『gdgd妖精s』(ぐだぐだフェアリーズ)は、菅原そうた原案・2代目gdgd妖精s製作のフルCG形式による日本のテレビアニメ。
2011年10月から12月まで第1期が放送され、2013年1月から3月まで『gdgd妖精s』(ぐだぐだフェアリーーズ[注 1])の名で第2期が放送された。
2014年9月には劇場版が公開された。
概要
妖精の森に住む3匹の妖精、ピクピク・シルシル・コロコロが巻き起こす、gdgd(ぐだぐだ)でシュールな騒動の数々を描く15分枠の短編アニメーション。全編がMikuMikuDance・Shade・六角大王などの3DCGソフトウェアで作成されている[2][3]。映像作成、音声収録方式はアフレコの声あて用映像を除きプレスコを採用している[4][5]。公式サイト曰く、業界もびっくりの低予算、制作がほぼ放送1週間以内に近いリアルタイムで作られているという。また、随所で有名アニメやテレビCMのパロディネタが使われている。
本編は、妖精たちが各話のテーマに沿ってテーブルトークを行う「gdgdティータイム」、魔力が増幅される空間で妖精たちが魔法で何かを呼び出して遊ぶ「メンタルとタイムのルーム」、湖面に映し出される異世界の一場面を見ながら適当にセリフを当てる「アフレ湖(アフレコ)」の三部構成となっているが[注 3]、第5話ではメンタルとタイムのルームが休止でアフレ湖が2本立て、第6話ではティータイムが無くアフレ湖が3本立てと回が進むにつれ編成が変則的になっている。各話放送前後や情報告知時には、いわゆる楽屋裏ネタ的な「森のバックステージ」が公式サイト上で掲載される。
第2期からは一部スタッフを交代。新たなコーナーとして、音の出る木の穴から出た音から皆で何かを想像する「素ピーカー」[注 4]が加えられた。
第16回文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門 審査委員会推薦作品[6]。
登場キャラクター
レギュラー
- ピクピク
- 声 - 三森すずこ
- ツインテールの髪型が特徴。素直だが、かなりの天然ボケ。シルシルからは「腹黒」扱いされている。愛用の杖はハート型。
- シルシル
- 声 - 水原薫
- 尖った耳とドクロの髪飾りが特徴の毒舌家。「ぐだぽよ〜」が口癖とされているが、本編中では余り使う機会が無い。愛用の杖は星型。
- コロコロ
- 声 - 明坂聡美
- キノコの帽子が特徴。いつも妄想を膨らませている不思議ちゃん。他の2人と違って羽根が生えていないので空を飛ぶことが出来ない。愛用の杖はエノキタケ状。
- ネコノコ[7]
- お茶会のエピソードタイトルやメンタルとタイムのルームが休止の時に登場するネコとツチノコの合成獣[7]。
gdgdティータイム
以下の3キャラは第2期第3話以降のオープニングと第5話・第8話・第10話のgdgdティータイム、第6話のアイキャッチ直前、第10話のメンタルとタイムのルームに登場。第8話の会話内容からすると最近森に引っ越してきたようだ。
- サラサラ
- 声 - 三森すずこ
- ツインテールの髪型とつり目が特徴。背中にコウモリの羽のようなものをつけている。ピクピクを気に入っている。
- ファファ
- 声 - 水原薫
- 白いリボンとカチューシャをつけたボリュームのある髪型が特徴。お嬢様口調で話す。シルシルを気に入っている。
- クルクル
- 声 - 明坂聡美
- タケノコの角が特徴。鼻に絆創膏をつけている。コロコロを気に入っている。
- ジャスミン
- 声 - 明坂聡美
- 第2期第9話・第11話に登場。コロコロの夢の中で登場した、シルシルが買収した野球チームの助っ人外国人選手。ただし、野球経験がゼロで48歳の女。
- シングルマザーで、アプリコット(声 - 明坂聡美)とアールグレイという子供がいる。
メンタルとタイムのルーム
- 邪魔ばかりするカバ
- 第1期第1話に登場。しりとり(お題は「飼いたくない動物」)でシルシルが召喚した。シルシル曰く「出かけようとすると玄関で寝始めたり、自分が好きになった人を誘惑したりする」。何故かピクピクに懐いている。
- 魔法で出した実際には存在しないおじさん
- 第1期第3話に登場。ボウリングのピンさながらの扱いだが、踊れるらしい[8]。
アフレ湖
- 超兄貴(ちょうあにき)
