金刀比羅神社 (京丹後市)
金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)は、京都府京丹後市峰山町にある神社。社格は府社。文化8年(1811年)峯山藩7代藩主であった京極高備の命により創建された。家内安全、商売繁昌、交通安全、開運厄除、大漁満足、海上安全、学業成就、病気平癒、安産などの神徳を有し、丹後一円から信仰を集め、地元では親しみを込めて「丹後のこんぴらさん」と呼ばれる[1]。 2017年(平成29年)4月、文化庁により、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリー「日本遺産」の「丹後ちりめん回廊」を構成する文化財のひとつに認定された[2][3]。 祭神
万物をつかさどる神であり、五穀豊穣、殖産業繁栄、疫病除け、酒造り、海難救助、国家国土と国民生活の守り神など、広大無辺な信仰を集める。大己貴神(おおなむちのかみ)、八千矛神(やちほこのかみ)、大国魂神(おおくにたまのかみ)、顕国魂神(うつしくにたまのかみ)などの御名がある。大和国一宮の大神神社の御祭神でもある[4]。 歴史通史京丹後市峰山町の金刀比羅神社は、文化8年(1811年)峯山藩7代藩主京極高備の命によって創建された。京極高備は、讃岐の金毘羅権現の霊威感応が迅速で、たびたび効験を深く感じたことにより、分霊を峯山に勧請することを望み、文化7年(1810年)3月、昌峯山増長院の僧・尊光に相談した[要出典]。金毘羅権現は日本一社として、分宮をしない掟があったが、当時の金毘羅権現別当であった金光院が、尊光と共に高野山で学んだ旧知の仲であったことや、高備の同族である多度津藩の京極家の縁もあり、分宮が認められた[要出典]。翌文化8年(1811年)2月19日に金毘羅宮で棟上式が行われ、四国へ代参していた峯山藩番頭渡辺但見俊猛によって、2月23日に御神体が当地に遷宮された。 当時の社殿は、 昭和2年(1927年)3月7日に丹後半島を襲った北丹後地震により、全壊し失われた。現在の社殿は昭和8年(1933年)に再建された[5]。
年表
境内境内には、本殿、拝殿、神門、絵馬舎、手水舎、7つの末社、11対の狛犬(うち1対は狛猫、1対は石狐)、水盤、亀の池などがある[12]。 境内社(末社)
亀の池石橋の掛かる池には多くの亀が飼われている。社務所にて50円で亀の餌が購入できる[17]。
祭礼恒例祭1957年(昭和32年)時には、丹後最大の祭りであり、3万人の人出があった[18]。 2019年(平成31年)時には、峰山よさこい連、峰山民謡同好会、こども踊り振興会の3団体から構成される「こんぴら春まつりの会」によって、地元の子どもから大人まで総勢60名が踊りを披露する初の企画が催された[19]。 例祭(10月10日)神輿が非常に大きいため、最小でも50人はいないと担ぎ上げることが出来ず、人員確保が困難であることから長年台車による巡行が行われてきた。しかし、御鎮座二百年祭より奉舁巡行(担ぎ巡行)を再開している[20]。
10月の秋祭には神輿の渡御があり、吹貫11台、本屋台10台、竹屋台、芸屋台等9台、お神楽1組がその先駆をつとめ、各屋台が祭囃子を奏でながら町を練り歩いていた。しかし1927年(昭和2年)3月の北丹後地震が原因で、屋台2基を残して焼滅した[23]。その後、神輿渡御祭は復活し、金峰神社を御旅所として峰山町内を巡行する[24]。 新嘗祭・紅葉祭(11月最終日曜日)2017年(平成29年)時には、11月26日に住民らの実行委員会と金刀比羅神社によって、新嘗祭にあわせて「こんぴらさんの紅葉祭」が同日開催された[25] 。境内では地元農産物などを販売する模擬店が立ち並び、豚汁が無料で振る舞われた。また石段のふもとでは、峰山よさこい連「はごろも」の女性15人が丹後ちりめんの衣装を身にまとい踊りを披露した[26] [27]。 御鎮座二百年記念大祭香川県の金刀比羅宮の分霊が御鎮座して200年の節目の年を祝うために2011年4月10日に行われた[28]。 創建200年の記念に「厄落としクッキー」の販売が行われた。金刀比羅神社にちなんだ狛猫に関して「狛猫ステッカー」が付けられており、好評を博した[29]。1991年(平成3年)に香川県の金比羅宮から贈られた金の祭祀道具である金幣が奉納された[28]。 平安神宮の神職が浦安の舞などを捧げた[28]。 また、1972年(昭和2年)の北丹後地震で焼失した11基の山車の「吹貫」のうち1基を新調してお披露目された[28]。 催事
こんぴら手づくり市「こんぴら手づくり市実行委員会」が主催し、2009年(平成21年)10月18日から1月2月を除く毎月1回(第3日曜日)に開催されてきた金刀比羅神社境内で行われる手づくり市で、通常は15から20の露店が並ぶ[31][32][33]。後述する第1回目のこまねこまつりでは、第70回目のこんぴら手づくり市にあわせて開催されたことにちなみ、境内には猫にちなんだ作品などを販売する露店が70店が並んだ[34][35]。以来、こまねこまつりの主要企画として、毎年まつりにあわせて大規模な出店を募っている[36]。第2回目のこまねこまつりでは80回目の手づくり市開催日であったことから80店舗の出展が予定されていたが、悪天候によるまつりの中止とともに順延となった[37]。 こんぴら手づくり市は開催回数を重ねるにつれ工夫され、雨天時には社務所や斎場を会場に室内で開催されるようになった[38]。内容は、手芸品、陶器や工芸、鞄、衣類、パン、野菜、鉢植えなど手づくりであればよいとされ[39]、ワンデイカフェやミニコンサート、占いなども行われる[38]。長く続けることを目標のひとつとして開催されている[38]。 こまねこまつり→詳細は「こまねこまつり」を参照
金刀比羅神社の末社である木島神社には、全国的に見て珍しいとされる「狛猫」がある[40]。この「狛猫」にちなんで、2016年9月18日、「第1回こまねこまつり」が京丹後市の金刀比羅神社を中心に開催された[41]。
関係のある人物
交通アクセス
周辺情報
脚注
参考文献書籍
外部リンク
|