20世紀最後の真実『20世紀最後の真実』(20せいきさいごのしんじつ)は、落合信彦の著書である。集英社刊。1980年10月の作品である。 あらすじ著者(落合信彦)と集英社の編集者が取材のために、1980年に軍事政権下の南アメリカのチリを訪れる。「第二次世界大戦後チリに逃亡したドイツのナチス党員の残党が、サンチアゴから離れた田舎にコミュニティーをつくって住んでいる」という情報を得たためだ。 もちろんいきなり行っても相手が取材に応じるわけはないので、元ナチス党員に同行してもらう。彼は元ドイツ軍人で現在もナチズムを信奉している筋金入りの人物だ[1]。彼といっしょに車で現地に向かった。そして、そのコミュニティー[2]、通称「エスタンジア」で取材を試みるが拒否され、それでも無断入場しようとしあやうく拉致されかけるが、駆けつけたチリ警察に救出される[3]。 後日、そこには第二次世界大戦のドイツ敗戦後に逃亡してきた元ナチス党員、軍人が多数住んでいるということが分かった。「高度な科学技術を持ち、チリ空軍でさえその上空は飛行しないことになっている。UFOも製造している」という。「フリードリヒ」によると[4]、「UFOは第二次世界大戦中にはすでに試作機が完成しており、現在も製造、運用が行われている」という。 解説この本はあくまで「ノンフィクション」として出版されている。その後内容が訂正されたり釈明されたりしたことはない(現在は絶版)。出版された当時、著者はCIAなどの情報機関に多数の友人がいる元オイルマンで、世界をまたにかけて取材する「国際ジャーナリスト」として学生やビジネスマンから絶大な人気を誇っていた。 しかし、本書で著者が報告した「エスタンジア」は「コロニア・ディグニダ」(現在はビジャ・バビエラ)という名前の、実際に存在するドイツ人移民のコミュニティーであることが、1990年のアウグスト・ピノチェト政権の崩壊後に明らかになったほか、このコミュニティーの主の元ナチ党員のパウル・シェーファーも実在している。 なお、本書で著者がインタビューした元ナチス党員「フェニックス」の正体については諸説ある[5]。 関連文献
脚注
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