- 第1期第1話に登場。パンツ一丁で放屁を推進力にしながら空を飛ぶナイスガイ。名前は同名ゲームの登場キャラクターに似ていることから付けられた仮名[9]。第7話のティータイムでは電車の乗客役として大量に登場した。
- 持田 房子(もちだ ふさこ)
- 声 - 明坂聡美
- 第1期第3・6・11・12話に登場。形状記憶ランジェリーを着た中年女性で、シルシルは「うちのママに体型が似てる」と評している。名前と「42歳まだまだ独身」という設定はコロコロが即興で思いついた。第3話では周囲の建造物が次々に崩落する世紀末的惨状を気にも留めずひたすらダンスし続け、第6話では三輪車に乗って屋内を飛行する。第11話ではメンタルとタイムのルームにも登場し、第12話でも意外な役回りで登場した。
- 第2期では『gdgd妖精s』関連商品のCMと第11話のメンタルとタイムのルームに登場している。
- 森下さん(もりしたさん)
- 第1期第5話の後半と第9話のエンディングに登場。頭がビデオカメラになっており、映画館で本編の上映前に流されるCMに登場するキャラクターに酷似している。「森下さん」という名前は持田房子と同様にコロコロが即興で思いついた[注 5]。
- ピク父(ピクちち)
- 第2期に登場。ピクピク役の三森すずこの実父。アニメ中では別のキャラクターに置き換えられており、「実際には本人が実写で出演中」との注釈が入る。
スタッフ
主題歌
第1期の2曲は2011年11月16日よりiTunes Store、ドワンゴ(アニメロミックス)、レコチョクなどで配信されている。また、主題歌はBD・DVDの同梱特典としてリリースされた後、2013年1月25日に発売されたアルバム「おいでよ! 妖精の森」に再録されている(「gdgd学園天国!」のみ未収録)。
- 第1期オープニングテーマ
-
- 「おいでよ! 妖精の森」
- 作詞・作曲 - 井上純一 / 編曲 - 加納望 / 歌 - gdgd妖精s(三森すずこ・水原薫・明坂聡美)
- 第1期エンディングテーマ
-
- 「Eternal」
- 作詞・作曲 - 井上純一 / 編曲 - Hajime(from LiLi) / 歌 - gdgd妖精s
- 第1期エンディングアニメーションはリアルな頭身の妖精がシルエットで登場し、ダンスを踊るアニメーションであるが毎回、カメラアングルや演出が異なっている[注 6]。
第1期のテーマ曲の注文にあたり、石舘光太郎は井上純一にイメージ元として、オープニングテーマには「侵略ノススメ☆」「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」の2曲を、エンディングテーマには「FIND THE WAY」を指定したという[10]。
- 第2期オープニングテーマ
-
- 「おいでよ! 妖精の森」(第1話)
- 作詞・作曲 - 井上純一 / 編曲 - 加納望 / 歌 - gdgd妖精s
- 「続・おいでよ! 妖精の森」(第2話)
- 作詞・作曲 - 井上純一 / 編曲 - 加納望 / 歌 - gdgd妖精s
- 「続」は「おいでよ! 妖精の森」の歌詞を変更したもの。
- 「ぐだぐだ言ってんじゃねえ!」(第3話 - 第11話)
- 作詞・作曲 - 井上純一 / 編曲 - 加納望 / 歌 - gdgd妖精s
- 第5話では歌の途中に入る「Let's Party!」の「Party!」のアクセントが異なり、第6話以降では「Party!」の部分が別の台詞に差し替えられている(例外的に第11話は台詞は「Viking!」だが文字が「食べ放題!」になっている)。
- 「gdgd学園天国!」(第12話)
- 作詞・作曲 - 井上純一 / 編曲 - 加納望 / 歌 - gdgd妖精s
- 第2期エンディングテーマ
-
- 「きっとまた会える」
- 作詞・作曲 - 井上純一 / 編曲 - Hajime(from LiLi) / 歌 - gdgd妖精s
- 第7話・第9話・第11話は未使用。
- 「桃色ピクシー」(第7話)
- 作詞・作曲 - 井上純一 / 編曲 - Hajime(from LiLi)/ 歌 - ピクピク(CV.三森すずこ)
- 「ぐだって ぽよって」(第9話)
- 作詞・作曲 - 井上純一 / 編曲 - 加納望 / 歌 - シルシル(CV.水原薫)
- 「キノコの気持ち」(第11話)
