第2外人落下傘連隊
第2外人落下傘連隊(だいにがいじんらっかさんれんたい、2e régiment étranger de parachutistes:2e REP)は、オート=コルス県カルヴィに駐屯する、第11落下傘旅団隷下のフランス陸軍の空挺連隊である。書籍によっては、第2外人パラシュート連隊或いは第2外人空挺連隊とも表記される。 兵種は歩兵、伝統的区分は外人部隊である。 概要第2外人落下傘連隊は、フランス外人部隊で唯一の空挺部隊である。外人部隊の中では精鋭中の精鋭として位置づけをされている。連隊内に編成されている潜入情報行動コマンドーグループ(GCP)という少数の特殊部隊が存在する。隊員全員が空挺技術とヘリボーン技術を有しており、市街地戦、山岳・寒冷地戦、潜水、上陸戦、爆破、狙撃等、砂漠戦、それぞれの専門分野を持つ戦闘中隊と整備中隊、本部管理中隊など含め、合計9個中隊で構成される。第6中隊は予備役部隊として常設部隊ではない。 歴史1948年7月から1949年11月に掛けて、第一次インドシナ戦争で奇襲部隊を提供するために、3個の落下傘大隊が編制された。しかし、現地ゲリラとの戦いで、第1落下傘大隊(1er BEP)は全滅するなど、大きな損害を受けた(1er BEPは1950年に再編制された)。その後、第1落下傘大隊と第2落下傘大隊は、1954年に第一次インドシナ戦争のディエンビエンフーの戦いに参加し、1953年11月20日、空挺降下でディエンビエンフー(現ベトナム北部)に潜入、占領した。この作戦に参加した約15000名のフランス兵のうち、10分の1の約1500名が外人部隊の隊員であった。その後、ベトミンの猛攻撃で大きな損害を被ったフランス軍守備部隊は、1954年5月7日に降伏する。 インドネシア戦争の後、第1、第2の落下傘大隊は再編制され、連隊規模に増強される。両連隊は、1955年にアルジェリアに派遣された(アルジェリア戦争)。1961年4月に第1連隊は、シャルル・ド・ゴール大統領の退陣を狙った将軍達の反乱に参加する。この反乱はすぐに鎮圧され、第1落下傘連隊は咎を受け解隊された。 第2外人落下傘連隊は1961年に大幅な再編成をうける。1962年12月10日、連隊は外人部隊総監ルフォール将軍(以前に連隊長に上番していた)から近代化構想を下達され、各中隊に専門特技を付与し即応部隊に生まれ変わるべく、カイヤール中佐の指揮の下で軽介入師団に編入、その後に第11落下傘師団(現在は第11落下傘旅団)の隷下となる。1970年代には、チャドにおける対ゲリラ戦を実行し、1976年にはジブチ・ソマリア国境でのハイジャックされたバスから28人の子供を救出する作戦へ参加し、1978年にコンゴで分離主義者の反乱軍から、約2000名の欧州人を救出する作戦にも従事した。現在も、世界各地で平和維持活動などに努めている。 2010年1月から7月までアフガニスタン北東部ウズビン地区及びカピサ州においてISAF(国際治安支援部隊)のフランス陸軍タスクフォースALTORとしてタリバン掃討作戦に参加。米軍特殊部隊や仏軍特殊部隊、ルーマニア軍特殊部隊による強襲作戦のための作戦地域の包囲、安全化などの支援任務などにも参加 。6か月の派遣期間中、大隊で合計すると100回以上の戦闘となった。2011年にはコートジボワール大統領選挙後の混乱に対して、ガボンに派遣されていた第4中隊が緊急展開し、激しい市街地戦となった。また7月には第2中隊が2回目のアフガニスタン派遣となり、カピサ州の作戦において激しい市街地戦を展開し、多くの死傷者を出した。その結果、すべての作戦を中断し、予定より早く派遣を打ち切り撤退となった。2012年には連隊本部付中隊(CCL)を中核とした将校及び下士官十数名がOMLT(軍事訓練教官チーム)としてアフガニスタン東北部カピサ州にANA(アフガン国軍)の訓練教官要員として派遣された。 駐屯地内にある戦没者慰霊碑には1,300余名の氏名が刻まれている。 沿革・主な参加作戦
最新の部隊編成
定員
訓練課程隊員は全員、第4外人連隊での約4ヶ月間に及ぶ基訓練課程修了後、第2外人落下傘連隊の空挺教育隊にて約3週間の基本降下課程を受け、最低6回の降下を行う。初降下は非武装単独降下、2回目は非武装の連続降下で空中で予備傘を実際に開傘させる、4回目以降から武装降下となる。教育終了後、空挺記章授与式があり、その後各中隊に配属される。各中隊に配属されると歩兵科軽火器課程を修了し、各中隊ごとの中隊専門教育を受け、そして戦闘専門課程(選抜射手課程、ミラン対戦車ミサイル課程、81mm迫撃砲課程など)と戦闘以外の専門技能(医療衛生、車両整備、通信など)の教育課程を受け、さらにジブチやガボン、ニューカレドニアなどの海外派遣を通じて砂漠戦やジャングル戦の3週間のコマンドー課程を受ける事が出来る。 主要装備拳銃アサルトライフル狙撃銃
機関銃擲弾迫撃砲対戦車兵器
車両関連項目 |