2012年ロンドンオリンピックのバレーボール競技・女子3位決定戦

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試合終了直後のコート上

2012年ロンドンオリンピックのバレーボール競技・女子3位決定戦(2012ねんロンドンオリンピックのバレーボールきょうぎ じょし 3いけっていせん)は、2012年平成24年)8月11日に行われたロンドンオリンピックバレーボールインドア女子決勝トーナメント、日本対韓国の3位決定戦の詳細である。なお所属等は実施時点の記録である。

試合開始まで

日本は予選A組を3勝2敗の3位で終え[1]、3大会連続で決勝トーナメントに進出した。準々決勝で中国と対戦、これまでオリンピックで勝利どころかセットすら奪えなかった中国に3-2で勝利して[2]、24年ぶりにベスト4に進出した。準決勝ではブラジルと対戦しストレート負けを喫してこの日を迎えた。

一方の韓国も同じような道を辿った。韓国は2勝3敗ながら勝ち点差で予選B組を3位で終え[1]、2大会ぶりに決勝トーナメントに進出した。準々決勝でイタリアと対戦、イタリアに3-1で勝利し[3]36年ぶりにベスト4に進出したが、準決勝ではアメリカにストレート負けを喫してこの日を迎えている。

両国の対戦成績はこの8年間で日本の22連勝だったが[4]、本年5月23日のオリンピック最終予選では韓国が3-1で日本に勝利している[5]

全日本女子の眞鍋政義監督は8月10日の記者会見で「必死になってやるだけです」と語り、また韓国のエースであるキム・ヨンギョンについては「世界一のスパイカーですから。どれだけディフェンスできるか」と語った[6]。眞鍋監督は試合前に「自分を信じ、仲間を信じて戦おう」と選手を送り出した[7]

フジテレビの現地レポーターの三宅正治アナウンサーも前日にサッカー男子の3位決定戦で日本が韓国に敗れたことを引き合いに出し、「是非借りを返したいですね」と発言した[8]

試合概要

出場メンバー

日本の旗 日本 [9]
No. Pos. 氏名 所属
2 S 中道瞳 東レ
3 S 竹下佳江 JT
4 WS 山口舞 岡山
5 MB 荒木絵里香(主将) 東レ
7 MB 井上香織 デンソー
8 WS 狩野舞子 ベシクタシュ
10 L 佐野優子 イトゥサチ
11 MB 大友愛 JT
12 WS 新鍋理沙 久光製薬
14 WS 迫田さおり 東レ
16 WS 江畑幸子 日立
18 WS 木村沙織 東レ
監督 眞鍋政義 日本バレー
ボール協会
00
大韓民国の旗 韓国[10]
No. Pos. 氏名 所属
3 MB ハ・ジョンイム 道路公社
4 S キム・サニ(主将) 興国生命
5 L キム・ヘラン 道路公社
7 WS イム・ヒョスク 道路公社
10 WS キム・ヨンギョン フェネルバフチェ
11 WS ハン・ユミ 人参公社
12 WS ハン・ソンイ GSカルテックス
13 MB チョン・デヨン GSカルテックス
14 OP ファン・ヨンジュ 現代建設
17 MB ヤン・ヒョジン 現代建設
19 U キム・ヒジン 企業銀行
20 S イ・スクジャ GSカルテックス
監督 キム・ヒョンシル

※ WS=ウイングスパイカー、OP=オポジットスパイカー、U=ユニバーサル、MB=ミドルブロッカー、S=セッター、L=リベロ

試合結果

2012年8月11日 11:30
日本 3 - 0
(25-22)
(26-24)
(25-21)
韓国 アールズ・コート(ロンドン市)
主審: Susana RODRIGUEZ (スペイン)
副審: Jose VELEZ MERCADO (プエルトリコ)

この結果、日本が勝利を収め、ロサンゼルスオリンピック以来28年ぶりに銅メダルを獲得した。一方、敗れた韓国モントリオールオリンピック以来36年ぶりのメダルを逸した。しかし、この試合も含め、207得点をあげたキム・ヨンギョンが大会MVP・ベストスコアラーに輝いた。4位チームからMVPが選出されるのは極めて異例で勿論初めて[11]

スタッツ

この試合の個人スタッツ(Statistics)は次の通り[12]