- 作詞・作曲 - 井上純一 / 編曲 - Hajime(from LiLi)/ 歌 - コロコロ(CV.明坂聡美)
- 第2期では、エンディングアニメーションを視聴者から募集する企画がニコニコチャンネル(ニコニコ動画)で行われ、第6話以降で採用された[11]。
エンディングアニメーションのモーションキャプチャモデル、振り付けはピクピク役の三森すずこが担当。三森は本人のブログで「振り付けをやってみたかったので嬉しかった」とコメントしている[12]。
各話リスト
放送日はTOKYO MX基準。予告は他作品をパロディ化した「嘘予告」であり[注 7]、第1期は第11話の最終回予告を除き「未定」とされている[注 8]。各パートのタイトルはgdgdティータイムを除いて本編では表示されず、ブルーレイ/DVDのジャケットに掲載されている。
第2期では、『「○○○○」登場」』というタイトルで統一され、該当の言葉が次回のネタの伏線となっている。
各話のタイトルと内容については本放送時まで伏せられており、アニメ雑誌の放送リストでは「第1話 10月4日完パケ納品回」のような形で仮題が掲載されている[13]。
また、各話の次回予告曲は業界もびっくりの一曲3,000円でHajime(from LiLi)が担当している。
放送局
Blu-ray / DVD
イーネット・フロンティア/ストロベリー・ミーツピクチュアズより発売。全3巻。ブルーレイディスク版のみ、森のバックステージ、ノンテロップ映像、未公開アフレ湖、キャスト顔出しミニ・コメントおよび初回版に特典CDが付属する。第1期ブルーレイディスク版および第2期のジャケットはKEIの描き下ろし。
2014年7月24日には「もっと!りぴーと!ディスク」バージョンがブルーレイディスク版のみで発売。1枚のディスクに第1期の全12話と第2期の0話を含む全13話の計25話が収録されている。通常版に無い仕様として、1期、2期を通しての全話リピート・第1期全話リピート・第2期全話リピート・gdgdティータイム、メンタルとタイムのルーム、アフレ湖、素ピーカーの各パートリピートの再生モードがある。
ブルーレイ・DVDとも放送時の「嘘予告」は著作権の関係で画像の編集(主にモザイク処理)が行われている。
巻数 |
発売日 |
収録話 |
規格品番
|
Blu-ray |
DVD
|
第1期
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1 |
2012年1月27日 |
第1 - 4話 |
ENBD-5005 |
ENFD-7119
|
2 |
2012年2月24日 |
第5 - 8話 |
ENBD-5006 |
ENFD-7120
|
3 |
2012年3月24日 |
第9 - 12話 |
ENBD-5007 |
ENFD-7121
|
第2期
|
1 |
2013年3月28日 |
第1 - 4話 第0話(BDのみ) |
ENBD-5010 |
ENFD-7128
|
2 |
2013年4月25日 |
第5 - 8話 |
ENBD-5011 |
ENFD-7129
|
3 |
2013年5月23日 |
第9 - 12話 |
ENBD-5012 |
ENFD-7130
|
もっと!りぴーと!ディスク
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2014年7月24日 |
第1期 1 - 12話 第2期 0話、1 - 12話 |
ENBD-5013 |
-
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劇場版
『劇場版gdgd妖精sっていう映画はどうかな…?』のタイトルで、2014年9月27日より公開。
ゲストキャラクター(劇場版)
全てでんぱ組.incのメンバー。
- ミリン
- 声 - 古川未鈴
- リサ
- 声 - 相沢梨紗
- ネム
- 声 - 夢眠ねむ
- エイタソ
- 声 - 成瀬瑛美
- モガ
- 声 - 最上もが
- ピンキー
- 声 - 藤咲彩音
スタッフ(劇場版)
主題歌(劇場版)
- 「愛があるから!!」
- 作詞・作曲 - 井上純一 / 編曲 - 玉屋2060%(Wienners) / 歌 - でんぱ組.inc[14][15]
