髄膜腫 (ずいまくしゅ、英語 : meningioma)は、脳と脊髄 を包む髄膜 から発生する腫瘍である[ 1] 。
くも膜表層細胞を主とする数種類の細胞 から発生するとされる[ 1] [ 3] 。数多く存在する組織型により悪性度や予後が異なり、WHOグレードⅠ~Ⅲに分類される。
髄膜腫の危険因子には、放射線治療 などによる放射線 被曝(特に放射線治療)、家系、神経線維腫症2型 、などがあげられる[ 3] [ 2] 。髄膜腫と携帯電話 使用との関係性はないとされている[ 6] 。
症状
症状は発生部位と大きさによって異なる[ 2] [ 6] 。無症状例も多いが[ 3] 、脳への圧迫により痙攣 、麻痺 、認知症 、構音障害 、視覚障害、尿失禁 などさまざまな症状をきたしうる。また妊娠中に増大することがある。
診断・治療
診断は一般的に医用画像 による[ 3] 。造影CT およびMRI が有用である。
症状がない場合は経過観察でよいことが多い[ 3] 。症状がある場合は手術 による摘出が考慮される[ 1] 。手術による完全摘出が不可能な場合は放射線治療 が有効なことがある[ 3] 。化学療法 は無効である[ 3] 。完全摘出できた場合の再発率は20%未満である[ 3] 。ただし、数少ない悪性度の高い髄膜腫は急速に増大し、治療後も再発しやすく予後不良である。
疫学
脳腫瘍 の30%を占める[ 4] 。米国 における発症率は約1000人に1人である[ 2] 。髄膜腫は一般に成人にみられ、60歳代にピークがある[ 1] 。女性の発症率は男性の約2倍である[ 2] 。
1614年、フェリックス・プラター が剖検により髄膜腫を初めて記載したとされる[ 7] 。
出典
^ a b c d e f “Adult Central Nervous System Tumors Treatment ” (英語). National Cancer Institute (26 August 2016). 28 July 2017時点のオリジナル よりアーカイブ。28 July 2017 閲覧。
^ a b c d e f Wiemels, J; Wrensch, M; Claus, EB (September 2010). “Epidemiology and etiology of meningioma.” . Journal of Neuro-oncology 99 (3): 307–14. doi :10.1007/s11060-010-0386-3 . PMC 2945461 . PMID 20821343 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2945461/ .
^ a b c d e f g h i j k Ferri, Fred F. (2017) (英語). Ferri's Clinical Advisor 2018 E-Book: 5 Books in 1 . Elsevier Health Sciences. p. 809. ISBN 9780323529570 . オリジナル の2017-09-10時点におけるアーカイブ。. https://books.google.com/books?id=wGclDwAAQBAJ&pg=PA809
^ a b Starr, CJ; Cha, S (26 May 2017). “Meningioma mimics: five key imaging features to differentiate them from meningiomas.”. Clinical Radiology 72 (9): 722–728. doi :10.1016/j.crad.2017.05.002 . PMID 28554578 .
^ Goodman, Catherine C.; Fuller, Kenda S. (2011) (英語). Pathology for the Physical Therapist Assistant – E-Book . Elsevier Health Sciences. p. 192. ISBN 978-1437708936 . オリジナル の2017-09-10時点におけるアーカイブ。. https://books.google.com/books?id=eJb5RHpCF6oC&pg=SL5-PA190
^ a b World Cancer Report 2014 . World Health Organization. (2014). pp. Chapter 5.16. ISBN 978-9283204299
^ Joung H. Lee (2008-12-11). Meningiomas: Diagnosis, Treatment, and Outcome . Springer Science & Business Media. pp. 3–13. ISBN 978-1-84628-784-8 . https://books.google.com/books?id=c_j9piinzy8C&pg=PA3
外部リンク