田邊 剛(たなべ ごう、1975年[1] - )は、日本の漫画家[1]。東京都生まれ[1]。
2024年より『月刊コミックビーム』(KADOKAWA)にて『ラヴクラフトの幻影』を連載している[2]。
来歴
2001年に『砂吉』でアフタヌーン四季賞審査員特別賞、2002年にマクシム・ゴーリキー原作『二十六人の男と一人の少女』で第4回エンターブレインえんため大賞佳作をそれぞれ受賞[3]。
2004年に『アウトサイダー』を手がけて以降、継続的にH.P.ラヴクラフト作品のコミカライズに取り組む[1]。『ラヴクラフト傑作集』と題された当シリーズはKADOKAWAの『月刊コミックビーム』に連載されている[4][5][6][7][2]。
2018年に『狂気の山脈にて ラヴクラフト傑作集』が第22回手塚治虫文化賞マンガ大賞最終候補となる[8]。同年、『魔犬 ラヴクラフト傑作集』でアイズナー賞最優秀コミカライズ作品賞にノミネート[9]。2019年に『狂気の山脈にて ラヴクラフト傑作集』で第46回アングレーム国際漫画祭公式セレクション選出[10]。同作でJapan Expo Awards(漫画部門)Daruma 最優秀作画賞[11]、Daruma 最優秀装丁賞[11]、第13回ACBD(フランス語版)アジア批評家賞をそれぞれ受賞する[12]。2020年に『時を超える影 ラヴクラフト傑作集』で第47回アングレーム国際漫画祭連続作品賞受賞[13]。同年には『狂気の山脈にて ラヴクラフト傑作集』がハーベイ賞Best Manga部門にノミネートされた[14]。
漫画家・松本大洋から「田邊氏の作品が持つ誠実さが大好きです。」と称賛された[15]。
作品リスト
漫画作品
連載
- 累(かさね)(『月刊コミックビーム』2006年7月号 - 2007年11月号[16]、構成:武田裕明[16])
- 異形建築家阿修羅帖控 ゲニウス・ロキ(いぎょうけんちくかあしゅらちょうひかえ ゲニウスロキ)(『月刊COMICリュウ』、不定期連載[17])
- Mr.NOBODY(『月刊コミックリュウ』2012年5月号 - 2014年1月号[18][19])
- サウダージ(『月刊コミックビーム』2014年6月号 - 2015年4月号[20]、原作:カリブSONG[21]) - 読み切り連載[22][注釈 1]。
- 異世界の色彩(『月刊コミックビーム』2015年7月号 - 2015年10月号[24])
- 闇に這う者(『月刊コミックビーム』2016年3月号 - 2016年4月号[25][26])
- 狂気の山脈にて(『月刊コミックビーム』2016年10月号 - 2017年12月号[27])
- 時を超える影(『月刊コミックビーム』2018年5月号 - 2019年1月号[28])
- クトゥルフの呼び声(『月刊コミックビーム』2019年6月号 - 2019年12月号[29])
- インスマスの影(『月刊コミックビーム』2020年6月号 - 2021年4月号[30])
- ダニッチの怪(『月刊コミックビーム』2021年11月号 - 2023年5月号[4][5])
- ショートストーリーズ・アバウト・ドリームランド(『月刊コミックビーム』2023年12月号 - 2024年5月号[6][7])
- ラヴクラフトの幻影(『月刊コミックビーム』2024年7月号[2] - 2025年1月号[31])
読切
- 神殿(前編)(『月刊コミックビーム』2009年3月号[32])
- 神殿(後編)(『月刊コミックビーム』2009年4月号[32])
- ダゴン(『月刊コミックビーム』2016年2月号[33]) - 『闇に這う者 ラヴクラフト傑作集』に収録[34]。
- 狩撫麻礼さんがなくなった(『月刊コミックビーム』2018年3月号[22]、原作:TKD[22]) - 漫画原作者・狩撫麻礼への追悼企画として掲載[22]。狩撫麻礼を偲ぶ会・編(双葉社・小学館・KADOKAWA・日本文芸社)『漫画原作者・狩撫麻礼 1979-2018 <<そうだ、起ち上がれ!! GET UP,STAND UP!!>>』に収録。
書籍
ラヴクラフト傑作集
全てKADOKAWA〈ビームコミックス〉から。
イラスト
雑誌掲載
- 『ユリイカ』2007年11月臨時増刊号 総特集 荒木飛呂彦-鋼鉄の魂は走りつづける(2007年、青土社) - イラスト・メッセージ寄稿[51]
カバーイラスト
その他
- 混沌のクトゥルフ展〜ラヴクラフト生誕130周年記念〜(展示イベント、2020年)[58]
脚注
注釈
- ^ 読み切り連載 『サウダージ』の最終話として、『月刊コミックビーム』2015年4月号に掲載された「ポンヌフ橋の放浪芸人」は、執筆時期の都合から、短編集『サウダージ』には収録されず、後に短編集『The Outsider 田辺剛 Extra Works』に収録された。また、2018年1月に死去した狩撫麻礼(カリブsong)への追悼企画が実施された同誌2018年3月号では、「ポンヌフ橋の放浪芸人」が「狩撫麻礼、ビーム最後の執筆作品」として再録された[22]。追悼掲載に際し、田辺は生前の狩撫との会話を元に、一部改稿を行った。
- ^ KADOKAWA Game Linkageが運営するオンラインショッピングサイト「ebten(エビテン)」では、第3巻のグッズ付き限定セット「ebtenDXパック」が発売された[43]。
- ^ 連載『ショートストーリーズ・アバウト・ドリームランド』を改題して単行本化したもの。
出典
外部リンク