この項目では、アメリカのポピュラーソングについて説明しています。その他の用法については「蜜の味 (曖昧さ回避) 」をご覧ください。
「蜜の味 」(みつのあじ、A Taste of Honey )もしくは「ア・テイスト・オブ・ハニー 」は、ボビー・スコット (英語版 ) とリック・マーロウ (英語版 ) によって書かれたポップ・スタンダード である。元々は、1958年にイギリスで上演された演劇『蜜の味 (英語版 ) 』の1960年ブロードウェイ版のために書かれたインストゥルメンタル の楽曲であった。オリジナル版と、1965年に発売されたハーブ・アルパート によるカバー・バージョンで、グラミー賞 を4度受賞している。1961年にビリー・ディー・ウィリアムス (英語版 ) によるボーカルが含まれたカバー・バージョンが発売され、以降レニー・ウェルチ (英語版 ) やビートルズ によってカバーされた。
インストゥルメンタル・バージョン
「蜜の味」のオリジナル・バージョンにあたる「A Taste of Honey 」と「A Taste of Honey (closing theme) 」は、1960年10月20日にアトランティック・レコード から発売されたスコットの同名のアルバムに収録された[ 1] 。本作は、第5回グラミー賞で最優秀インストゥルメンタル・テーマ曲賞を受賞した[ 2] 。
本作のインストゥルメンタル・バージョンには、この他に以下のようなものがある。
ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスによるカバー
1965年にハーブ・アルパート は、本作のインストゥルメンタル・バージョンのレコーディングをザ・ティファナ・ブラスと共に行なった。ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスによるカバー・バージョンは、1965年に発売されたアルバム『ホイップド・クリーム&アザー・ディライツ 』に収録[ 4] 。また、シングル盤としても発売され、B面には「第三者の男 (英語版 ) 」が収録された。
ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスによるカバー・バージョンは、Billboard Hot 100 で最高位7位[ 5] 、イージーリスニング・チャートで第1位を獲得した。第8回グラミー賞では最優秀レコード賞を受賞した[ 7] 。
チャート成績
その他のアーティストによるカバー(インストゥルメンタル版)
ボーカル・バージョン
ビートルズによるカバー
ビートルズ は、1962年に発表されたレニー・ウェルチ (英語版 ) によるカバー・バージョンの歌詞をわずかに変えてライブで演奏していた。ハンブルクやリヴァプールでの公演では、ロックを好まない観客からの要望により、バラードやスタンダード・ナンバーを複数演奏をしていた。マッカートニーは、エルヴィス・プレスリー 登場前のポップ・ミュージック に傾倒していて、バンドのデモンストレーションを行なうのはマッカートニーの役割であった。しかし、ビートルズの他のメンバーは本作を気に入っておらず、特にジョン・レノン はライブでの演奏時にコーラスを「A Waste Of Money (金の無駄遣い)」と変えていた[ 20] 。
ビートルズは、1963年2月11日にEMIレコーディング・スタジオ のスタジオ2で「蜜の味」を7テイクで録音した。このカバー・バージョンは、1963年3月22日にパーロフォン から発売された1作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバムアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー 』のB面5曲目に収録された。アメリカでは、1964年1月10日にヴィージェイ・レコード から発売されたアルバム『Introducing... the Beatles 』に収録された後、1965年3月22日にキャピトル・レコード から発売されたアルバム『ジ・アーリー・ビートルズ 』に収録された。
『Here We Go』、『Side by Side』、『Easy Beat』などBBCラジオ の番組で7回に渡って演奏されており、1994年に発売された『ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC 』には、1963年7月23日に放送された『Pop Go The Beatles』での演奏が収録されている[ 26] 。また、マッカートニーは1967年に舞台の脚本から引用した台詞を基に、「ユア・マザー・シュッド・ノウ 」を書いている。
クレジット
※出典
その他のアーティストによるカバー(ボーカル版)
脚注
出典
^ A Taste of Honey - Bobby Scott | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2021年7月29日 閲覧。
^ “5th Annual GRAMMY Awards | 1962 GRAMMYs ”. GRAMMY.com . Recording Academy. 2021年7月29日 閲覧。
^ Planer, Lindsay. Whipped Cream and Other Delights - Herb Alpert & the Tijuana Brass, Herb Alpert | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2021年7月29日 閲覧。
^ a b “The Hot 100 Chart ”. Billboard . 2021年7月29日 閲覧。
^ “8th Annual GRAMMY Awards | 1965 GRAMMYs ”. GRAMMY.com . Recording Academy. 2021年7月29日 閲覧。
^ "Ultratop.be – Herb Alpert's Tijuana Brass – Taste Of Honey" (in Dutch). Ultratop 50 . 2021年7月29日 閲覧。
^ "Ultratop.be – Herb Alpert's Tijuana Brass – Taste Of Honey" (in French). Ultratop 50 . 2021年7月29日 閲覧。
^ "Dutchcharts.nl – Herb Alpert's Tijuana Brass – Taste Of Honey" (in Dutch). Single Top 100 . 2021年7月29日 閲覧。
^ “Offizielle Deutsche Charts - Herb Alpert's Tijuana Brass – Taste Of Honey ”. Offizielle Deutsche Charts . 2021年7月29日 閲覧。
^ “Billboard Music Week” . Billboard : 1. (7 July 1962). ISSN 0006-2510 . https://books.google.co.jp/books?id=khcEAAAAMBAJ&pg=PP1&dq=eddie+cano+a+taste+of+honey&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwj405LH0YfyAhUhL6YKHbzVD1gQ6AEwAXoECAMQAg#v=onepage&q=eddie%20cano%20a%20taste%20of%20honey&f=false .
^ “Official Singles Chart Top 50 ”. UK Singles Chart (1963年2月20日). 2021年7月29日 閲覧。
^ Ginell, Richard S.. Glad to Be Unhappy - Paul Desmond | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2021年7月29日 閲覧。
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^ A Taste of Brass for Lovers Only - Jackie Gleason | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2021年7月29日 閲覧。
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参考文献
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外部リンク