3C 58
3C 58 はカシオペヤ座の方向、天の川銀河内の約1万光年の位置にあるパルサー及び超新星残骸である。 冷却問題3C 58 は、1181年に観測された超新星SN 1181で誕生したと考えられてきた。 その一方で、中性子星の表面温度が30万K以下(質量の推定によっては15万K以下)しかなく[1]、観測された中性子星の中で最も低温である(2002年時点)[1]。現在の中性子冷却の理論からは、800年余りでここまで冷えることは考えられない[1]。そのため、いくつかの仮説がある。 クォーク星クォークが裸の状態で存在するクォーク星である可能性が示唆されている。中性子物質からクォーク物質への変換にエネルギーが消費されたため温度が下がったという仮説である[4][5]。 ニュートリノ冷却内部の特異な条件によって大量のニュートリノが放出されることでエネルギーが放出され、冷却されているという仮説が立てられている[6]。 実際は数千歳単に、SN1181とは関連がなく、もっと古いという説もある。超新星残骸の膨張速度からは、約7100年(誤差が大きいが5900年 - 9100年)[2][7]あるいは5400年[3]という年齢が得られている。 詳細な観測から、SN1181で誕生したのは3C 58ではなく、IRAS 00500+6713であると2022年現在では考えられている[8]。
出典
ウィキメディア・コモンズには、3C 58に関するカテゴリがあります。 座標: 02h 05m 38.29s, +64° 49′ 44.4″ |