海豹島
海豹島(かいひょうとう、露: Остров Тюлений チュレーニー島)は、樺太島の中東部、北知床半島の先端(北知床岬)より南西12kmに位置する無人島である。日本施政下においては樺太敷香郡散江村に所属していたが、現在はロシア連邦サハリン州ポロナイスク地区管下にある(当該地域の領有権に関しては樺太#領土問題の項目を参照)。 概要島は長さ636m、幅100mに満たない小島で、標高18mの平坦絶壁をなす岩山とそれを囲む砂浜からなる。 海岸の砂浜にはキタオットセイやトドの繁殖地があり、周囲30海里(約56km)は自然保護区として船舶や航空機の接近が禁じられている。 ウミガラスをはじめとして多数の海鳥も生息している。 名称海豹島の名はオランダ語名称Robbeneilandの直訳に由来し、ロシア語名称Остров Тюленийも同じである。オランダ語で単にRobbenといえばアザラシのことであるが、アシカをOorrobben(耳のあるアザラシの意)と呼ぶなど鰭脚類の動物一般を指す言葉でもある。これはヨーロッパの言語では珍しいことではなく、英語ではオットセイをfur seal(毛皮用のアザラシの意)と呼び、あるいはリンネはオットセイの学名をPhoca ursina(熊のようなアザラシの意)としたなどの例が挙げられる。したがってこの島をRobbenと名付けたのはオットセイに由来すると考えられ、それを海豹(アザラシ)と翻訳したのはある種の誤訳といえる。 松浦武四郎の『実験北蝦夷山川地理取調図』では「レフンモシリ」として記載されており[1]、また明治初期の絵図では「アトヤモシリ」として記されている[2]。アイヌ語で「レプン・モシㇼ」は「沖の島」、「アトゥイ・ヤ・モシㇼ」は「海の網漁の島」をそれぞれ意味する。 歴史
参考文献
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