QT短縮症候群
QT短縮症候群 は心臓の電気信号伝達系の 遺伝的疾患[1]。心電図 においてQT時間が≦300 ms以下であり、心拍数や、T波には特徴は無く、心臓の構造は正常で器質的疾患を持たない。心室細動からの突然死リスクが上昇する。 分類何らかの原因により発症する後天性(二次性)QT短縮症候群[2]と、明らかな原因のない先天性QT短縮症候群に分類される。先天性QT短縮症候群は常染色体優性遺伝で遺伝し、家族に同じ患者が確認されることがある。
徴候心電図のQT時間が短縮する[2]。心拍数で補正したQTc時間が300-320msの場合QT短縮症候群である可能性が高い[3]。 症状不整脈による動悸と予期せぬ失神(意識消失)がみられることがある。 診断近年、診断基準が オタワ大学心臓研究所の不整脈研究室のMichael H Gollob医師と Jason D Roberts医師により発表された。
患者は、高確率(4点以上)、中間確率(3点)、低確率(2点以下)と看做される。 原因現時点ではQT短縮症候群の原因は不明である。現在の仮説は、QT短縮症候群においては、心筋活動電位の第2相と第3相において細胞外へ向かうカリウム・イオン流が増えるためだとするものである。これが活動電位(フェーズ2)でのプラトー相を短縮し、結果として活動電位全体が短縮し、QT間隔が短縮する。 QT短縮症候群の家族では、KvLQT1、human ether-a-go-go 遺伝子 (HERG)、KCNJ2に変異がみられている。 治療現在、QT短縮症候群の一部の患者では予防的に埋め込み型心臓除細動器 (ICD)が用いられている。心臓の問題が引き起こされる前に植え込みすることに利益があるかは明らかではない。 最近の研究では、一部の抗不整脈薬(特にキニジン)の有用性が示唆されている。IK チャンネルを活性化させ、活動電位を延長させるからである。一部で研究されているが、QT時間を安定して延長させてはいない。 脚注
関連項目外部リンク
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