白井屋ホテル(しろいやホテル)は、群馬県前橋市のホテル。アート・デスティネーション[1]。
歴史
前身の白井屋旅館は300年の歴史を持つ老舗旅館で、旧宮内庁御用達であり、乃木希典や森鴎外ら著名人に愛されたが、2008年に廃業した。市外のマンション業者に跡地が売り出され街の景観などに影響が出ることを危惧した『一般社団法人 前橋まちなかエージェンシー』代表理事や『アーツ前橋』館長らの相談を受けた田中仁[2]の財団が、前橋市の町おこしを兼ねてこの旅館を再生させるプロジェクトを立ち上げ[3]、建築家の藤本壮介、芸術家のレアンドロ・エルリッヒ、プロダクトデザイナーのジャスパー・モリソンらが「ほぼボランティアで[4]」参加した[5]。エルリッヒが参加したのは、藤本の建築のファンだったからだという[6]。
2020年12月、開業。
2021年7月、新型コロナウィルスに対応する医療従事者を応援する割引プランの取り扱いを開始[7]。
2021年、米国のインテリア雑誌『AD(アーキテクチュラル・ダイジェスト)』の「2021 AD Great Design Hotel Award」を受賞[8]。
同年、ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー誌の「National Geographic Traveller Hotel Awards 2021」にベストデザインホテル部門で入選[9]。
2021年9月にブルーボトルコーヒーのカフェがホテル内に出店された。大都市以外では初の出店であった[10]。上毛新聞は開店日に百人の行列ができたと報じた[11]。このカフェの設計をしたのは芦沢啓治である[12]。
2021年10月、ドバイを拠点とするGolden Tree Events Managing & Organisingが主催するInternational Travel Awardの「The Best New Hotel in Japan 2021」を受賞[13]。
2023年3月、藤本壮介、橋本麻里らを執筆陣に迎えた書籍『Shiroiya Hotel Giving Anew』英語版が刊行された[14]。
上記以外の参加アーティスト
参考文献
- 前橋市にルーツを持つ櫻井翔が白井屋ホテルを訪れる企画『櫻井翔のケンチクを学ぶ旅』が掲載されている。[21]
関連項目
- 田中仁が創業したアイウェア会社
- ビジネス雑誌『フォーブス・ジャパン』2022年五月号に日本の企業家のフィランソロピーの一具体例として取り上げられた。
- 外部リンク「ONE STORY」参照のこと。
- 当該ホテルがその一環である地域活性化プロジェクトのヴィジョンをキャッチコピー化した、前橋市出身のコピーライター。そのコピーは「めぶく。」である。「白井屋ホテルは、老舗旅館を改築している最中には浮いた存在と嘲笑する人もいただろうが、だからこそランドマークになった。ホテルであるがゆえに、さらに街にゲストを呼ぶ起点になるであろう」と、上毛新聞のインタビューに答えて言った[22]。外部リンク「ONE STORY」も参照のこと。
- 東京芸大准教授(スペキュラティブデザイン専攻)。前橋新聞mebuku創刊3号インタビュー記事の写真を当ホテルで撮影した。その記事によると、工事中の当館にも訪れ、完成後はアートのある部屋に宿泊したこともあるという。元の建物の床をいくつも抜いたことで現れた柱梁を唯一無二の景観だと絶賛した。また、コンクリートの壁面が多く、アート作品と相性が良いところも評価した[23]。
- 当該ホテルを取り上げた漫画『おひとりさまホテル』(原案・まろ)の作画担当[24]。
- すべての客室に、このカルタが置かれているという[16]。
脚注
注釈
出典
外部リンク
- このホテルをめぐる、情報学者兼メディアアーティスト落合陽一と田中仁と宮田裕章(慶応義塾大学医学部教授)の鼎談
- 俳優の森山未來と投資家の小池藍と田中との鼎談
- 実業家の遠山正道と美術ジャーナリストの鈴木芳雄が当該ホテルを訪れて対談した。田中仁との鼎談も併録されている。