松本パルコ
松本PARCO(まつもとパルコ)は、長野県松本市中央にある、株式会社パルコが運営する商業施設(ファッションビル)であり、同社の北信越地方唯一の店舗(PARCO)である。 トミーヒルフィガーや、4°Cなどの有名ブランドをはじめ、入居しているテナントの種類や対象年齢層は様々であるが、主に若者を中心として賑わいを見せている。 沿革松本市の中心街にあった信州ジャスコ松本店跡の再開発により開業した[2][注釈 1]。1978年の松本駅周辺での大型店の出店を受けて中心街では客足が減少しており、他地区へ買い物客が流出することに対する危機感があった[4]。1981年3月に信州ジャスコが松本店を閉店して郊外の松本カタクラモール内に移転すると跡地利用が問題となった[2]。既存の百貨店やスーパーマーケットとの競合を避け、商店街の活性化を考えてファッションビルとしての再開発に決定した[2]。建物については「松本市中央商店街再開発」が所有し、パルコに運営を委託する形態が採られた[5]。パルコはそれまで直営のみであったが、店舗網の拡大にあたって地域との良好な関係構築や投資リスクの軽減などが必要であるとして業務委託を引き受けた[5]。1984年8月23日に開業、62店舗が入居し、内37店舗が婦人服専門店であった[5]。また、全体の7割が長野県外の資本であった[5]。建物は地下1階地上5階建てで延床面積10,100平方メートル、店舗面積は6,551平方メートル[6]。 松本パルコの開店はDCブランドの流行と時期が重なり、伊勢町界隈は若者とファッションの街としてにぎわった[3]。 営業についてはパルコが閉店時刻20時、年間休業日数11日を求めたが、商業活動調整協議会により既存の大型店と同様の閉店時刻18時30分(年間40日まで19時)、年間休業日数42日、2年目以降は改めて協議とされた[7][8]。2年目はパルコに加え消費者代表委員からの要望もあったものの、商店街への影響を考慮して閉店時刻19時(年間60日まで19時30分)、年間休業日数40日とされた[9][10]。1993年には年間休業日数28日への減少が認められている[6]。 松本市では1980年以降新規大型店の出店を事実上凍結していた[4]。しかし、大規模小売店舗法関連の規制緩和により1990年2月に解禁され、松本市周辺では大型店の出店が相次いだ[4][6]。この動きに対して商店街は地区の核であるパルコの増床を求めた[6]。パルコは北側を伊勢町商店街に面する新館(地上6階地下1階建て)の建設を計画し、1996年4月5日に開業した[4][6][11]。これにより営業面積は15,000平方メートルに拡張された[11]。周辺の伊勢町商店街では、土地区画整理事業を契機に建設されたテナントビルに若年層向けの店舗が進出している[4]。増床により一時は来客や売り上げが伸びたものの、翌1997年には消費マインドの冷え込みにより減少に転じた[12][13][14]。 その後、改装を重ねて中高年や男性にも客層を広げ、2006年度には年間売上高100億円を突破し、過去最高を記録した[15]。 2017年9月にイオンモール松本が開業するなど、周辺の競争が激しくなった[14]。一方で2020年秋にはイオンモール松本と松本パルコが共同でスタンプラリーなどの販促キャンペーンを行った[3]。 しかし、インターネットショッピングの拡大の影響も受け、2021年度には売上高約40億円まで減少した[14]。都市部に経営資源を集中させるJ.フロント リテイリングの方針もあり、2025年2月末に閉店することが2023年2月に発表された[14]。 売上高 (テナント取扱高)政令指定都市にある他の都心型PARCO店舗に比べ、施設規模・売上規模ともにパルコの中では中規模である。月により売上高やその前年比に変動があるが、2017年度の年間売上高は72億円、前年比90.8%となっている[16]。 主なテナントその他テナントについては、フロアガイドにて参照。 近隣の商業施設
脚注注釈出典
参考文献
関連項目外部リンク |