音楽祭(おんがくさい)とは、一定の期間に特定の地域もしくは会場で集中的に、複数の出演者によるオペラやコンサートなどを行う一連の音楽行事である。大規模なものでは数日がかりで開催したり、複数の会場で演奏を同時進行させたりする。
クラシック音楽の音楽祭
伝統ある音楽祭としてはザルツブルク音楽祭(Salzburger Festspiele)やバイロイト音楽祭(Richard-Wagner-Festspiele)が有名だが、いずれも原語では音楽を意味する言葉はなく、単に「祝祭上演」(Festspiele)という意味である。また同じ意味で「ベルリン芸術週間」「国際モーツァルト週間」といった名称も使われ、総じてヨーロッパでは伝統ある「音楽祭」ほど、改めて「音楽」という言葉を入れない傾向にある。日本では「地名+音楽祭」として表記することが行われてきたため、一般の人にとってはわかりやすいが、原語との表記のギャップが生まれる結果となった。
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ポピュラー音楽の音楽祭
クラシックの音楽祭が主にコンサートホール等で開かれるのに対し、ポピュラー音楽では屋外で大規模に会場を設営する事が多い。大音量を用いるため、住宅地から離れた都市部の工業地域や埋立地などの空き地、あるいは郊外の牧場・スキー場・海浜公園などで行なわれている。屋内の場合ではコンベンション・センターやスタジアムなど、コンサートホールよりもさらに多目的な大規模集客施設で行われる。出演者は集客力増大を企図した構成が多い。
ミュージックフェスティバル、音楽フェスティバルなどカタカナで呼ばれる事が多く、しばしばフェスと略される。また開催される時期・季節よって春フェス、夏フェス、秋フェス、冬フェスと称されるが、多くのフェスは、長期休暇を取りやすく気候的に適した夏季に開催される。
野外で大規模に行われるコンサートとしては、世界的には1950年代のジャズ・フェスティバルやフォーク・フェスティバルが始まりである。日本ではそれに遅れる形で、集客力のある歌謡曲の歌手による野外コンサートが開催されるようになった。バブル景気期の1980年代末には、ジャズやロックの著名な外国人アーティストや、当時日本でアイドル歌謡曲に代わって主流になりつつあったJ-POPを中心とし、大型スポンサーを後ろ盾にした大規模な野外コンサートが開催されていた。それらはバブル崩壊後、スポンサーを失い下火になっていったものの、1990年代末から日本4大ロック・フェスティバルが開催され活況を呈すと、それに続く形でロックを含むポピュラー音楽全般においても音楽祭が日本各地で次々開催されるようになった。
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関連項目