聖大ワシリイ聖体礼儀聖大ワシリイ聖体礼儀(せいだい - せいたいれいぎ、ギリシア語: Θεία Λειτουργία του Μεγάλου Βασιλείου, ロシア語: Литургия Василия Великого, 英語: The Divine Liturgy of Saint Basil)は、正教会における聖体礼儀の種類のひとつ。聖大ワシリイの聖体礼儀・大ワシリイの聖体礼儀・大ワシリイ聖体礼儀等とも表記される。 4世紀のキリスト教の聖人、ケサリヤの大主教聖大ワシリイ(ギリシア語: Βασίλειος Καισαρείας:ヴァシリオス・ケサリアス[1])によって編纂されたとされる聖体礼儀であるためにこの名がある。 一般に見受けられる『大バシレイオスの典礼』といった表記は誤訳である[2](後述)。 概要→詳細は「聖体礼儀」を参照
聖大ワシリイ聖体礼儀は、年間10回のみに行われる回数が限定される聖体礼儀の種別である。聖大ワシリイ聖体礼儀を特に行うように指定されたこの10回を除いた、聖体礼儀を行う事が出来る日には、聖金口イオアン聖体礼儀を行う。 奉献礼儀(物品の準備)・啓蒙礼儀(心神の準備)・信者の聖体礼儀(機密執行と領聖)の三部から成るという基本的な構造の骨格は聖金口イオアン聖体礼儀と変わらないが、細かい違いは存在する。 行われる日以下の日に、聖大ワシリイ聖体礼儀を行うよう定められている(年間10回[3]。
聖金口イオアン聖体礼儀との違い→「聖金口イオアン聖体礼儀」も参照
語義・よくみられる誤訳:よくみられる誤訳:「大バシレイオスの典礼」「ミサ」英語の"Liturgy"には「奉神礼」(「典礼」に相当する正教会の訳語)・「礼拝」の意味がある事から、正教会の聖大ワシリイ聖体礼儀(The Divine Liturgy_of_Saint_Basil)のことを「大バシレイオスの典礼」等と訳出するケースが一般に散見されるが、これらは誤訳である。 たしかに、正教会においても"Liturgy"(英語)は、狭義では「聖体礼儀」の語義がある一方で、広義には「奉神礼」という語義がある。 しかし英語の"Divine Liturgy"は正教会にあってはこれ以上の修飾語を伴わずとも聖体礼儀を指す語である。また、各国語で"του Μεγάλου Βασιλείου"(ギリシャ語)・"Василия Великого"(ロシア語)・"of Saint Basil"(英語)という修飾語がついている場合、聖大ワシリイの名の修飾を伴う奉神礼は他に存在しない以上、"Liturgy"に聖体礼儀以外の意味は有り得ない。 つまり「大バシレイオスの典礼」との訳については
という、二重の誤りが存在する。 なお、聖体礼儀を「正教会のミサ」と呼ぶケースも稀にみられるが、正教会の聖体礼儀をミサと呼ぶ事は英語圏でも少数例にとどまり、世界各国の多くの正教会で「ミサ」と呼ぶ事は無いか極めて稀である。 脚注
参考文献
関連項目外部リンク
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