JobSchedulerは、エンタープライズレベルのスケジューリングとプロセス自動化のためのオープンソースのアプリケーションソフトウェアである。実行ファイルやスクリプトを起動し、ユーザープログラムを自動的に実行するために使用される。JobSchedulerは、ステータスと履歴情報をバックエンドデータベース管理システムに保存する。
JobSchedulerのクラスタリングを除くすべての機能は、GPL V.3ライセンスの下で使用可能となっている。クラスタリングとエンタープライズレベルのサポートとサービスを求めるユーザーは、商用ライセンスを利用可能である。
主な機能
- JobSchedulerは、実行ファイル、シェルスクリプト、およびデータベースプロシージャを実行できる。[5]
- ジョブの開始は、カレンダーイベント、受信ファイルの監視、他のジョブスケジューリングイベント、外部アプリケーションによって開始されたAPIイベントなどのイベントによってトリガーできる。[6]
歴史と発展
JobSchedulerは、Joacim Zschimmerから提供されたコードを使用してSOS GmbHによって開発された。[6] 独立した製品としてのJobSchedulerの開発は2005年に開始され、同年にオープンソースGPL 2ライセンスの下でリリースされた。 JobSchedulerの64ビットバージョンは2013年にリリースされ[7]、ユニバーサルエージェントは2015年9月にリリースされた[8]
SOS GmbHとJobSchedulerは、2012年にガートナーのITリサーチおよびアドバイザリー会社により、世界的な作業自動化市場に関するMagic Quadrantレポートにおいて選ばれている。JobSchedulerは、「...オープンソースツールの採用ポリシーを持つ組織にとって魅力的」と説明されていた。[9]
2021年10月従来のコードベースを完全に書き換えたV.2系が発表され、JS7® JobSchedulerとリブランディングされた。
説明
アーキテクチャ
- JS7® JobSchedulerは、JOCコックピット、コントローラー、エージェントから構成される。
- JOCコックピット
- WEB GUI/REST API
- ジョブ実行制御配布
- 履歴情報収集・保存
- ジョブ定義・リソースの作成
- ジョブ定義の管理とコントローラーへの配布
- クラスター制御、イベントキュー、ロギングなど
- コントローラー
- DB接続を廃止
- ジョブ定義をJOCコックピットから取得
- 実行履歴をJOCコックピットに送信
- 実行計画とジョブ定義をエージェントに配布
- 自律型エージェント
- コントローラーとの通信障害時にも自律的にジョブ実行制御
- エージェントクラスター内で実行計画とジョブ定義を同期
- 実行履歴をコントローラーに送信
- 公開鍵認証の導入
- 各モジュール間通信の公開鍵認証
- JOCコックピットまたは外部認証局で証明書を作成・署名
- ルート証明書と中間証明書を各コントローラーとエージェントに配布
- ジョブ定義ファイルの公開鍵認証
- JOCコックピットまたは外部認証局でジョブ定義ファイル毎に署名
- 各コントローラー及びエージェントで配布された署名が一致するかを確認
動作モード
- JS7® JobSchedulerコントローラー・エージェントは、バックグラウンドでUnixデーモンまたはWindowsサービスとして無人で実行される。
- JS7® JobSchedulerは、一連の操作を実行するバッチ処理に使用できる。
- 個々の操作に対してほぼリアルタイムの処理を開始できる。着信ファイルの到着などの外部イベントに応答して、ほぼリアルタイムのトリガーをオンザフライで生成できる。
- 監視と手動介入は、JOCコックピットのWebベースのGUI、REST API、Powershellコマンドレットを利用して実行できる。
主な機能
- ワークフロー:複数のジョブノードが渡されるアセンブリラインとして見ることができる。ワークフロー内の各ジョブは、処理のステップを構成する。
- ワークフローはDAG(有向非巡回グラフ、Directed Acyclic Graph)モデルを採用し、BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法、Business Process Model and Notation)ベースのワークフローパターンを採用している(ただし準拠ではない)
- ワークフロー・ジョブ定義のフォーマットはJSONベースのHOCON(Human-Optimized Config Object Notation)形式であり、JOCコックピットのGUIエディタまたはテキストエディタで作成・編集できる。
- クロスプラットフォームスケジューリング:
- 異なるオペレーティングシステムのリモートホストでジョブを直接実行するユニバーサルエージェント。
- 異なるオペレーティングシステムでジョブを実行するためのエージェントレススケジューリング。
- 高可用性のためのアクティブ/パッシブクラスタ。
- SQLデータベースでのジョブ履歴、およびログ情報の記録。
- ジョブのトリガーは、ディレクトリ監視およびファイル監視などによって開始する。
- ビルトインのファイル転送機能。
- スクリプト機能(シェル、JavaScript、PowerShellなど) )。
- Nagios、Zabbix、SCOMなどのシステムモニターと統合するための監視インターフェイス。
- ファイル転送やログローテーションなどの操作をカバーする標準ジョブテンプレートのライブラリ。
- SAP S/4 HANA®に提供される SAP Job Scheduling Service REST API を使用したJS7ワークフローテンプレート。
実装
- JS7®JobSchedulerはScalaとJavaで開発されている。JS7®JobSchedulerで配布される標準ジョブはJavaで実装されている。
- JS7®JobSchedulerによって処理される個々のオブジェクトに関する情報(ジョブ、ワークフロー、スケジュールなど)は、HOCON(JSON)形式で永続的に保存される。
- JOCコックピットは、データベース管理システム(DBMS)を使用して、ジョブのステータス、および履歴情報を保存する。
JobScheduler ユニバーサルエージェント
- エージェントは、Java仮想マシンをサポートするオペレーティングシステムで実行される。
- エージェントは、コントローラーから構成およびタスク実行要求を取得し、DBMSは必要ない。
- コントローラー/エージェント通信は、単一のHTTPまたはHTTPS接続を使用する。
- 複数のエージェントは、冗長性とフェールオーバーを満たすようエージェントクラスターで設定できる。
サポートされているプラットフォーム
https://kb.sos-berlin.com/display/JS7/JS7+-+Platforms
JOCコックピット/コントローラー
オペレーティングシステム: [10]
- Windows (32および64ビット)
- Linux (32および64ビット)
- Oracle/openJDK 8 - 11, 17
データベース管理システムl(JOCコックピットのみ必要):
JobScheduler ユニバーサルエージェント
ユニバーサルエージェントは、Oracle/openJDK 8 - 11, 17をサポートする任意のオペレーティングシステムで実行できる。DBMSは必要ない。
ライセンス
JS7® JobSchedulerは、オープンソースのGPL 3.0ライセンスの下で使用できる。ユーザーは商用ライセンスも購入可能。
オープンソース版と商用ライセンス版の違いは、クラスタリング機能及び商用サポートの提供の有無である。
サポートとサービス
商用ライセンスをお持ちのユーザーは、エンタープライズレベルのサポートとサービスを利用できる。 オープンソースライセンスでJobSchedulerを操作しているユーザーは、JobScheduler Knowledge BaseおよびSourceForgeのフォーラムからサポートを受けることができる。
関連項目
- ジョブスケジューラソフトウェアのリスト
- Mohr、James: "Job Schedulingàla Carte"、Linux Magazine、2008年12月、#97;オンライン版はこちら。
- Simon Brock、Simon:「 完璧なオープンソースタスクスケジューラ 」2010年2月、デニスパブリッシングリミテッド、イギリス。2016年5月にアクセス。
参照資料
外部リンク