992型レーダー
992型レーダー(英語: Type 992 radar)は、イギリスのマルコーニ(現在のBAEシステムズ)社が開発した2次元レーダー。 概要第二次世界大戦中、イギリス海軍では、目標捕捉装置(Target Indication Unit, TIU)と呼ばれる装置を導入していた。これは、通常の対空捜索レーダーよりも高精度で、追尾レーダーよりも捜索範囲が広い捕捉レーダーによってまず目標を捕捉し、追尾レーダーに移管することで、射撃指揮を効率化する試みであった。しかし、まだTIU 2が開発途上の1943年の段階で、既に同機で用いられていた293型レーダーの走査速度(アンテナ回転数)の遅さが問題として指摘されていた。このことから、1943年10月、より高速で走査できるレーダーの開発が発注された。これによって開発されたのが本機である[1]。 開発は1948年より着手され、1952年に完了した。本機はTIU 3と連接されて、GDS 3(Gunnery direction system)を構成した[1]。最初期型は293Q型に似た「チーズ」型アンテナを採用しており、空中目標への探知距離は30 nmi (56 km)であった。その後、送信機を新型化して探知距離を30パーセント延伸した992M型、導波管スロット・アレイ・アンテナの採用で探知距離をさらに30%延伸した992P型、小改正型の992Q型、ソリッド・ステート化した992R型と発展した。また、シーウルフ個艦防空ミサイルと組み合わされる968型レーダーは、本機を元にした再構成版といえるものになっている[2][3]。 992型は、イギリス海軍では996型によって更新され、退役している[2][3]。 採用国と搭載艦参考文献
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