはBIOSさえ対応していればSocket 7でも動作する。 Socket 7にはSocket 5にないピンが二つあり、複数の電圧でCPUを動作させることができる(ただし、初期のSocket 7仕様のマザーボードは単一の電圧しかサポートしないものもあった)。Socket 5は、単一の動作電圧しかサポートせず、後に生まれたCPUに見られる、動作電圧を下げ、発熱と電力消費を抑えようという要請に合致しなかった。 Socket 7がサポートするCPUは例えば 2.5V - 3.5Vで動作する Pentium 75 - 233 MHzやAMD K5やAMD K6やAMD K6-2 200 - 333MHz[注 2]やサイリックスの 6x86 (and MX) P120 - P233などである。 Socket 7はSPGAソケットであり、ごく稀には296ピンLIFを用い、37 x 37に配列することもあるが、通常は321ピンのZIFソケットを19 x 19の配列で用いる。 FSB 100MHz対応のAMD K6-2とK6-IIIプロセッサ用に Super Socket 7(Super 7とも)が設計された。これらのプロセッサはSocket 7より高いFSBで動作し、AGPを用いるので、このソケットが必要となった。Super Socket 7とSocket 7とは大体において互換であるが、マザーボードとCPUの両方がSuper Socket 7仕様である場合に限り、これらの新しい機能を活かせる。システムクロックは95-100MHz。 Socket 7はSocket 5からの互換性により、ゲタが発売された事や、バッファローやアイ・オー・データ機器などの周辺機器メーカーからゲタとCPUとCPUクーラーがセットになった「CPUアクセラレーター」[3][4]や、インテルから「オーバードライブプロセッサ」[5]が発売された事などにより、息の長い規格となった。しかし、Slot 1向けのCPUと比べると整数演算では勝ってはいたものの、浮動小数点演算は劣っているCPUが多かった。このためビジネス用途には強いものの、浮動小数点演算性能が要求されるゲームや動画再生などはやや苦手であった。 かつて発売されていたゲームの要件で、「Pentium II 300MHz以上」とうたわれていると同時に、「Socket 7系マシンでは、クロック数に関わらず動作保証対象外」と表記されているものがあるのはこのためである。 脚注注釈出典
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