MOLCAS
MOLCASは、ab initio計算化学プログラムである。数多くの研究機関の国際的共同事業によって開発された。MOLCASは科学者によって開発された科学者のためのプログラムである。基本的に市販用の製品ではなく、所有者(ルンド大学)が金銭を得るために販売されない。 本プログラムの焦点は、基底状態と励起状態の両方における一般的電子構造を計算するための手法に置かれている。MOLCASは一般的および有効な完全活性空間多配置SCF(CASSCF)計算レベルのためのコードを含むが、より制限されたMCSCF波動関数(RASSCF)も利用する。また、この理論のレベルにおいて、勾配技法を使った平衡および遷移状態の幾何構造最適化や力場および振動エネルギーの計算も可能である。MOLCASは2次摂動コードCASPT2およびRASPT2も含む。 歴史MOLCASコードは1980年代末にルンド大学のビョルン・O・ロースのグループによって作られた。プログラム名はMolecule(ヤン・アルムレーブによる積分コード)とCAS(ビョルン・O・ロースによって開発された完全活性空間プログラム)の組み合わせである。 MOLCAS 2は1992年に発表された。配布形態はIBM VM/XA向けのテープだった。MOLCAS 2は新しい配置間相互作用コード(Jeppe Olsenによって書かれた)、新たな積分コード(Roland Lindhによって書かれた)、および結合クラスター法コード(コメンスキー大学で書かれた)を含む。MOLCAS 4(1999年)は、いかなるUnixあるいはLinuxオペレーティングシステム上でも動作する最初のリリースだった。2001年、MOLCAS 5がリリースされた。これはコード開発のための分散モデルを備えていた[1]。 2017年9月、MOLCASコードの大半がOpenMolcas[2]という名称の下でオープンソース(LGPL 2.1ライセンス)としてブランチが切られた。 主要機能MOLCASの主要な機能はMolcasマニュアルやチュートリアル集、文献[3]で見ることができる。
出典
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