長岡 弘樹(ながおか ひろき、1969年 -)は、日本の小説家、推理作家。山形県山形市出身[1]、在住[1][2]。山形県立山形東高等学校[3]、筑波大学第一学群社会学類卒業[1][4]。
経歴
団体職員を経て、2003年「真夏の車輪」で第25回小説推理新人賞を受賞[1][4]。2005年『陽だまりの偽り』で単行本デビューする。2011年に発売された『傍聞き』の双葉文庫版が、本の雑誌社が刊行する『おすすめ文庫王国2012』の国内ミステリー部門で第1位に選ばれると、ロングセラーとなり39万部を超えるヒットとなる[5]。2013年に刊行した『教場』は警察学校を舞台にした新しいタイプの警察小説で[6]、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」で第2位、第11回本屋大賞で6位に選ばれた。2020年には木村拓哉主演でテレビドラマ化された。
文学賞受賞・候補歴
太字が受賞したもの
作品リスト
単著
教場シリーズ
- 教場(2013年6月 小学館 / 2015年12月 小学館文庫)
- 教場2(2016年2月 小学館 / 2017年12月 小学館文庫)
- 教場0 刑事指導官・風間公親(2017年9月 小学館 / 2019年11月 小学館文庫)
- 収録作品:仮面の軌跡 / 三枚の画廊の絵 / ブロンズの墓穴 / 第四の終章 / 指輪のレクイエム / 毒のある骸
- 風間教場(2019年12月 小学館 / 2020年12月 小学館文庫)
- 教場X 刑事指導官・風間公親(2021年8月 小学館 / 2022年12月 小学館文庫)
- 収録作品:硝薬の裁き / 妄信の果て / 橋上の残影 / 孤独の胎衣 / 闇中の白霧 / 仏罰の報い
- 新・教場(2023年3月 小学館)
- 収録作品:鋼のモデリング / 次代への短艇 / 殺意のデスマスク / 隻眼の解剖医 / 冥い追跡 / カリギュラの犠牲
その他の作品
- 陽だまりの偽り(2005年7月 双葉社 / 2008年8月 双葉文庫)
- 収録作品:陽だまりの偽り / 淡い青のなかに / プレイヤー / 写心 / 重い扉が
- 傍聞き(2008年10月 双葉社 / 2011年9月 双葉文庫)
- 収録作品:迷走 / 傍聞き / 899 / 迷い箱
- 線の波紋(2010年9月 小学館 / 2012年11月 小学館文庫)
- 波形の声(2014年2月 徳間書店 / 2017年2月 徳間文庫)
- 収録作品:波形の声 / 宿敵 / わけありの街 / 暗闇の蚊 / 黒白の暦 / 準備室 / ハガニアの霧
- 群青のタンデム(2014年9月 角川春樹事務所 / 2016年7月 ハルキ文庫)
- 赤い刻印(2016年5月 双葉社 / 2019年3月 双葉文庫) - 表題作は『傍聞き』表題作に登場した刑事・羽角啓子が主人公
- 収録作品:赤い刻印 / 秘薬 / サンクスレター / 手に手を
- 白衣の嘘(2016年9月 KADOKAWA / 2019年1月 角川文庫)
- 収録作品:最後の良薬 / 涙の成分比 / 小医は病を医し / ステップ・バイ・ステップ / 彼岸の坂道
- 時が見下ろす町(2016年12月 祥伝社 / 2019年10月 祥伝社文庫)
- 収録作品:白い修道士 / 暗い融合 / 歪んだ走姿 / 苦い確率 / 撫子の予言 / 翳った指先 / 刃の行方 / 交点の香り
- 血縁 (2017年3月 集英社 / 2019年9月 集英社文庫)
- 収録作品:文字盤 / 苦いカクテル / オンブタイ / 血縁 / ラストストロー / 32-2 / 黄色い風船 / 小さな約束
- にらみ(2018年3月 光文社 / 2021年1月 光文社文庫)
- 収録作品:餞別 / 遺品の迷い / 実況中継 / 白秋の道標 / 雑草 / にらみ / 百万に一つの崖
- 道具箱はささやく(2018年6月 祥伝社 / 2021年9月 祥伝社文庫)
- 収録作品:声探偵 / リバーシブルな秋休み / 苦い厨房 / 風水の紅 / ヴィリプラカの微笑 / 仮面の視線 / 戦争ごっこ / 曇った観覧車 / 不義の旋律 / 意中の交差点 / 色褪せたムンテラ / 遠くて近い森 / 虚飾の闇 / レコーディング・ダイエット / 父の川 / ある冬のジョーク / 嫉妬のストラテジー / 狩人の日曜日
