OpenFrameworks
openFrameworks(オープンフレームワークス 略称oF)は、主にクリエイティブをターゲットにしたオープンソースのC++ソフトウェアフレームワーク。 MIT ライセンスで配布され、Windows、macOS、Linux、iOS、Android のプラットフォーム[1]で作動する。開発者はザック・リーバーマン(Zach Lieberman)、セオドア・ワトソン(Theodore Watson)、アルトロ・カストロ(Arturo Castro)の三人を中心とする OF コミュニティーのメンバーである[2]。"「創造的なコーディング」のためのC++のオープンソースツールキット"と称されている[3]。 概要openFrameworksの開発プロジェクトは、2004年から2005年に掛けて順次開始された。現在では、音、光、映像、センサー、アクチュエータなど、多様な技術を統合して表現するための基盤として活用されている。openFrameworks自体は、各分野において著名なライブラリ(OpenGL,OpenCV,Socket等)を繋ぐグルーコードの機能のみを提供する。 「コードにまつわる様々な事柄をずっと容易にしてくれるツール」[2]と言われている。よく利用されている様々なライブラリをまとめ、またそのライブラリの使用を簡易化するため独自に開発した内容を備えた、「糊」のような存在のツールキットである。そのため、以下の様々な機能を備えている。
公式ウェブサイトにチュートリアルがある(すべての機能を一通り記述した完全な物とは言えないが)。GitHub での ofSite ディレクトリをフォークすることによってユーザーがチュートリアルを投稿できる。また、公式ウェブサイトにはドキュメンテーションがある(メジャーなアドオンを含む)。公式ウィキもホストされている。 特徴Processingに類似したAPIを持ち、Processing同様に容易にグラフィックが扱えるように配慮されている。また、要求に応じて、独自シェーダの実装も出来るようになっている。しかし、Processingのような独自IDEは提供されず、Visual Studio、Xcode、eclipse等を用いるため開発環境の整備が煩雑であるため、ソフトウェア開発環境に関する本格的な知識が要求される。また、使用言語自体も、コンピュータ寄りの複雑な記述になりやすいC++であるため、コーディング自体に慣れておく必要もある。従って、CG表現を主対象としたメディアアートの制作環境としては初心者から独自シェーダを記述する上級者までカバーするが、プログラミング初心者向けとは言い難い。Processingのような豊富な作例が記載されたAPIリファレンスや実践的なサンプル作品も提供されていないため、Processing上の開発に慣れてからopenFrameworksに移行した方が理解しやすい。 openFrameworks はCGや画像処理の開発を効率化するために、APIが簡略化されている。openFrameworks は、様々なライブラリを取り入れるユーザビリティ、そしてそれらのライブラリを簡単に使えるための内容を含むシンプリシティを兼ねていることである[2]。そして、ユーザーが自分で openFrameworks を拡張するためにアドオンを取り入れる、或いは作ることができることでもある。 競合するフレームワーク競合するフレームワークの事例としては Cinder が挙げられる。広告代理店のThe Barbarian GroupがopenFrameworksの登場に触発されてCinderの開発を開始した。カンヌライオンズの新設部門であるInnovation Lionsの受賞が切っ掛けでCinderはアート業界で大きく注目され始めた。その際に、開発元のThe Barbarian Groupが先発のフレームワークを蔑ろにするようなプレゼンテーションを行ったため物議を醸したことも有名である。CinderはopenFrameworks程の広範な機能は含まないが、CG表現においてはopenFrameworksと機能が同等であるとされる。宣伝の結果か、openFrameworksよりも業務におけるシェアが格段に大きくなった。CinderはWindowsとmacOSに対して提供されており、Linuxに対して提供されないという違いがある。 構造openFrameworks のライブラリには、以下のフォルダが含まれている:
用例世界中では色々なクリエイターたちが openFrameworks を使ってプロジェクトを作っている。それらのプロジェクトを掲載するサイトとして有名な例は CAN が挙げられる。 脚注関連リンク |