糸屋鎌吉

糸屋 鎌吉(いとや けんきち、1911年4月8日9 - 2003年7月27日)は、詩人、同人詩誌「青衣」主宰。本名は西塚俊一。

人物

青森県八戸市出身。日本大学芸術科卒業。戦後詩作を始める。昭和30年(1955年)、同人詩誌「青衣(せいい)」を創刊。昭和61年(1986年)、詩集『尺骨』(芸立出版、1986年)で晩翠賞を受賞。日本現代詩人会会員。

昭和26年(1951年)、東京交響楽団に事務主事として入職。

また、中河与一に師事し、中河が主宰する文藝同人誌「ラマンチャ」(1951年創刊)に発行人として参加[1]。また、林富士馬西垣脩と、詩雑誌『三角帽子』を刊行。

昭和52年(1977年)には日本ポーランド協会創立に携わり、昭和58年(1983年)、音楽文化交流の功績によりポーランド政府から文化功労章金章が贈られた。日本ショパン協会常務理事、副会長を歴任。日本シマノフスキ協会理事。

平成15年(2003年)肺炎のために東京都世田谷区の病院で死去、享年92。

作品

  • 昭和24年(1949年)詩集「水」
  • 昭和34年(1959年)詩集「首の蔭」
  • 昭和39年(1964年)詩集「パラダイス」
  • 昭和49年(1974年)詩集「嘘の木」
  • 昭和53年(1978年)詩集「秘篇」
  • 昭和55年(1980年)「糸屋鎌吉短編集」詩学社
  • 昭和61年(1986年)詩集「尺骨」(土井晩翠賞受賞)
  • 平成3年(1991年)詩集「舟底・雪」春秋社
  • 平成6年(1994年)日本現代詩文庫86「糸屋鎌吉詩集」土曜美術社
  • 平成7年(1995年)詩集「烏兎」春秋社
  • 平成12年(2000年)詩集「此方」春秋社
  • 平成19年(2007年)詩集「昼月」春秋社(未発表分を糸屋没後遺族が発刊)

同人詩誌「青衣」

  • 概要
    • 昭和30年(1955年)創刊
    • 発行所:青衣社
    • 発行人:糸屋鎌吉 - 編集人:西垣脩
    • 同人:秋田大三郎、伊勢山峻、上平紗恵子、高橋渡、比留間一成。のちに江良亜来子、河合智恵子、芝高淳、西垣直子、表孝子、井上喜美子、布川鴇が参加。この間に片村至雄、三井葉子山下千江も同人として参加。
  • 現在(平成22年(2010年)現在)
    • 第132号まで発行
    • 発行人:比留間一成 - 編集代表:伊勢山峻

そのほか

  • 「日本歌曲集5」全音楽譜出版社出版部編(全音楽譜出版社、1991年)に糸屋作詞の楽曲が三曲収められている。作曲は岡島雅興
    • 天国幻想(糸屋鎌吉に依る三つの詩より)
    • 羽衣(糸屋鎌吉に依る三つの詩より)
    • 冬の温泉場(糸屋鎌吉に依る三つの詩より)
  • 「高田三郎歌曲集」音楽の友社
    • ラッパ「三つの素描」
    • 泥柳「三つの素描」
    • ジン「三つの素描」
  • 湯山昭「合唱賛歌」カワイ出版
    • 歌とタオルと愛と

脚注

  1. ^ 大森光章『たそがれの挽歌』菁柿堂、P.97