追跡 (1962年の映画)
『追跡』(原題: Experiment in Terror)は、1962年に公開された、ブレイク・エドワーズ監督のサスペンススリラー映画である。夫婦作家であるミルドレッド・ゴードンとゴードン・ゴードンが、1961年の自身の小説 Operation Terror を原作とした脚本を書き、コロンビア ピクチャーズによって製作・配給された。グレン・フォード、リー・レミック、ステファニー・パワーズ、ロス・マーティンらが出演している[1]。 登場する「謎の殺人犯」が、観客に誰かわからないよう、犯人役のロス・マーティンのクレジットはオープニングになく、エンディングで一人だけクレジットされている。また、映画のポスターや、事前の宣伝にも、マーティンの名前は一切、表記されていなかった。 ストーリー妹と二人でサンフランシスコのツインピークスに住む、銀行出納係のケリー・シャーウッドは、突然、現れた、異常な殺人犯(その顔は、観客にもケリーにも見えない)に脅され、銀行から10万ドルを奪うよう命令された。犯人は、警察に連絡すると、ケリーと高校生の妹トビーとを殺すと脅迫する。ケリーはFBIになんとか連絡し、捜査官のジョン・リプリーらが事件を担当することになった。 また、リプリーは、FBIを訪ねてきた女性ナンシー・アシュトン(仕事はマネキンの製造、もしくは修理)から、相談をうける。ナンシーは、自分の女友達が、交際相手から犯罪に協力するよう強要されていると言った。しかし、それはナンシー自身の境遇だった。ナンシーがリプリーに詳細を話す前に、彼女は殺される。 一方、ケリーには、姿の見えない犯人から、喘息状態の不気味な声で、脅迫の電話がかかり続ける。 FBIは、レッド・リンチという男が、レイプ、偽造、犯罪暴行、武装強盗、および殺人の記録を持っていることに気づいて、犯人と特定した。 FBIは、リンチの交際相手であるリサ・スンに接触する。リサの6歳の息子は、股関節を人工のものに交換したばかりだったが、リンチは病院の費用をすべて払っていた。そのため、リサはリンチが犯罪者だと認めず、調査に協力しない。リプリーたちは、リサの息子から、リンチが虎のぬいぐるみを買ったことを聞き出す。 リンチは最終的に、ケリーに金を盗む日時を指示する。彼女が間違いなく実行するよう、妹のトビーを誘拐し、アジトにしている毛皮倉庫に監禁する。 クライマックスは、サンフランシスコ・ジャイアンツとロサンゼルス・ドジャースとのナイトゲームの後の、キャンドルスティック・パークでの追跡劇となる。試合の場面にはドン・ドライスデールなど、実在の選手たちが登場する。 リプリーたちは、スタジアムのマウンド上までリンチを追い詰め、リプリーはリンチを撃ち、彼はマウンド上で死ぬ。 キャスト
※日本語吹替は2018年7月1日にザ・シネマで再放送された。[2] 製作この映画は、サンフランシスコで撮影された。主人公ケリー・シャーウッドの家は、クラレンドン・ハイツ地区のセント・ジャーメイン通り100番地の家屋を、勤務地はワン・モントゴメリー通りのクロッカー・ナショナル・バンク(現在のウェルズ・ファーゴ銀行)を、それぞれロケ地としている。物語終盤の最高潮に繰り広げられる追跡劇は、キャンドルスティック・パークで撮影された。そのほか、近郊のロケ地として、フィッシャーマンズワーフやノース・ビーチなどが挙げられる。 上からのカットや、鏡にうつった人物など、特別な視点による撮影が多数ある。また、時刻の経過を示すための時計のアップが、毎回、違う時計で表現されている。 封切本映画は、1962年4月13日にニューヨークで封切された[3]。イギリスでの表題は The Grip of Fear であった[1]。 表彰この映画で、ロス・マーティンは、1963年のゴールデングローブ賞の助演男優賞にノミネートされたが、受賞は逃した[4]。 関連項目出典
外部リンク
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