日本OSS貢献者賞(にほんおーえすえすこうけんしゃしょう)とは、オープンソースソフトウェア(OSS)開発の振興を図ることを目的に、影響力のある開発プロジェクトを創造・運営した開発者や、グローバルプロジェクトにおいて活躍する卓越した開発者、OSS普及への貢献者を表彰するものである。2005年に創設され、日本OSS推進フォーラムおよび 独立行政法人情報処理推進機構 などが主催する。2009年度からは、日本OSS奨励賞が設けられ、同時に表彰されている。
受賞対象
受賞対象は大きく「OSS開発分野」と「OSS普及促進分野」とされている。ただし、受賞者がどちらの分野で評価されたかは明示されていない。
OSS開発分野
国内・国外を問わず、影響力のあるOSS 開発プロジェクトの創造・運営や、卓越した開発者として活躍するなど、OSSプロジェクトにおいて中心的な役割を果たしている開発者を対象。開発 基盤やOS・ミドルウェア、アプリケーション、デスクトップ、サーバ、組み込み分野など、幅広い分野の中で活躍するOSS開発者が対象
OSS普及促進分野
OSSの発展・普及に大きく貢献した人、OSSコミュニティやマーケットに大きな影響を与えた人を対象。コミュニティの形成、OSSの認知、ドキュメンテーション、人材育成、標準化などに大きく貢献された人が対象
これまでの実施、受賞者
第10回
日本OSS推進フォーラムが主催となり実施され、2015年10月24日に オープンソースカンファレンス 2015 Tokyo/Fallの会場内にて授賞式が開催された。[1]審査委員長は 筧捷彦(早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部/研究科 情報理工学専攻 教授)、実行委員長は 濱野賢一朗 (株式会社NTTデータ)。[2]
受賞者 |
受賞理由
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岡島順治郎 |
レイヤファイルシステムaufsの開発
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奥一穂 |
HTTP2サーバ H2O 等の開発をリード
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亀澤寛之 |
Linuxカーネルにおけるcgroups等の開発
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古橋貞之 |
MessagesPack、Fluentd、Embulk等の開発を主導[3]
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第9回
日本OSS推進フォーラムが主催となり実施され、2014年2月28日に オープンソースカンファレンス 2014 Tokyo/Springの会場内にて授賞式が開催された。[4]審査委員長は 筧捷彦(早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部/研究科 情報理工学専攻 教授)、実行委員長は 濱野賢一朗 (株式会社NTTデータ)。[5]
受賞者 |
受賞理由
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海外浩平 |
OSSのセキュリティ機能強化の推進、PG-Stromの開発など
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成瀬ゆい |
Rubyの多言語化に関する仕様策定と実装
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羽鳥健太郎 |
小江戸らぐを長年にわたり主宰
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藤野圭一 |
Apache Tomcatの安定稼働に向け、多くのパッチの提供・開発等を継続
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高橋信頼 |
自ら多くのコミュニティに参加もしながら、OSS活動の取材を続けることで、普及啓蒙に大きく貢献(特別賞)
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第8回
日本OSS推進フォーラムが主催となり実施され、2013年2月22日に オープンソースカンファレンス 2013 Tokyo/Springの会場内にて授賞式が開催された。[6][7]審査委員長は 筧捷彦(早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部/研究科 情報理工学専攻 教授)、実行委員長は 濱野賢一朗 (株式会社NTTデータ)。[8]
第7回
日本OSS推進フォーラムが主催となり実施され、2012年3月16日に オープンソースカンファレンス 2012 Tokyo/Springの会場内にて授賞式が開催された。[9]審査委員長は 筧捷彦(早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部/研究科 情報理工学専攻 教授)、実行委員長は 岩岡 泰夫 (日本電気株式会社)。これまでは実施回を「2010年度」のように年度で表記していたが、通算の実施回数に改められた。[10]
受賞者 |
受賞理由
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川口耕介 |
Jenkinsの開発や普及啓蒙活動[11]
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平松雅巳 |
LKST、SystemTap、Ftrace、Perfの開発などLinuxの品質向上に貢献
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法林浩之 |
OSS関連イベントの開催を継続
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森啓介 |
Heartbeat/Pacemakerの安定したプロダクトリリースに貢献[12]
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2010年度
独立行政法人 情報処理推進機構 が主催となり実施され、2010年10月28日に IPA Forum 2010 の会場内にて授賞式が開催された。審査委員長は 竹内郁雄(東京大学 名誉教授)、実行委員長は 濱野賢一朗 (株式会社NTTデータ)。[13][14][15]
2009年度
独立行政法人 情報処理推進機構 が主催となり実施され、2009年10月29日に IPA Forum 2009 の会場内にて授賞式が開催された。[16]審査委員長は 相磯秀夫(東京工科大学 理事)、実行委員長は 濱野賢一朗 (株式会社NTTデータ)。[17][18][19]
2008年度
独立行政法人 情報処理推進機構 が主催となり実施され、2008年10月29日に IPA Forum 2008 の会場内にて授賞式が開催された。[21]審査委員長は 相磯秀夫(東京工科大学 理事)、実行委員長は 濱野賢一朗 (リナックスアカデミー 学校長)。[22][23]
2007年度
独立行政法人 情報処理推進機構 が主催となり実施され、2007年10月30日に IPA Forum 2007 の会場内にて授賞式が開催された。[28]審査委員長は 相磯秀夫(東京工科大学 学長)、実行委員長は 濱野賢一朗 (リナックスアカデミー 学校長)。[29][30][31]
受賞者 |
受賞理由
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小山哲志 |
日本PHPユーザ会における技術者育成をはじめとしたOSS普及促進への貢献
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笹田耕一 |
Rubyを高速化するシステムYARV (Yet Another Ruby VM) の開発をはじめとしたOSSへの貢献
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佐藤嘉則 |
組み込み向けCPUへのLinuxの移植をはじめとしたOSSへの貢献
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松本裕治 |
日本語形態素解析システム「茶筌 (ChaSen)」の開発をはじめとした OSSへの貢献
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2006年度
独立行政法人 情報処理推進機構 が主催となり実施され、2006年10月24日に IPA Forum 2006 の会場内にて授賞式が開催された。[32][33]審査委員長は 相磯秀夫(東京工科大学 学長)、実行委員長は 濱野賢一朗 (リナックスアカデミー 学校長)。[34][35]
2005年度
日本OSS推進フォーラムが主催となり実施され、2005年8月23日に授賞式が開催された。[36][37]審査委員長は 徳田英幸(慶応義塾大学 教授)、実行委員長は 山田伸一 (株式会社NTTデータ 執行役員)。[38][39]
脚注