異国物語異国物語(いこくものがたり)は、日本の仮名草子。万治元年(1658年)、野田庄右衛門によって出版された。また、奈良絵本として製作された肉筆の絵本(制作年不詳)も確認されている。 概要内容は、類書『三才図会』の12巻から14巻にかけて「人物」の部などに収められている異国人物たちをひとつひとつ描いたものである。それぞれの異国人物を1コマずつ描き(『三才図会』には描かれていない背景景色を含む。また『三才図会』の他に、明で出版されていた「日用類書」と分類される書籍に収められている「諸夷門」の項目に描かれている異国人物が参考されているという研究が2000年代以後、進められている[1])、国名とその解説を添えていく形式をとっている。 日本を含め、実際に存在すると認識されていた国や地域が描かれているが、長脚国や穿胸国など、実在しない伝説上の異国もまったく同様の形式で描かれている。 奈良絵本として製作された肉筆絵本は、スミス=ルスフェル・コレクションのひとつで現在はフランス国立図書館に所蔵されている。外題は「唐物語」(からものがたり)[2]と記されているが内題に「異国物語」と明確に記され、また本文も仮名草子版とほぼ同文であることから、同館でも『異国物語』という呼称を用いている。吉田幸一は書かれている文字の書体が御家流(おいえりゅう)であることから慶安ころ(1648年~1651年)ではないかとも推測している。しかし、資料上には制作年代は示されておらず奈良絵本と仮名草子の前後関係や参考関係ははっきりしていない[3]。 脚注参考文献関連項目本書に登場する伝説上の異国人物など。 外部リンク
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