日本の旗 日  本
No 氏名 出場セット 得 点 サーブ アタック ブロック レセプション ディグ
1 2 3 サーブ アタック ブロック 合計 打数 平均 打数 決定率 試行数 平均 受数 成功 成功率 受数 成功 平均
2 中道瞳 0 0 0 0 1 0.00 0 0.0 0 0.00 0 0 0.0 0 0 0.00
3 竹下佳江 0 2 0 2 8 0.00 2 100.0 1 0.00 1 0 0.0 13 11 3.67
4 山口舞 0 0 0 0 0 0.00 0 0.0 0 0.00 0 0 0.0 0 0 0.00
5 荒木絵里香 0 7 0 7 18 0.00 9 77.8 7 0.00 0 0 0.0 5 3 1.00
7 井上香織 0 0 0 0 0 0.00 0 0.0 0 0.00 0 0 0.0 0 0 0.00
8 狩野舞子 0 0 0 0 0 0.00 0 0.0 0 0.00 0 0 0.0 0 0 0.00
10 佐野優子 L L L 0 0 0 0 0 0.00 0 0.0 0 0.00 7 6 85.7 20 14 4.67
11 大友愛 1 1 0 2 7 0.33 11 9.1 15 0.00 0 0 0.0 2 1 0.33
12 新鍋理沙 0 11 0 11 8 0.00 22 50.0 8 0.00 21 13 61.9 11 9 3.00
14 迫田さおり 0 23 0 23 11 0.00 46 50.0 10 0.00 0 0 0.0 10 7 2.33
16 江畑幸子 0 0 0 0 0 0.00 0 0.0 0 0.00 0 0 0.0 0 0 0.00
18 木村沙織 2 9 0 11 21 0.67 31 29.0 4 0.00 33 25 75.8 12 9 3.00
合 計 3 53 0 56 74 1.00 121 43.8 45 0.00 62 44 71.0 73 54 18.0
相手のミスによる得点 20  
総 得 点 76  
大韓民国の旗 韓  国
No 氏名 出場セット 得 点 サーブ アタック ブロック レセプション ディグ
1 2 3 サーブ アタック ブロック 合計 打数 平均 打数 決定率 試行数 平均 受数 成功 成功率 受数 成功 平均
3 ハ・ジョンイム 0 0 0 0 0 0.00 0 0.0 0 0.00 0 0 0.0 0 0 0.00
4 キム・サニ 0 0 0 0 7 0.00 0 0.0 0 0.00 0 0 0.0 8 5 1.67
5 キム・ヘラン L L L 0 0 0 0 0 0.00 0 0.0 0 0.00 15 11 73.3 20 14 4.67
7 イム・ヒョスク 0 0 0 0 0 0.00 0 0.0 0 0.00 0 0 0.0 0 0 0.00
10 キム・ヨンギョン 0 21 2 23 11 0.00 36 58.3 3 0.33 19 15 78.9 7 4 1.33
11 ハン・ユミ 0 1 0 1 1 0.00 5 20.0 2 0.00 3 2 66.7 1 0 0.00
12 ハン・ソンイ 1 5 4 10 8 0.33 18 27.8 7 1.33 25 10 40.0 5 2 0.67
13 チョン・デヨン 0 3 3 6 8 0.00 16 18.8 12 1.00 0 0 0.0 2 1 0.33
14 ファン・ヨンジュ 0 0 0 0 0 0.00 1 0.0 2 0.00 0 0 0.0 3 1 0.33
17 ヤン・ヒョジン 1 3 0 4 13 0.33 9 33.3 11 0.00 2 2 100.0 7 2 0.67
19 キム・ヒジン 2 5 0 7 16 0.67 20 25.0 12 0.00 0 0 0.0 12 9 3.00
20 イ・スクジャ 0 0 0 0 5 0.00 1 0.0 4 0.00 1 0 0.0 12 5 1.67
合 計 4 38 8 50 69 1.33 106 35.8 53 2.67 65 40 61.5 77 43 14.3
相手のミスによる得点 17  
総 得 点 67  
凡例:■=先発出場、□=途中出場、L=リベロで出場。
サーブ欄平均はサービスエースの本数/セット、ブロック欄平均はキルブロック数/セット、レセプション成功率は成功/受数(%)、ディグ欄平均は成功数/セット。

ラリー詳細

london2012.com - Bronze Medal Match - Play by Playを参照のこと。

日本における中継放送

地上波放送では、8月11日(土)19:00(JST)より、フジテレビ系列にてライブ中継を行った[13]

同番組の瞬間最高視聴率は、関東で36.7%(勝利を決めた直後の21:01[14])、関西で33.5%だった[15]

また、平均視聴率は、関東で21.7%、関西で20.4%だった[15]

なお、NHKでも、BS1[16]ラジオ第1放送[17]が生中継した。

脚注

  1. ^ a b london2012.com. “Women's Volleyball - Preliminary Round”. 2012年8月21日閲覧。
  2. ^ london2012.com. “Women's Volleyball - Quarterfinal 2”. 2012年8月21日閲覧。
  3. ^ london2012.com. “Women's Volleyball - Quarterfinal 3”. 2012年8月21日閲覧。
  4. ^ 中央日報. “<五輪>韓国女子バレー、36年ぶりのメダル獲得ならず”. 2012年8月22日閲覧。
  5. ^ TBSテレビ. “日本女子戦評”. 2012年8月21日閲覧。
  6. ^ 日本バレーボール協会. “眞鍋政義監督が記者会見 「必死になってやるだけ」”. 2012年8月22日閲覧。
  7. ^ 日本バレーボール協会. “火の鳥NIPPONが銅メダル獲得記者会見”. 2012年8月22日閲覧。
  8. ^ 2012/8/11 フジテレビ オンエア中の発言
  9. ^ london2012.com. “Women's Volleyball - Olympic Volleyball Japan”. 2012年8月23日閲覧。
  10. ^ london2012.com. “Women's Volleyball - Olympic Volleyball Korea”. 2012年8月23日閲覧。
  11. ^ 中央日報. “ロンドン五輪バレー女子 韓国エースにMVP”. 2012年8月22日閲覧。
  12. ^ london2012.com. “Bronze Medal Match - Stats”. 2012年8月22日閲覧。
  13. ^ 価格.com. “「ロンドンオリンピック2012 ~バレーボール女子 3位決定戦日本×韓国~」 2012年8月11日(土)放送内容”. 2012年8月22日閲覧。(魚拓)
  14. ^ MSN産経ニュース. “女子バレー日本対韓国戦、瞬間視聴率36・7% ロンドン五輪”. 2012年8月24日閲覧。
  15. ^ a b nikkansports.com. “サオリンら銅 瞬間最高視聴率36・7%”. 2012年8月22日閲覧。
  16. ^ NHK. “NHKスポーツオンライン -NHKスポーツ番組総合情報サイト-”. 2012年8月24日閲覧。
  17. ^ NHK. “NHKネットクラブ 番組詳細 ロンドンオリンピック◇バレーボール 女子・3位決定戦「日本×韓国」”. 2012年8月24日閲覧。

関連項目

参考資料