DRモーター・カンパニー
DRモーター・カンパニー (DR Motor Company) は、2006年に設立されたイタリアの新興自動車メーカーである。中国の奇瑞汽車(チェリー)からセミノックダウンキットの供給を受け、ボローニャ産の本革シートなどヨーロッパ製部品も使用して「DR」ブランド車の組立を行っている。ブランド名の「DR」は創業者マッシモ・ディ・リージオ (Massimo Di Risio) のイニシャルに由来している[1]。 歴史元レーシングドライバーのマッシモ・ディ・リージオは1983年にランチアブランドを皮切りにディーラー事業を開始し、2011年時点で22ブランドを取り扱うまでに成長した[2]。その中にはサリーンも含まれる[1]。その一方で、ディ・リージオはかねてから自動車製造業にも野心を抱いており、2006年にモリーゼ州マッキア・ディゼルニアに製造拠点を設け、奇瑞汽車から瑞虎(ティゴ)SUVのセミノックダウンキットの供給を受けて組立を開始した[2]。 ティゴのリバッジ車であるDR5は同年12月の第31回ボローニャモーターショーにプロトタイプとして出展された。DR5は最初のDR車として2007年11月から発売開始された。 初期のDRは異例のマーケティング戦略で知られた。当初は自前の販売網を持たず、フィニペル (Finiper) グループと提携を結んで、同社のハイパーマーケット25店舗で販売を行っていた[3]。 2008年のボローニャモーターショーでは新たに3ドアSUVのDR3とシティーカーのDR1が出展された。DR1は瑞麒(リーチ)M1がベースとなっている[4][5]。 2009年にはジュネーヴモーターショーに出展しヨーロッパデビューを果たす。同ショーではトリノのIEDと共同で制作したスーパーカーのコンセプトモデル3車種[6]、およびDR1とDR2が出展された[7][8]。 2009年12月、DR1が発売開始された[9]。それと連動してDRはフィニペルとの契約を終了して自前の販売網の展開に着手した。現在、DRはイタリア国内に70以上のディーラーや100以上のサービス拠点を擁する。 2010年12月、ボローニャモーターショーにて風雲2 (Fulwin 2) ハッチバックをベースとする新型DR3を出展[10]。しかしながら2013年12月時点で発売には至っていない。 DRは当初イタリア国内で年1万2000台を販売し、他のヨーロッパ市場への進出も図っていく計画であったが、実際には5年かけて目標の販売台数に到達した。ピークを迎えた2010年の販売台数は5千台弱である[2]。 車種一覧
関連項目脚注
外部リンク |