裂頭条虫症

裂頭条虫症(れっとうじょうちゅうしょう、英:Diphyllobothriasis)とはマンソン裂頭条虫Spirometra erinacereuropaei)あるいは日本海裂頭条虫Diphyllobothrium nihonkaiense)寄生を原因とする寄生虫病。少数寄生では無症状であるが、多数寄生では慢性的下痢、消化障害、栄養不良、異食症などの症状を示す。人体寄生例ではマンソン裂頭条虫のプレロセルコイド頭蓋内、脊髄心嚢内、眼瞼などに寄生し、周辺組織の圧迫、壊死により重篤な障害を与えることがある(マンソン裂頭条虫幼虫症)。糞便材料よりMGL法AMS法などの沈澱虫卵法によって虫卵を検出することにより診断する。治療には成虫に対してはプラジカンテル塩酸ブナミジンシクロロフェンが有効であるが、プレロセルコイドに対しては有効な薬剤はなく、外科的に摘出を行う。予防は第二中間宿主待機宿主の生食を避けることである。

治療

  • 日本海裂頭条虫症においては、プラジカンテルの単回経口投与(5-10 mg/kg)が行われ、良好な治療成績が得られている[1]。プラジカンテル投与後に緩下剤を投与すると、虫体の回収が容易になり、頭節の残存が確認しやすい。

脚注

  1. ^ Ohnishi K, et al : Intern Med. 2003; 42(1): 41-43.

参考文献