- 救済 SAVE(2018年11月 講談社)
- 【改題】夏の終わりの時間割(2021年7月 講談社文庫)
- 収録作品:三色の貌 / 最期の晩餐 / ガラスの向こう側 / 空目虫 / 焦げた食パン / 夏の終わりの時間割
- 119(2019年6月 文藝春秋 / 2022年3月 文春文庫)
- 収録作品:石を拾う女 / 白雲の敗北 / 反省室 / 灰色の手土産 / 山羊の童話 / 命の数字 / 救済の枷 / フェイス・コントロール / 逆縁の午後
- 緋色の残響(2020年3月 双葉社 / 2023年6月 双葉文庫) - 羽角啓子の連作短編集
- 収録作品:黒い遺品 / 翳った水槽 / 緋色の残響 / 暗い聖域 / 無色のサファイア
- つながりません スクリプター事件File(2020年6月 角川春樹事務所)
- 幕間のモノローグ(2021年2月 PHP研究所)
- 巨鳥の影(2021年7月 徳間書店)
- 収録作品:巨鳥の影 / 死んでもいい人なんて / 水無月の蟻 / 巻き添え / 鏡面の魚 / 白いコウモリ / 見えない牙 / 再生の日
- 殺人者の白い檻(2022年7月 KADOKAWA)
- 切願 自選ミステリー短編集(2023年3月 双葉文庫)
- 収録作品:小さな約束 / わけありの街 / 黄色い風船 / 苦い確率 / 迷走 / 真夏の車輪
- 球形の囁き(2023年8月 双葉社) - 羽角啓子の連作短編集
- 収録作品:緑色の暗室 / 球形の囁き / 路地裏の菜園 / 落ちた焦点 / 黄昏の筋読み
アンソロジー
「」内が長岡弘樹の作品
- ショートショートの広場5(1994年3月 講談社文庫)「言えよ」
- ザ・ベストミステリーズ 2008 推理小説年鑑(2008年7月 講談社)「傍聞き」
- 【分冊・改題】Doubt きりのない疑惑 ミステリー傑作選(2011年11月 講談社文庫)
- ザ・ベストミステリーズ 2010 推理小説年鑑(2010年7月 講談社)「波形の声」
- 【分冊・改題】BORDER 善と悪の境界 ミステリー傑作選(2013年11月 講談社文庫)
- 現場に臨め(2010年10月 光文社カッパ・ノベルス / 2014年4月 光文社文庫)「文字板」
- ベスト本格ミステリ2012(2012年6月 講談社ノベルス)「オンブタイ」
- 【改題】探偵の殺される夜 本格短編ベスト・セレクション(2016年1月 講談社文庫)
- ザ・ベストミステリーズ 2012 推理小説年鑑(2012年7月 講談社)「オンブタイ」
- 【分冊・改題】Junction 運命の分岐点 ミステリー傑作選(2015年4月 講談社文庫)
- 奇想博物館(2013年12月 光文社 / 2017年5月 光文社文庫)「親子ごっこ」
- ベスト本格ミステリ2015(2015年6月 講談社ノベルス)「最後の良薬」
- ベスト本格ミステリ2016(2016年6月 講談社ノベルス)「にらみ」
- 短篇ベストコレクション 現代の小説2016(2016年6月 徳間文庫)「涙の成分比」
- 殺意の隘路(2016年12月 光文社 / 2020年5月 光文社文庫【下】)「夏の終わりの時間割」
- 猫ミス!(2017年10月 中公文庫)「四月のジンクス」
- 自薦 THE どんでん返し3(2019年1月 双葉文庫)「ハガニアの霧」
- 短篇ベストコレクション 現代の小説2019(2019年6月 徳間文庫)「傷跡の行方」
- ザ・ベストミステリーズ 2019 推理小説年鑑(2019年6月 講談社)「緋色の残響」
- 【改題】2019 ザ・ベストミステリーズ(2022年4月 講談社文庫)
- 本格王2019(2019年7月 講談社文庫)「逆縁の午後」
- 喧騒の夜想曲(2019年12月 光文社)「巨鳥の声」
- 【分冊・改題】喧騒の夜想曲 白眉編 Vol.2(2022年6月 光文社文庫)
- 超短編! 大どんでん返し(2021年2月 小学館文庫)「最後の指導 『教場0 刑事指導官・風間公親』外伝」
- 刑事という生き方 警察小説アンソロジー(2021年3月 朝日文庫)「文字盤」
