上から2番目の層(英語版)は、現存する最古の『旧約聖書』の登場人物の図像を含んでいると考えられている。この層に描かれている人物の名前はmIa-ú-a mar mHu-um-ri-iであると見られる。ヘンリー・ローリンソンによる1850年の代表作『On the Inscriptions of Assyria and Babylonia』における原文訳は次のように説明されている。「第2層の貢物はフビリ(Hubiri)の子ヤフア(Yahua)によって運ばれたと述べられている。この君主はオベリスクに刻まれた年代記で言及されておらず、それ故にどこの国の人物だったのかについて私はわからない[5][6]。」1年以上後、エドワード・ヒンクス師によって聖書との繋がりが指摘された。彼は1851年8月21日の日記に次のように書いている。「このオベリスクに描かれた虜囚たちの1人をイスラエルの王イエフと特定する考え、この点に自分自身を満足させ、これを発表する手紙をアテナエウムに書いた」[7]。ヒンクスの手紙は同じ日に、イギリスの文芸雑誌アテナエウム(英語版)で「Nimrud Obelisk」というタイトルで発表された[8]。ヒンクスによるこの特定は現代では聖書考古学者たちの一般的な見解となっている。
^Smith 1875, p. 190「前842年の年代記(抜粋VIIIおよびX)には「オムリの子イエフ」と呼ばれる別のヘブライ王と思われる人物がいる。彼は一般にイスラエル王「ニムシ(Nimshi)の子イエフ」と同定されている。この「オムリの子イエフ」が統治していた国はこの碑文内では語られていない。そして、イエフはオムリの家族を皆殺しにした人物であり、自身をオムリの子と名乗ることことは想定し難い。このオベリスクの碑文で言及されている君主を特定するための他の説を進めるわけではないが、私は聖書のイエフとこの碑文のイエフが同一人物であるということは証明されていないこと、そしてこれらの言及は我らの聖書の全ての年代を改めるのに十分なものではないと強く主張する。」
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Khan, Geoffrey; Lipton, Diana (2011) (英語). Studies on the Text and Versions of the Hebrew Bible in Honour of Robert Gordon. Brill (『ヘブライ聖書の文書と訳文の研究-ロバート・ゴードンに敬意を表して』(編:ジェフェリー・カーン、ダイアナ・リプトン、2011年、ブリル出版(オランダ)))
Kuan, Jeffrey Kah-Jin (2016) (英語). Neo-Assyrian Historical Inscriptions and Syria-Palestine: Israelite/Judean-Tyrian-Damascene Political and Commercial Relations in the Ninth-Eighth Centuries BCE. Wipf and Stock Publishers (『新アッシリアの歴史的碑文とシリア・パレスティナ:紀元前9~8世紀におけるイスラエル、ユダ、テュロス、ダマスカスの政治・通商関係』(著:ジェフェリー・カー・ジン・クアン、2016年、ウィフ・アンド・ストック出版(米国)))
McCarter, Peter Kyle (1974). “"Yaw, Son of 'Omri": A Philological Note on Israelite Chronology”. Bulletin of the American Schools of Oriental Research (University of Chicago Press) 216: 5-7. (『アメリカ・オリエント学研究所会報』第216号(1974年、シカゴ大学出版)p.5-7に収録されている『「Yaw “オムリ”の息子」:古代イスラエルの年代記に係る文献学の要旨』(著:P・カイル・マッカーター))
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