高縄寺
高縄寺(たかなわじ)は愛媛県松山市高縄山(標高986m))山頂近くに所在する真言宗醍醐派の寺院である。 本尊は十一面千手観音菩薩。 古代には、高縄山系では修験道が栄え、石鎚山に次ぐ聖地であった。 御詠歌:高縄の 峰の嵐ぞ 法の声、千代に八千代に 新たなりけり 概要天智天皇(662年 - 671年)のとき、小千守興(おちもりおき)が横谷片山に一寺を創建、一寸八分の千手観音を勧請安置し、「普門院歓喜寺」と称し、河野家累代の祈願祈祷所とした。その後、行基が慶雲3年(706年)8月巡錫の砌り、この尊像を拝し、五尺余りの大像を彫刻して頭中に納めたと伝えられる。そして、弘法大師が巡錫の砌り、寺号を「高野山 髙縄寺」と改め、行基作の千手観音を安置する。 天文元年(1532年)元旦、河野通宣[1]公の霊夢に依り、作事奉行・須保木将監通方に仰せ付け、横谷村から高縄山(現在の場所)へ遷座した。 天正13年(1544年)戦火により堂宇は焼失するも、本尊のみ類焼をまぬがれる。その後、明和年間第13代住職・義天僧正に依り再建され、江戸末期に改修された。 毎年10月第4日曜日、平安末期から戦国末期にかけて勢力を誇った北条発祥の豪族・河野氏を顕彰する「河野氏まつり」の会場の一つとして同寺において、北条地域の大先祖である河野家累代、並びに各家の大先祖様の菩提を弔う法要が行われ、その後郷土芸能である伊豫漫才や獅子舞演舞が奉納される。 境内
※現在は、現住職夫妻が営業されている為、色々なお話や説法、時には、ご祈祷相談も受けられる。 (営業日は予約日のみ)
※山頂部大駐車場迄は、中型バスまでは通行可能。また最近大駐車場に洋式水洗公衆トイレが完成。 文化財
※その他近くには、高縄山の目印になったとされる七本杉や、大師見返りの杉など巨木が立ち並ぶ。 ※山頂部は、県立奥道後玉川自然公園に指定され、ブナ林の最南限地であり、秋にはブナの紅葉が素晴らしい。 その他境内では、熊谷草や四国カッコウソウの群生も見られ、高縄半島最後のしだれ桜の開花時には、見応えがある。 脚注 |