カナダのドミニオン天文台、カナダ国立研究機構、サスカチュワン大学、イギリスのオックスフォード大学の科学者はカナダ空軍の飛行機に乗り、ノースウエスト準州のグレートスレーブ湖上空30,000フィート (9,100 m) で皆既日食を観測した。グレートスレーブ湖にはナビゲーションシステムの欠如のため、飛行機はカナダ南東部にある首都オタワからノースウエスト準州のフォートシンプソン(英語版)まで飛び、またオタワに戻る必要があり、往復で約13時間だった。日食当日の7月20日、グレートスレーブ湖に薄い雲が40,000フィート (12,000 m) の高さまで存在し、光学観測は成果がなく、事前に飛行機で設置された機械は観測データを記録した。また、約100ノット (190 km/h; 120 mph) の風速の影響で、飛行機は予定より1分早く予定地点より西の場所で月の本影に入った[7]。カナダ王立天文学会(英語版)の科学者はケベック州のグランメル(フランス語版)で電波観測をした[8][9]。
文学とテレビドラマ
1963年7月15日から20日付けのアメリカ漫画「ピーナッツ」はこの皆既日食を言及した。登場人物のライナス・ヴァン・ペルト(英語版)は安全な観察方法を解説し、太陽を肉眼で直接見ないよう呼びかけた。アメリカの作家スティーヴン・キングは1992年に刊行された小説「ジェラルドのゲーム」と「ドロレス・クレイボーン(英語版)」でこの皆既日食をプロットの重要な部分として使った。2009年に放送されたテレビドラマ「マッドメン」のシーズン3の第7話「契約」(原題Seven Twenty Three、直訳で7·23)もこの皆既日食のことを示した[10]。アメリカ作家ジョン・アップダイクは1968年の小説「カップルたち(英語版)」で「この日以外に、(あの何年間)それほど不吉な日はたった1日、1962年10月ケネディとフルシチョフがキューバ上空で遇った水曜日だった」とこの皆既日食を言及した ([o]nly one other time had been so ominous [in those years], the Wednesday in October of 1962 when Kennedy had faced Khrushchev over Cuba) [11]。
^Updike, John, Couples (Albert A. Knopf, 1968) pp. 223-4. "[I]t had been ninety per cent at their latitude [near Boston]. An invisible eater moved through the sun's disc amid a struggle of witnessing clouds. The dapples of light beneath the elm became crescent-shaped .... [A] sideways eyebrow ...."