第66回菊花賞(だい66かいきっかしょう)は、2005年10月23日に京都競馬場で施行された競馬競走である。ディープインパクトが皐月賞、東京優駿(日本ダービー)に続き優勝し、無敗でクラシック三冠を達成した。
レース施行時の状況
同年の牡馬クラシックはディープインパクトが皐月賞、東京優駿(日本ダービー)に無敗で優勝した。そして同馬は菊花賞まで無敗を保ち、無敗のクラシック三冠が達成されるかが注目されていた。同馬はトライアル競走である神戸新聞杯を快勝し、三冠への期待が大きく高まったことで単勝1.0倍の圧倒的1番人気に支持された。
同馬の対抗馬には東京優駿3着の後、神戸新聞杯2着のシックスセンス、神戸新聞杯3着のローゼンクロイツ、東京優駿4着のアドマイヤフジなどが挙げられたが、2番人気のシックスセンスでも単勝20倍が限界であり、ディープインパクトの人気は絶大なものであった。
また、東京優駿において2着に入ったインティライミは有力候補として注目されていたが、故障(裂蹄)を発症し、菊花賞出走を断念した。
トライアルの結果
- 第53回神戸新聞杯
着順 |
競走馬名 |
性齢 |
騎手 |
タイム |
着差
|
1 |
ディープインパクト |
牡3 |
武豊 |
1.58.4 |
|
2 |
シックスセンス |
牡3 |
上村洋行 |
1.58.8 |
2馬身1/2
|
3 |
ローゼンクロイツ |
牡3 |
安藤勝己 |
1.58.9 |
3/4馬身
|
- 第59回セントライト記念
着順 |
競走馬名 |
性齢 |
騎手 |
タイム |
着差
|
1 |
キングストレイル |
牡3 |
北村宏司 |
2.11.8 |
|
2 |
フサイチアウステル |
牡3 |
安藤勝己 |
2.11.8 |
クビ
|
3 |
ピサノパテック |
牡3 |
田中勝春 |
2.11.9 |
1/2馬身
|
出走馬と枠順
インティライミが故障で回避、キングストレイル、ストーミーカフェが天皇賞(秋)へ出走し、更に、例年では多く出走する条件馬も出走を避けた事もあり、クラシック競走である菊花賞は4年ぶりにフルゲートを割り、16頭立てで行われるという状況となった。
レース展開
ディープインパクトはこれまでに無い好スタートを切るが、1周目の坂からかかり始めた。直線で内へ入ると落ち着き、ローゼンクロイツ、シックスセンス、アドマイヤフジらがいる中団付近に位置した。一方、前はシャドウゲイトとアドマイヤジャパンが先行集団を大きく引き離して逃げた。そして、最終コーナーから直線に向く辺りでアドマイヤジャパンが先頭に立ったが、ディープインパクトはまだ動かず、残り400mを切った所から追い込むと、道中では10馬身以上も差があったアドマイヤジャパンを一気に差し切り、2馬身の差をつけて優勝した。また、勝利したディープインパクトの上がり3ハロンのタイムである33.3秒は全出走馬の中でも突出していた(2番目に早いのがシックスセンスの34.2秒)。
レース結果
全着順
着順 |
枠番 |
馬番 |
競走馬名 |
タイム |
着差
|
1 |
4 |
7 |
ディープインパクト |
3.04.6 |
|
2 |
3 |
6 |
アドマイヤジャパン |
3.04.9 |
2馬身
|
3 |
2 |
4 |
ローゼンクロイツ |
3.05.6 |
4馬身
|
4 |
6 |
11 |
シックスセンス |
3.05.7 |
1/2馬身
|
5 |
7 |
14 |
フサイチアウステル |
3.06.0 |
2馬身
|
6 |
3 |
5 |
アドマイヤフジ |
3.06.9 |
5馬身
|
7 |
1 |
1 |
コンラッド |
3.07.3 |
2馬身1/2
|
8 |
8 |
15 |
マルブツライト |
3.07.3 |
ハナ
|
9 |
5 |
9 |
エイシンサリヴァン |
3.07.4 |
3/4馬身
|
10 |
2 |
3 |
ミツワハイスカイ |
3.07.5 |
クビ
|
11 |
6 |
12 |
ピサノパテック |
3.07.7 |
1馬身1/2
|
12 |
1 |
2 |
ヤマトスプリンター |
3.07.8 |
1/2馬身
|
13 |
8 |
16 |
マルカジーク |
3.08.6 |
5馬身
|
14 |
7 |
13 |
ディーエスハリアー |
3.09.2 |
3馬身1/2
|
15 |
4 |
8 |
シャドウゲイト |
3.09.6 |
2馬身1/2
|
16 |
5 |
10 |
レットバトラー |
3.09.8 |
1馬身
|
データ
1000m通過タイム |
60.9秒
|
2000m通過タイム |
2分4秒3
|
上がり4ハロン |
47.8秒
|
上がり3ハロン |
35.7秒
|
優勝馬上がり3ハロン |
33.3秒
|
払戻金
単勝式 |
7 |
100円
|
複勝式 |
7 |
100円
|
6 |
400円
|
4 |
190円
|
枠連 |
3-4 |
410円
|
馬連 |
6-7 |
1290円
|
ワイド |
6-7 |
620円
|
4-7 |
230円
|
4-6 |
1720円
|
馬単 |
7-6 |
1320円
|
3連複 |
4-6-7 |
2730円
|
3連単 |
7-6-4 |
7090円
|
達成された記録
レースにまつわるエピソード
- ディープインパクトはスタート直後に鞍上の武豊との折り合いを欠き、仕方なく武豊は強引に馬込みの中にディープインパクトを入れ、敢えて行き場を無くした。しかし、この行為は前の馬に急接近する可能性もあり、危険な策ではあったが、武豊は「外に出すと本当にディープインパクトが前に行くかもしれないので、半分賭けでインにいれた」と語っている。また、ディープインパクトが折り合いを欠いた原因は、いつも3コーナーから4コーナーにかけてスパートをかけることを覚えているために、1周目のゴール板を正規のゴールと勘違いしてしまったからだと武豊は証言している。
- ディープインパクトはパドックから本馬場に向かう際、興奮しないように他の馬と一緒に行くことを避け、最後に馬場入りした。
- 当日のFNS系列の競馬中継も超豪華に放送され、本来ならば放映権、制作を担当する西の関西テレビの競馬中継番組のドリーム競馬に加えて、東のフジテレビの競馬中継番組のスーパー競馬が制作に名乗りを挙げ、その結果夢のコラボレーションが実現。スーパードリーム競馬・第66回菊花賞実況中継として放送された(ドリーム競馬の司会宮川一郎太とスーパー競馬の司会福原直英が親しい友人関係であり2人の発案から決まった。)。スタジオは第1コーナーの付近の建物の屋上にてオープン型に設定。司会は宮川一朗太と福原直英アナウンサーが務め、解説には杉本清、井崎脩五郎、岡部幸雄が、リポーターには水野麗奈と若槻千夏が務めた。実況アナは馬場鉄志が担当し、ゴール前に発言した『世界のホースマンよ見てくれ! これが日本近代競馬の結晶だ!』は同年のFNSアナウンス大賞を受賞した。
- 騎乗した武豊はレース後、表彰式での勝利騎手インタビューで「三冠の重圧は相当なものだったでしょう」とねぎらわれると、「いやもう、今日負けちゃったら向こう正面から帰ろうと思ってました」と返して場内を沸かせた。
テレビ・ラジオ実況
脚注
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1930年代 | |
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1940年代 | |
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1950年代 | |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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