こんな私たちがなりゆきでヒロインになった結果www
同時上映作。略称は『なりヒロwww』。2014年10月から始まるテレビアニメの序章となる。
キャスト(なりヒロwww)
スタッフ(なりヒロwww)
- 原案・監督・キャラクターデザイン - 菅原そうた
- 脚本 - ますもとたくや
- 音響監督 - 久保荘一郎
- 音響制作 - 東北新社
- 制作 - ストロベリー・ミーツ ピクチュアズ、ファンカンパニー
- 製作 - ストロベリー・ミーツ ピクチュアズ、ファンカンパニー、ポニーキャニオン、TOKYO MX、MEME TOKYO
- 配給 - ポニーキャニオン
カウントダウンコンテンツ
劇場版公開記念として2014年9月20 - 27日まで毎日、ニコニコch「劇場版gdgd妖精sサポーターch」でお楽しみ企画「カウントダウンコンテンツ」を配信。
- 配信エピソード
- 2014年9月20日配信 シルシルの“制作スタッフに聞いてみた” Vol.1
- 2014年9月21日配信 シルシルの“制作スタッフに聞いてみた” Vol.2
- 2014年9月22日配信 gdgdラジオ妖精s番外編をやってみた
- 2014年9月23日配信 3妖精が映画のヒット祈願をしてみた
- 2014年9月24日配信 でんぱ組.incが「アフレ湖」をやってみた Vol.1
- 2014年9月25日配信 でんぱ組.incが「アフレ湖」をやってみた Vol.2
- 2014年9月26日配信 3妖精が記者会見を受けてみた
- 2014年9月27日配信 3妖精が劇場に行ってみた
脚注
注釈
- ^ a b 第2期では「ー」が2個になっている。
- ^ 製作の名称は「ー」が3個[1]。
- ^ アフレ湖については、お題となる映像を見た後に1発撮りを順番に行う形式が採られている。そのため全てにわたってアドリブで進行する。
- ^ アフレ湖とは逆に、収録したコメントから映像を付けていく。
- ^ 名前の漢字表記については第8話のメンタルとタイムのルームでgdgd生放送(ニコニコ生放送のパロディ)の画面上に流れるニュースの「カメラマン森下 、放送事故で謝罪」という字幕で確認できる。
- ^ 例えば、第6話ではコロコロが直前のアフレ湖での扱いに拗ねてその場に直立不動し続け、ダンスを放棄した。
- ^ そのため、偽のサブタイトルが表示された後に『…っていう話ではありませんが、お楽しみに!!』とコメントしていた。
- ^ 第11話の予告では最終話のサブタイトルが表示された。
- ^ 放送版は著作権などの関係から、サブタイトルのみ表示された。
- ^ 「絶対絶命」は原文ママ。
- ^ この回ではメンタルとタイムのルームが「メンタルとタイムの体育館」に、アフレ湖が「アフレプール」になっている。
- ^ 第12話はTOKYO MXでの放送と同時刻の2011年12月29日午前3時00分に配信された。
- ^ 第1話は無料。第2話以降は更新日から2週間の無料配信後、有料配信へ移行する。
- ^ 2話ずつ放送。
出典
関連項目
- gdメン - 本作品をベースとしたテレビアニメ。
- Windows100% - 晋遊舎の雜誌。2012年1月号の付録DVD-ROMにピクピク・シルシル・コロコロのMikuMikuDance用モデル素材を収録。
- 直球表題ロボットアニメ - 石舘が監督を務めるCGアニメ。番組の構成が本作と似ている。
- てさぐれ!部活もの - 石舘が監督・脚本(一部)を務めるCGアニメ。
- 僕の妹は「大阪おかん」 - 同じくキャラクター原案・菅原そうた、演出・脚本・石舘光太郎によるCGショートアニメ。本作との相互パロディが存在する。
- アイキャラ - 同番組発のアイドルキャラクター小林咲彩の3D化をMikuMikuDanceにて作成。そのMikuMikuDanceの概要説明映像にピクピク・シルシル・コロコロがサンプルとして登場。また、直接の関連はないが同番組には本作劇場版に出演したでんぱ組.incの夢眠ねむがレギュラー出演している。
- 魔法少女?なりあ☆がーるず - 本作と同じ石舘光太郎の作品。三森すずこが悪役として出演しており、ピンク髪のビジュアルや語尾が”…ピク”になっているなど、かつてのピクピク役を踏まえたセルフパロディが随所に盛り込まれている。
外部リンク