画筆(がひつ、英: Paintbrush)は、絵画を描くのに用いる筆。油彩画筆・水彩画筆・日本画筆などに分類される。絵筆(えふで)ともいう。
概要
フィルバート(平)、フラット(平)、ラウンド(丸)、ファン(扇)などの形状がある。原毛は天然毛(獣毛)と合成毛(合成繊維)に分けられる。硬さによって、剛毛と柔毛・和毛(にこげ)に分けることも可能である。筆は同じ形状でも毛質によって描き味が異なる。
油絵具は、ふつう剛毛筆を用い面的に塗布する[1]ので、平型、特にフィルバートが好まれる。剛毛筆を用いるのは絵具に粘りがあるからであるが、繊細な描写にはイタチ毛などの柔毛筆の腰のあるものが好まれる。
他方、水彩絵具では絵具の操作に大きな力を要さないので、極めて柔らかく繊細なリス毛が重宝されている。リス毛とは反対に弾力のあるイタチ毛は、緻密な表現が容易であるため好まれている。一部はコリンスキーと呼ばれ区別され、極めて高価である。
原毛に採用される主な動物
その他の原毛
脚注
- ^ 『絵画技術体系』 マックス・デルナー 著 ハンス・ゲルト・ミュラー 著(改訂) 佐藤一郎 訳 美術出版社 1980.10 ASIN: B000J840KE
参考文献
- 『油彩画の技術 増補・アクリル画とビニル画 』 グザヴィエ・ド・ラングレ 著 黒江 光彦 訳 美術出版社 1974.01 ISBN 4568300304 ISBN 978-4568300307
- 『絵画技術体系』 マックス・デルナー 著 ハンス・ゲルト・ミュラー 著(改訂) 佐藤一郎 訳 美術出版社 1980.10 ASIN: B000J840KE
- 『絵画技術入門―テンペラ絵具と油絵具による混合技法 (新技法シリーズ) 』 佐藤 一郎 著 美術出版社 1988.11 ISBN 4568321468 ISBN 978-4568321463
- 『絵画技術全書』 クルト・ヴェールテ(Kurt Wehlte) 著 ゲルマール・ヴェールテ(Germar Wehlte) 著 佐藤一郎 監修翻訳 戸川英夫 訳 真鍋 千絵 訳 美術出版社 1993.03 ISBN 4568300460
- 『カラー版 絵画表現のしくみ―技法と画材の小百科』森田 恒之監修 森田 恒之ほか執筆 美術出版社 2000.3 ISBN 4568300533
- 「da Vinci Watercolour brushes made from natural hair」da Vinci Künstlerpinselfabrik DEFET GmbH 2002年12月
- 『2006 ARTISTS' MATERIALS』 株式会社 名村大成堂 2006年1月
関連項目
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