曼荼羅交響曲曼荼羅交響曲(まんだらこうきょうきょく)は、黛敏郎が作曲した交響曲。 涅槃交響曲の兄弟作品に当たる。 初演は1960年3月27日、第4回三人の会の発表会にて、岩城宏之が指揮したNHK交響楽団により行われている。 音による曼荼羅の再現を目指した黛は、涅槃交響曲で採用した「カンパノロジー・エフェクト」を発展拡大させ、日本各地の鐘の音を分析した結果得られたという2つの「陽旋法」を素材として用いている[1]。また、経典などの具体的な素材は用いずにオーケストラのみで抽象的な表現を目指した。 なお、後のスペクトル楽派とは異なり、曲は全て12音技法で書かれている。 楽器編成フルート2(ピッコロ1)、オーボエ、イングリッシュ・ホルン、クラリネット2(E♭管クラリネット1)、バスクラリネット、ファゴット、ホルン2、トランペット2、トロンボーン2、チューバ、ティンパニ、シロフォン、グロッケンシュピール、ヴィブラフォーン、サスペンデッド・シンバル、中国の小さなドラ、スレイベル、キン、タムタム、チェレスタ、チューブラーベル、ハープ、ピアノ、弦5部(左右均等に分割する) 演奏時間約15分となっている。 構成備考NHK交響楽団が1960年に行った世界一周演奏旅行の際、同窓の矢代秋雄のチェロ協奏曲と共にプログラムに入れられた。ロンドンの公演の際、オットー・クレンペラーが聴きに来ており、この曲も聴いたという。 脚注 |