KSD事件

最高裁判所判例
事件名  受託収賄被告事件
事件番号 平成18(あ)348
2008年(平成20年)3月27日
判例集 刑集第62巻3号250頁
裁判要旨
参議院議員が,ある施策の実現を目指す者から,参議院本会議において内閣総理大臣の演説に対して所属会派を代表して質疑するに当たり,その施策の実現のため有利な取り計らいを求める質問をされたい旨の請託を受け,さらに,他の参議院議員を含む国会議員に対し国会審議の場において同旨の質疑等を行うよう勧誘説得されたい旨の請託を受け,これらの報酬として金員を受領したことは,その職務に関し賄賂を収受したものであって,受託収賄罪に当たる。
第三小法廷
裁判長 藤田宙靖
陪席裁判官 堀籠幸男 那須弘平 田原睦夫 近藤崇晴
意見
多数意見 全員一致
意見 なし
反対意見 なし
参照法条
刑法197条1項
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KSD事件(ケーエスデーじけん)は、財団法人「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」(現:あんしん財団)の創立者古関忠男が、「ものつくり大学」設置を目指し、数々の政界工作を自由民主党議員に対して展開したとされる汚職事件。

事件概要

KSD事件で浮上した政治家

自由民主党

裁判・関係者のその後

  • 2002年3月、東京地裁は、古関元理事長に、懲役3年・執行猶予5年の判決(確定)。その後、2005年2月、同人は東京都葛飾区内のマンションの自室浴槽内で死亡しているのが発見された。享年83。晩年は、財産を失い孤独な生活だったという。
  • 2003年5月、東京地裁は村上元労相に懲役2年2か月・追徴金約7280万円の実刑判決。同政策秘書に懲役1年6月、執行猶予3年。村上と同政策秘書は直ちに控訴するも、2005年12月、東京高裁は控訴を棄却上告
  • 2004年2月、東京地裁は小山元参院議員に執行猶予の付いた懲役1年10か月判決(確定)。
  • 2008年3月、最高裁は村上正邦元労相に対し上告を棄却。村上に懲役2年2か月追徴金約7280万円の実刑、同政策秘書に懲役1年6月・執行猶予3年が確定。

捜査に対する批判

  • フォーラム神保町シンポジウム「青年将校化する東京地検特捜部〜小沢第一秘書逮捕にみる検察の暴走〜」で、『月刊日本』主幹の南丘喜八郎は、村上の代表質問の原稿は自分が書いたとした上で、村上から「古関が村上に依頼したとされる内容」を代表質問に入れろとの指示は受けていないとして、金銭授受と代表質問の関係を否定している。
  • 村上の立件については、利益供与とされる総額5,000万円の供与が代表質問の半年以上後であることもあって、一部には国策捜査との批判もある。
  • 村上は、『世界』誌上で魚住昭インタビューを複数回受け、連載。この連載は2007年10月、村上正邦/述・魚住昭/著『我、国に裏切られようとも 証言村上正邦』(講談社ISBN 978-4-06-214333-2)として書籍化され、刊行されている。

参考文献

関連項目

外部リンク