豊鹿嶋神社(とよかしまじんじゃ)とは、東京都東大和市芋窪にある神社。祭神は武御加豆智命[1]。本殿は室町時代の1466年(文正元年)建立であり、現存する東京都最古の神社建築である[1]。
歴史
社伝によれば、707年(慶雲4年)、武蔵国に来た鬼神を常陸峯に鎮めて、天智天皇の第四の姫宮と蘇我山田石川麿が建立したことに始まる[2]。以来、芋窪地域の鎮守として住民により守られてきた[1]。
江戸時代には13石の社領を与えられていた[3]。
1993年(平成5年)に行われた拝殿の大改修において、『新編武蔵風土記稿』に記載されていた通り、文正元年10月3日の棟札が発見され、創建年が実証された。また、この改修で計5枚の棟札が発見され、改修前の拝殿は1858年(安政5年)に完成したことが確認された[2]。
文化財
- 東京都指定有形文化財(建造物)
- 豊鹿島神社本殿 1棟 附・棟札 1枚 - 1964年(昭和39年)11月21日に都重宝として指定、1976年(昭和51年)7月1日に種別変更[5]
- 一間社流造の本殿でこけら葺箱棟付、桁行(間口)は170.7cm、身舎の梁間(奥行)は152.4cm、向拝の梁間は140.4cmである[5]。現状は外気や風雨から保護するための覆殿の中にあり、外から観察することはできない[1]。建築年代について、かつては本殿内に保管されていた棟札にあった年紀通りに1550年(天文19年)とされてきたが、1992年(平成4年)から2年に及ぶ解体修理の際、大工二郎三郎近吉が1466年(文正元年)に建立した旨を記した棟札が新たに発見され、また、古くは厚板葺の屋根であったことも分かった[5]。
- 東大和市指定文化財(市重宝)
- 豊鹿島神社本殿の木製狛犬 - 1983年(昭和58年)3月1日指定[6]
- 木製、本殿と同時期に作られた可能性が高いとされる[6]。
- 豊鹿島神社の獅子頭 - 1983年(昭和58年)3月1日指定[6]
- 江戸時代後期の作か、かつて奉納されていた獅子舞に用いられたとみられる[6]。
脚注
参考文献
関連項目