桃 裕行(もも ひろゆき、1910年10月14日[1][2] - 1986年12月25日[1][2])は、日本の歴史学者。東京大学名誉教授。専門は日本古代史。
人物・来歴
東京市四谷区(のち東京都新宿区)に生まれる[1][2]。東京高等学校尋常科・高等科[3]を経て、東京帝国大学文学部国史学科に進む[4]。黒板勝美の「続日本紀」演習を受講したことがきっかけとなり、「上代における学制の研究」を卒業論文のテーマに選んだ[5]。1933年に卒業[6]し、東京大学史料編纂所に勤務。1938年に史料編纂官補、1954年に東京大学史料編纂所助教授、1958年に同教授[1][2]。1968年から東京大学史料編纂所所長となり、1971年に定年退官[1][2]。主に、『大日本史料』第2編や、大日本古記録の『御堂関白記』『小右記』の校訂・編纂に従事した。1971年、東京大学名誉教授[1]。東京大学退官後、立正大学文学部教授に就任。1981年まで在職した[1][2]。
1983年に叙勲三等授瑞宝章[1]。死去にあたり叙従四位。
教育史、古暦の研究を進めた[1]。
著書
単著
- 『上代学制の研究』(畝傍史学叢書)目黒書店、1947年(のち吉川弘文館から1983年に出版)
- 『隣邦史書に現われた日本』(新日本史講座第2部 古代前期)中央公論社、1949年
編著
- 『北条重時の家訓』(天理図書館古典覆刊2、校訂・解説)養徳社、1947年
- 『節気表-594年~1872年-』私家版、1992年
共編著
著作集
- 『桃裕行著作集』1-8 思文閣出版、1988年-1994年
- (1)上代学制の研究 修訂版
- (2)上代学制論攷
- (3)武家家訓の研究
- (4)古記録の研究 上
- (5)古記録の研究 下
- (6)松江藩と洋学の研究
- (7)暦法の研究 上
- (8)暦法の研究 下
参考文献
- 高島正人「桃裕行先生のご逝去を悲しむ」『立正史学』第62号、立正大学史学会、1987年、1-2頁。
- 土田直鎮「桃裕行氏の訃(学界消息)」『日本歴史』第466号、吉川弘文館、1987年、126-127頁。
- 藤本孝一「恩師歴訪 明治生れの史家点描 桃裕行先生―文献史学の泰斗」『歴史研究』第282号、新人物往来社、1984年、14-18頁、ISSN 02875403。
脚注