本人認証本人認証(ほんにんにんしょう)は、サービス提供を受ける資格を持つ、当該個人であると主張する人の真正性を確認する行為であり、対面交渉を前提としないサービスにおける認証においては、パスワードによる本人認証が代表的な認証手段である。 概要サービス提供時における「本人確認」は、「個人識別」と「本人認証」というレベルを異にする2つの領域から成り立っている。「識別 (identification)」と「認証 (authentication)」は個別の概念で、「個人識別」は対象とする人を特定の個人と判別する行為であり、肉体的特徴や所持物などが代表的識別手段となる。 「本人認証」は識別された人が当該個人である事を確認する行為となる。 所持物や身体の特徴点の照合は、当人の否認を他者が否定するには有効であるが、当人の主張(それは俺だ)を他者が肯定するには無効である(例えば替玉自首を許してしまう)。 記憶の照合は、当人の否認(それは俺ではない)を他者が否定するには無効であるが、当人の主張を他者が肯定するには有効である(当人しか知り得ない事実を知っている)。 背景情報処理推進機構 (IPA) セキュリティセンターの『本人認証技術の現状に関する調査報告書』(2003年3月)は「「認証」は真正性の確認 (Authentication)」であり(報告書3頁)、「認証とは何らかのサービスを提供する側が相手の真正性を確認する行為である」(報告書8頁)と定義している。 本人認証は何らかの経済的・法的行為の入り口となるものであり、本人の意思の確認が必要であって、権利義務の主体の確定にかかわる分野で適用される。これに対して、個人識別では識別対象となる個人の意思は問題とされず、識別される側は主体ではなく客体として登場する。 法的観点から考察するならば、すべての契約行為において契約主体には権利能力、意思能力、行為能力の三つの能力が要求される。つまり意思を持っていることが契約成立の前提の一つとなっており、契約当事者が泥酔や心神喪失状態にあるときは意思能力を認められない。民事訴訟法第228条4項に「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」と規定されているように、「署名・捺印」は本人の意思発現の象徴とみなされている。さらに、商法第32条では「この法律の規定により署名すべき場合には、記名押印をもって、署名に代えることができる。」と規定されており、法律では、署名を第一議とし、記名押印に署名と同等の効果を認めるという考え方を取っていることが示されている。 課題
関連事項参考文献
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