AKSM-62103(ベラルーシ語: АКСМ-62103)は、ベラルーシの輸送用機器メーカーであるベルコムンマッシュおよびシュタッドラー・ミンスクが展開する路面電車車両。車内の一部を低床構造とした超低床電車(部分超低床電車)である[1][2]。
概要
2000年に路面電車事業に参入したベルコムンマッシュは、翌2001年から初の量産車であるAKSM-60102の製造に着手し、ベラルーシやロシア連邦各地の路面電車に向けて導入が行われた。これを基に設計された改良型車両がAKSM-62103である[1][2][4][5]。
ループ線が存在する路線での運用を前提とした片運転台のボギー車(単車)で、乗降扉(両開き式プラグドア)が右側に3箇所設置されている。そのうち中央部の乗降扉付近を含めた車内全体の35 %は、床上高さ365 mmの低床構造になっている。車内の座席配置は1 + 2列のクロスシートを基本としているが、顧客の要望に応じた変更も可能である。電気機器はVVVFインバータ制御(IGBT素子)に対応している他、制動装置には電力を回収可能な回生ブレーキが採用され、電力消費量はAKSM-60102と比べて最大50 %削減される[1][2][6]。
運用
2009年に最初の車両が製造されて以降、AKSM-62103は以下のロシア連邦やベラルーシ各都市に導入されている。2014年以降は車体デザインや構造、機器の見直しを行った改良型車両であるAKSM-802の展開が行われているが、より安価なAKSM-62103の需要は高く、後継車種であるT701が発表された2024年まで両者は並行して展開が行われた[3][4][7][8]。
下記の車両のうち、カザン市電(カザン)向けの7両およびスタールイ・オスコル市電(スタールイ・オスコル)向けの2両は、シュタッドラー・ミンスクによって生産された車両である。また、ノヴォシビルスク市電(ノヴォシビルスク)に2017年以降導入された車両については、旧型電車(KTM-5)の台枠や車軸を用いた機器流用車(車体更新車)としてBKMシベリア(БКМ-Сибирь)[注釈 1]によって生産されている[2][3][7][9][10]。
ギャラリー
脚注
注釈
- ^ BKMシベリアは、ノヴォシビルスク市の公営企業であるゴルエレクトロトランスポート(Горэлектротранспорт)とベルコムンマッシュによって設立された合資会社である。
出典
外部リンク