- Day to Day(2021年3月 講談社 / 2021年3月 講談社【愛蔵版】)「4/23 選考会」
- 猫はわかっている(2021年10月 文春文庫)「双胎の爪」
- 偽りの捜査線 警察小説アンソロジー(2022年6月 文春文庫)「裏庭のある交番」
- 陥穽の円舞曲(2022年11月 光文社)「0・00%の遺恨」
未単行本化作品
雑誌掲載短編
- Xデー(角川書店『野性時代』2010年10月号)
- 親子ごっこ(文藝春秋『オール讀物』2010年12月号)
- 痩せたい刑事(祥伝社『小説NON』2012年11月号)
- 黒い土 白い旗(実業之日本社『月刊ジェイ・ノベル』2013年3月号)
- 正しい誤配(角川書店『小説 野性時代』2013年5月号)
- 晴天の稲妻(KADOKAWA『小説 野性時代』2014年12月号)
- 暗いヤード(双葉社『小説推理』2017年9月号)
- 傷跡の行方(双葉社『小説推理』2018年3月号)
- 暗夜の岐路(新潮社『小説新潮』2018年9月号)
- 蜂蜜の背信(新潮社『小説新潮』2019年2月号)
- 長い指(新潮社『小説新潮』2019年9月号)
- 雨上がりの調書(祥伝社『小説NON』2019年10月号、11月号)
- 造花の賭け(祥伝社『小説NON』2019年12月号、2020年1月号)
- 冥土の絵馬(祥伝社『小説NON』2020年2月号、3月号)
- 藁の契り(祥伝社『小説NON』2020年6月号、7月号)
- 黒のハンコタンナ(祥伝社『小説NON』2020年7月号、8月号)
- 冷たい光芒(祥伝社『小説NON』2020年9月号、10月号)
- 雑草の呟き(祥伝社『小説NON』2020年11月号、12月号)
- 氷天下の再犯(祥伝社『小説NON』2021年1月号、2月号)
- 美声の迂回路(新潮社『小説新潮』2021年2月号)
- 裂けた類像(祥伝社『小説NON』2021年4月号、5月号)
- 双胎の爪(文藝春秋『オール讀物』2021年5月号)
- 土中の鈴音(祥伝社『小説NON』2021年6月号、7月号)
- 沈黙の紋理(祥伝社『小説NON』2021年8月号、9月号)
- 0・00%の遺恨(新潮社『小説新潮』2021年9月号)
- 直線の誘い(祥伝社『小説NON』2021年11月号 - 2022年1月号)
- 裏庭のある交番(文藝春秋『オール讀物』2021年12月号)
- 配偶者防衛の夜(祥伝社『小説NON』2022年2月号 - 2022年4月号)
- 瞬刻の魔(文藝春秋『オール讀物』2024年7・8月号)
連載
メディア・ミックス
テレビドラマ
ラジオドラマ
メディア出演
- ネコメンタリー 猫も、杓子も。「長岡弘樹とふくとまり」(2022年8月17日、NHK Eテレ)[9]
脚注
- ^ a b c d 『BOOKトピックス』vol.4『傍聞き』長岡弘樹氏~アイデアのもとは「なるほど!」と思うこと~
- ^ 長岡弘樹さんの「教場」が本屋大賞候補に 4月8日に発表|山形新聞
- ^ テレビ東京・BSテレ東『東大推薦日本一の山形東と、大学教授が授業を行う米沢興譲館。山形県が誇る「探究科」のスゴさに迫る! | テレビ東京・BSテレ東の読んで見て感じるメディア テレ東プラス』。https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/lifestyle/entry/2021/024561.html。2023年5月3日閲覧。
- ^ a b 会員名簿 長岡弘樹|日本推理作家協会
- ^ 教場 | 推理小説 | 文学・小説 | 書籍 | 小学館
- ^ WEBきらら from BookShop
- ^ 2008年 第61回 日本推理作家協会賞|日本推理作家協会
- ^ “長岡弘樹が小説を自らラジオドラマ化、市原隼人主演のミステリー『迷走』”. CINRA.NET. (2015年1月11日). https://www.cinra.net/news/20150111-meisou 2023年9月13日閲覧。
- ^ “「長岡弘樹とふくとまり」 - ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。 - NHK”. NHK. 2023年7月2日閲覧。
関連項目